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歴史を変えた一戦から10年! オールド・トラッフォードでのマンチェスター・ダービーを振り返る

過去10年のマンチェスター・ダービーを振り返る [写真]=Getty Images

 2011年10月23日。マンチェスター・Uが本拠地『オールド・トラッフォード』でマンチェスター・Cに「1-6」という記録的な大差で敗れた日だ。

 マンチェスター・ダービーでユナイテッドが5点差以上で敗れるのは1926年以来、85年ぶりとなる異例の事態。マンチェスター・Uの重鎮サー・アレックス・ファーガソン氏が「うるさい隣人」と評したシティが、マンチェスターの主役に躍り出た瞬間だった。

 あれから10年の間に、マンチェスターの勢力図を塗り替えただけでなく、欧州屈指の強豪チームにまで成長を遂げたシティ。6日には『オールド・トラッフォード』でユナイテッドとの今季初対戦が控えている。

 そこで今回は、同地で繰り広げられた過去10年のプレミアリーグでのマンチェスター・ダービーを振り返っておこう。

▼2020-21シーズン第12節 2020年12月12日 マンチェスター・U 0-0 マンチェスター・C

[写真]=Getty Images


 コロナ禍により無観客で行われた一戦。今回と同様、両チームはミッドウィークにチャンピオンズリーグ(CL)の試合を戦う厳しいスケジュールを強いられていた。枠内シュートはそれぞれ2本で、イエローカードも1枚ずつ。マンチェスター・Uのオーレ・グンナー・スールシャール監督も、マンチェスター・Cのジョゼップ・グアルディオラ監督も交代カードを1枚しか切らず、盛り上がりに欠けた展開に。元マンチェスター・Uのロイ・キーン氏は「警告は2枚だけだし、ダービーの後でこんな風にハグをしたり、おしゃべりをしているのは見たことがない。心からイライラする」と選手たちの緩い空気を一喝していた。

▼2019-20シーズン第29節 2020年3月8日 マンチェスター・U 2-0 マンチェスター・C

[写真]=Getty Images


【得点者】
30分 アントニー・マルシャル(マンチェスター・U)
90+6分 スコット・マクトミネイ(マンチェスター・U)

 冬の移籍市場で獲得した選手が即座に成功を収めるのは難しいとされているが、そんな定説を覆したのがマンチェスター・Uのブルーノ・フェルナンデスだった。加入直後からレギュラーに定着したポルトガル代表MFは、公式戦3試合連続ゴールという絶好調な状況で初めてのマンチェスター・ダービーに参戦。30分にアントニー・マルシャルの先制ゴールをアシストし、チームの勝利に貢献した。なお、プレミアリーグはこの節を最後に新型コロナウイルス感染拡大により中断期間に入っている。

▼2018-19シーズン第31節(延期分) 2019年4月24日 マンチェスター・U 0-2 マンチェスター・C

[写真]=Getty Images


【得点者】
54分 ベルナルド・シルヴァ(マンチェスター・C)
66分 レロイ・サネ(マンチェスター・C)

 スールシャール監督が指揮官として初めて臨んだマンチェスター・ダービー。この直前にはCL準々決勝でバルセロナに敗退し、リーグ戦ではエヴァートンに0-4の大敗を喫しており、「この状況でダービーを戦えるのは最高だ」と、ライバルを倒して悪い流れを払拭しようと気合十分だった。一方、「一番大事なのはタイトルであり、ユナイテッドを倒すことではない」と平常心を貫いたグアルディオラ監督。最終的にグアルディオラ監督は、史上初めて、適地プレミアでのマンチェスター・U戦に3連勝を収めた監督に。またこの試合の結果、マンチェスター・Cはリヴァプールを抜いて首位に返り咲き、最後までその座を死守した。

▼2017-18シーズン第16節 2017年12月10日 マンチェスター・U 1-2 マンチェスター・C

[写真]=Getty Images


【得点者】
43分 ダビド・シルバ(マンチェスター・C)
45+2分 マーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・U)
54分 ニコラス・オタメンディ(マンチェスター・C)

 マンチェスター・Cの得点はいずれもセットプレーからだったが、65パーセントのボール支配率が示す通り、アウェイチームがスコア以上に相手を上回った試合だった。マンチェスター・UのOBであるギャリー・ネヴィル氏でさえ「シティはユナイテッドとはレベルが違った」と完敗を認めるほどだった。試合後にはユナイテッドの当時監督ジョゼ・モウリーニョ氏が、シティの選手たちの喜び方が過剰だと腹を立て、ドレッシングルームでひと悶着があったことも話題に。なお、マンチェスター・Cはこの勝利でプレミア14連勝を達成し、イングランドのトップリーグにおける1シーズン内の最多連勝記録を更新。最終的にプレミア史上初となる勝ち点100に到達し、圧倒的な強さで同シーズンを制している。

