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ジェラード監督のコウチーニョ獲得は吉と出る? 元チームメイトと契約した5人の監督

ヴィラに加入したコウチーニョ [写真]=Aston Villa FC via Getty Images

 アストン・ヴィラは7日、ブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョの期限付き移籍に向けて、所属クラブのバルセロナと合意したことを発表した。レンタル期間は今シーズン終了までで、完全移籍のオプションも付いている。

 現在、アストン・ヴィラを率いるのはリヴァプールのレジェンド、スティーヴン・ジェラード氏。2013年から5年間リヴァプールでプレーをしていたコウチーニョとは、”元チームメイト“という間柄だ。

 若い監督にとって、選手としての能力はもちろんのこと、ピッチ外での振舞いや性格も把握する旧友をチームに加えることは合理的だ。チーム作りにおいて、心強い存在にもなるだろう。

 今回のジェラード氏のように、自らが率いるクラブに元チームメイトを呼ぶ監督は少なくない。イギリスメディア『Football365』は、現役時代に同じチームでプレーをしていた選手と契約した5人の監督を紹介している。

[写真]=Getty Images

■ウェイン・ルーニー & ラヴェル・モリソン

 同時にピッチに立ったことはない。ラヴェル・モリソンが、ポール・ポグバやジェシー・リンガードと共にマンチェスター・Uの下部組織で切磋琢磨していた頃、ウェイン・ルーニーは同クラブを代表するトッププレーヤーだった。2011年のFAユース・カップ優勝に貢献し、その世代で筆頭の将来のスター候補に挙げられたモリソン。しかしトップチームではカップ戦で3試合に出場しただけでウェストハムに移籍。その後はイタリア、メキシコ、スウェーデン、オランダでもプレーをしたが、私生活でのトラブルも影響し、未だに実力を発揮しきれていない。

 昨年1月にADOデン・ハーグとの契約を解除し、無所属となったモリソンに救いの手を差し伸べたのが、チャンピオンシップのダービー・カウンティを率いるルーニー監督だった。以前からモリソンの能力は、「ポグバやリンガードよりも上」と評価していたルーニー監督。それだけにプライベートの問題で伸び悩んだことを残念に思っていたと言う。

 昨年夏に契約を交わした際には、「彼の能力に疑いはないし、彼のベストを引き出せる自信がある」とコメント。さらに「それができたら、彼をここに留めるのは難しいだろうね。プレミアリーグのクラブから誘いがあるのは間違いないだろう」と予想し、来月で29歳になる“元同僚”のキャリア再生に一役買うことを誓った。恩返しの為にも、モリソンは最下位に沈むダービーの順位を1つでも上げることに全力を尽くさなければならない。

■ディエゴ・シメオネ & フェルナンド・トーレス

 元チームメイトという関係性は、必ずしもプラスに作用するわけではないようだ。2015年の1月、アトレティコ・マドリードを率いて3年が過ぎたディエゴ・シメオネ監督は、現役時代の終盤に同クラブで共にプレーをしたフェルナンド・トーレスをチームに迎えた。2007年にリヴァプールへ移籍して以来、7年半ぶりの古巣復帰を果たしたF・トーレスの入団会見には、4万5000人のサポーターが押し掛ける盛況ぶりだった。

 しかしファンの熱量はシメオネ監督の人選に影響を与えなかった。スタメン出場の機会になかなか恵まれなかったF・トーレス。そんな状況に不満を募らせていたことを、2020年9月に『Amazonプライム』で公開されたドキュメンタリーで明らかにしている。一方で「シメオネは僕のアイドルだった。それからチームメイトになり、その後は僕の監督となった。彼にとってはやりづらい状況だったことは理解できる」と語り、他の選手とは関係性の異なる自身の扱いは、監督にとって難しかったはずだと理解を示したF・トーレス。復帰した際に、アトレティコでキャリアを終えたいと語っていたが願いは叶わず。2018年にサガン鳥栖へ移籍し、日本で現役を終えている。

 F・トーレスが引退を発表した際、アトレティコで一緒に仕事がしたいと語っていたシメオネ監督の言葉に嘘はなかったようだ。F・トーレスは今季、同クラブのフベニールA(U-19相当)のアシスタントコーチに就任。「チームメイト」から「監督と選手」という関係を経た2人は、同じクラブのコーチ仲間として、新たな関係を築き始めている。

■オーレ・グンナー・スールシャール & クリスティアーノ・ロナウド

 「僕が最初にオールド・トラッフォードに来た時のストライカーで、マン・ユナイテッドに戻って来た時の監督だった。何より人間として素晴らしいオーレ。どんな人生が待っていようと、成功することを願っている。友よ、幸運を!」

