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ロシアの至宝にW杯覇者…プレミアリーグを彩った冬の移籍劇

冬の移籍市場が開幕 [写真]=Getty Images

 今シーズンも冬の移籍市場の幕が開き、残留を目指すチームもタイトルを狙うチームも戦力補強に余念がない。冬の移籍市場は、夏ほど活発ではないものの過去にはクラブの命運を左右した事例がある。

 例えば世界最高ディフェンダーと呼ばれるリヴァプールのオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクも1月に加入した選手だ。リヴァプールに30年ぶりのリーグ制覇をもたらすことになる同選手は、2018年1月にDFの移籍金としては世界記録の7500万ポンド(約110億円)でサウサンプトンから加入。当初はその金額を疑問視する人もいたが、先日ユルゲン・クロップ監督が「クラブにとって歴史的な補強」と振り返ったように移籍金以上の活躍を見せている。

 もちろん冬の移籍で成功を収めた選手はファン・ダイクだけではない。そしてファン・ダイクよりも即座に結果を残した選手だっている。それでは、プレミアリーグ史に残る冬の補強を何名か振り返っていこう。

[写真]=Getty Images

■クリストフ・デュガリー (バーミンガム)

 最もインパクトを残した選手といえば、やはり元フランス代表のFWクリストフ・デュガリーだろう。1998年ワールドカップでフランスの初優勝に貢献したデュガリーは、2003年1月にボルドーからバーミンガム(当時プレミアリーグ在籍)にローン契約で加入。チームを率いていたスティーヴ・ブルース監督が「クラブ史上最高の補強」と獲得を喜んだストライカーは、クラブを救う英雄としてサポーターから称えられることになる。

 英国にやってきたデュガリーは、加入から最初10試合はゴールを奪えず、その間にチームもわずか3勝で残留争いから抜け出せずにいたが、迎えたシーズン佳境の4月に4戦連発の計5ゴールと大爆発。チームも4連勝で一気に残留争いを抜け出して最終的に13位でプレミア残留を果たした。“救世主”デュガリーの活躍を受け、冬の補強に夢を見るようになったファンも多いだろう。

■アンドレイ・アルシャヴィン (アーセナル)

 元ロシア代表のFWアンドレイ・アルシャヴィンも強烈なインパクトを残した選手だ。EURO 2008でロシアを4強に導いた小兵アタッカーは、半年後の2009年2月にゼニトから当時のクラブ記録となる移籍金でアーセナル入り。その時のアーセナルはトップ4争いで後れを取っており、シーズン後半に巻き返しが必要だったが、アルシャヴィンがその起爆剤となってくれた。

 リーグ戦残り12試合に出場して6ゴール5アシストの活躍で見事にチームを4位に浮上させた。最も印象に残っているのは2009年4月のリヴァプール戦だ。同試合で、アルシャヴィンは4得点と大暴れ。アンフィールドでのリーグ戦で敵選手が1試合4得点するのは63年ぶりの快挙。チームは後半追加タイムに追いつかれて4-4で引き分けたが、その試合はプレミアリーグのベストゲームの1つとして語り継がれている。

 ちなみに、ロシアの至宝であるアルシャヴィンを引き抜くのは簡単ではなかった。当時、アルシャヴィンの代理人を務めていたデニス・ラフターは、同選手の海外移籍の願いを叶えるために奔走するも、ウラジーミル・プーチン大統領が応援するゼニトから主力選手を移籍させるのは困難を極めたそうだ。ある時には、ロシアの諜報機関である「ロシア連邦保安庁」に呼び出されて移籍に関して脅しともとれる忠告を受けたという。

■ジェームズ・ビーティー (ストーク)

 ストークのトニー・ピューリス元監督は降格経験がないことで有名だが、過去には窮地に立たされたこともある。それはストークを率いて初めてプレミアリーグに昇格した2008-09シーズンのことだった。得意のロングスローで注目を集めたストークだが、苦しい戦いが続いて降格圏で新年を迎えることに。このまま1年で2部降格と思われたが、1月に加入した元イングランド代表FWジェームズ・ビーティーに救われることになる。

 イングランド2部のシェフィールド・ユナイテッドでシーズン前半戦に23試合12ゴールと活躍していたビーティーは、1月に移籍金350万ポンド(約5億円)でストークに加入すると即座に結果を残した。デビュー戦でアシストを記録すると、そこからプレミア16試合で7ゴール3アシストと大爆発。チームも降格圏を脱出して最終的に12位で残留に成功。ピューリス監督の“不降格神話”も無事に守られた。

■パピス・シセ (ニューカッスル)

 ニューカッスルのファンに夢を与えたのは、元セネガル代表のFWパピス・シセだ。2011-12シーズン、ドイツのフライブルクでブンデスリーガ前半戦に9得点とゴールを量産したシセは、2012年1月に移籍900万ポンド(約13億円)でニューカッスルに引き抜かれてからも勢いが衰えず、デビュー戦となったアストン・ヴィラ戦で途中出場からいきなり決勝ゴール。その後もゴールを決め続けてプレミアリーグ14試合で13ゴールをマーク。枠内シュート21本で13点という驚異的な決定力を誇り、チームもあと一歩でトップ4という5位の好成績でシーズンを終えた。

 同胞のFWデンバ・バとの2トップで驚異的な破壊力を発揮したシセ。中でも驚かされたのは2012年5月のチェルシー戦での“ブーメランショット”だ。左サイドでのスローインの流れから、味方が胸で落としたボールを迷うことなく右足一閃。アウトサイドにかけたシュートは、急激に曲がって名手GKペトル・チェフの頭上を越えてネットに突き刺さった。まるでアニメに出てくるようなシュートは、そのシーズンの「プレミアリーグ年間ベストゴール」に選出された。

 ちなみに、シセの大活躍もあって好成績を残したニューカッスルは同年9月、チームを率いていたアラン・パーデュー監督と新たに8年契約を締結。異例の長期契約を用意し、一気に上位定着を目指すはずだったが、そこから不振に陥って残留争いに巻き込まれることになるのだった。

(記事/Footmedia)

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