 昨年11月にマンチェスター・Uが監督のオーレ・グンナー・スールシャール氏を解任した後、同クラブのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが同氏に向けてSNSで送った惜別メッセージだ。2003年からの4年間、マンチェスター・Uでチームメイトだった2人。32試合で共にピッチに立ち、互いのゴールのアシストを2つずつ記録した。

 スールシャール氏の現役引退から2年後にイングランドを離れたC・ロナウドは、世界的な名プレーヤーに成長。スールシャール氏は2018年12月にジョゼ・モウリーニョ氏の後任としてマンチェスターに戻って来た。

 昨年3月、クラブ公式サイトで「ユナイテッドのレジェンドを今のチームに入れるとしたら誰を選ぶか」というファンからの質問に対し、ロイ・キーンとC・ロナウドの名前を挙げていたスールシャール氏。その5カ月後、同氏の願い通り、C・ロナウドはオールド・トラッフォードに戻って来た。36歳となったC・ロナウドに何度か窮地を救われたスールシャール氏だったが、チームの調子は上がらず。12年ぶりに再会した“旧友”に、たった3カ月で別れを告げることになった。

■ロイ・キーン & キーラン・リチャードソン

ユナイテッド時代のリチャードソン(左)とキーン(右)

 ベテラン選手に激しく叱責されれば、大半の若手選手は怖気づくはずだ。しかしキーラン・リチャードソンは怯むことなく、自らを怒鳴りつけた先輩の下でプレーをする道を選び、人としても選手としても成長を遂げた。

 今では辛口コメンテーターの代表格として名を馳せるロイ・キーン氏。“闘将”として恐れられたマンチェスター・Uでの現役時代も、歯に衣着せぬ発言が度々メディアを賑わせた。2006年に当時チャンピオンシップのサンダーランドで監督業をスタートさせたキーン氏が、昇格を決めた翌年に古巣マンチェスター・Uから獲得したのが、左サイドバックのリチャードソンだった。

 10代の頃、キーン氏にこっぴどく叱られた経験を持つリチャードソン。当時マンチェスター・Uのユースに所属していた選手の証言によると、トップチームに加わったばかりだったある日のリチャードソンは、爆音で音楽をかけながら練習場に到着。タイミング悪く駐車場を通りかかったキーン氏を激怒させ、「音楽を消して帰れ。今日は戻って来るな」と命じられたのだとか。

 キーン氏とはマンチェスター・Uで7試合に共演し、サンダーランドでは師弟関係を結んだリチャードソン。さらに2014年には、キーン氏がアシスタントコーチに就任したアストン・ヴィラと契約を交わした。当時のインタビューで、サンダーランド時代はキーン氏から強い言葉で励まされたおかげで頑張れたと語ったリチャードソン。「多くの人が彼の個人的なところを知らないけど、彼には間違いなくそうした一面があるんだ」と恩師への感謝を口にしていた。

■ティエリ・アンリ & セスク・ファブレガス

アーセナル時代のセスク(左)とアンリ(右)

 ティエリ・アンリ氏が監督として迎えた初めての移籍市場で契約した選手の1人は、アーセナルで100試合も共にプレーをしたセスク・ファブレガスだった。ファブレガスがアーセナルに加入したのは、同クラブが無敗優勝を達成した2003-04シーズンのこと。その年のリーグ戦では出場機会が訪れなかった元スペイン代表MFだが、翌年以降はレギュラーポジションを獲得。2007年にアンリ氏がバルセロナに移籍するまで共にピッチに立ち、2005-06シーズンはCLでファイナルに進出した。

 アーセナルの歴代最多得点者として名を残すアンリ氏は、2018年10月にモナコの監督に就任。監督初挑戦だった同氏は勝ち星に恵まれず、19位に低迷したまま年を越した。2013年に1部リーグに昇格して以降、5年続けて3位以内に終わっていたモナコは、1月に積極的な補強を敢行。当時、チェルシーで出場機会を減らしていたファブレガスも、元チームメイトの下でプレーをすることを選んだ。しかしファブレガスの加入後、3試合続けて勝利を逃したアンリ氏はモナコを去ることに。2人が「監督と選手」という関係でいられた期間は2週間足らずだった。

 アンリ氏の解任について、当時「フットボールは誰のことも待ってくれない。残念ながら彼は自分が持っていたプランの全てを実行するだけの時間は与えられなかったかもしれない」と語っていたファブレガスは、現在もモナコに所属している。

(記事/Footmedia)

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