▼2016-17シーズン第4節 2016年9月10日 マンチェスター・U 1-2 マンチェスター・C

[写真]=Getty Images


【得点者】
15分 ケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・C)
36分 ケレチ・イヘアナチョ(マンチェスター・C)
42分 ズラタン・イブラヒモヴィッチ(マンチェスター・U)

 モウリーニョ氏が監督に就任したユナイテッドと、グアルディオラ監督の招聘に成功したシティ。世界的名将を迎えたマンチェスターの2チームは、シーズン前から優勝候補の筆頭に挙げられていた。前評判通り、揃って3連勝スタートを切ってこの日を迎えた両チーム。マンチェスター・Cはセルヒオ・アグエロを出場停止で欠いていたが、前半は完全に試合を支配。ケヴィン・デ・ブライネとケレチ・イヘアナチョのゴールで2点を先制した。ハーフタイム目前にズラタン・イブラヒモヴィッチの“スーパー・ハーフ・ボレー”で1点を返されるも、後半は両者得点が決まらず。マンチェスター・Cは公式戦でのマンチェスター・ダービーで通算50勝目を収めている。

▼2015-16シーズン第10節 2015年10月25日 マンチェスター・U 0-0 マンチェスター・C

[写真]=Getty Images


 「眠気を誘うほど退屈なドロー」。公式戦170回目のマンチェスター・ダービーの結果を伝えた地元紙『Manchester Evening News』の見出しだ。揃って1本ずつしか記録できなかった枠内シュートが生まれたのは、マンチェスター・Cは82分、マンチェスター・Uはその6分後のことだった。マンチェスター・Uは3日後に行われたリーグ杯4回戦でもミドルズブラを相手に「0-0」で終わり、PK戦の末に敗退。同クラブで公式戦718試合に出場した元イングランド代表MFポール・スコールズ氏は、ルイ・ファンハール率いる古巣のプレースタイルを「創造性もなく、リスクを冒すこともない。自分がプレーしても楽しめないチームだと思う」と酷評した。

▼2014-15シーズン第32節 2015年4月12日 マンチェスター・U 4-2 マンチェスター・C

[写真]=Getty Images


【得点者】
8分 セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・C)
14分 アシュリー・ヤング(マンチェスター・U)
27分 マルアン・フェライニ(マンチェスター・U)
67分 フアン・マタ(マンチェスター・U)
73分 クリス・スモーリング(マンチェスター・U)
89分 セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・C)

 第31節終了後、マンチェスター・C(4位)の順位を499日ぶりに上回ったマンチェスター・U(3位)。ただし、直接対決では1970年以来の4連敗中で、5連敗となればクラブ史上初の屈辱を受けるところだった。開始8分にアグエロに先制点を許す苦しい立ち上がりとなったが、前半のうちに逆転に成功すると、後半に入ってさらに2点を追加。交代枠を使い切った後で、現コーチのマイケル・キャリックが負傷でピッチを退いたため、一人少なくなった後でアグエロに1点を返されるも4-2の快勝。ビジャレアル監督時代から数えて、マンチェスター・Uには7戦無敗だったマンチェスター・Cの当時指揮官マヌエル・ペジェグリーニ氏は、8戦目にして初の黒星を喫した。

▼2013-14シーズン第28節(延期分) 2014年3月25日 マンチェスター・U 0-3 マンチェスター・C

[写真]=Getty Images


【得点者】
1分 エディン・ジェコ(マンチェスター・C)
56分 エディン・ジェコ(マンチェスター・C)
90分 ヤヤ・トゥーレ(マンチェスター・C)

 試合前の勝ち点差は12ポイント。プレミアリーグ創設以降、オールド・トラッフォードでダービーマッチが開催される直前の段階で、シティがユナイテッドに「勝ち点10以上」のリードを奪っていたのは初めてだった。ブックメーカーもマンチェスター・Cが完全に優位と予想していた通り、開始“43秒”でエディン・ジェコのゴールで先制したアウェイチームが完勝した。チーム3得点目を決めたヤヤ・トゥーレは試合後、「マンチェスターは今も、そして今後も永遠にブルー」とツイッターで高らかに勝利宣言。約1カ月後にデイヴィッド・モイーズ当時監督を解任したマンチェスター・Uは、プレミアリーグにおけるクラブ史上ワーストの7位でシーズンを終えている。

▼2012-13シーズン第32節 2013年4月8日 マンチェスター・U 1-2 マンチェスター・C

[写真]=Getty Images


【得点者】
51分 ジェイムズ・ミルナー(マンチェスター・C)
59分 オウンゴール(マンチェスター・U)
78分 セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・C)

 自身最後のマンチェスター・ダービーを前に、サー・アレックス・ファーガソン氏は18カ月前に起きた「1-6」の悪夢は繰り返さないと誓った。均衡が破れたのは51分。ジェイムズ・ミルナーのミドルでマンチェスター・Cが先制。8分後にオウンゴールで同点に追いついたマンチェスター・Uだったが、78分にアグエロに決勝点を許し、ファーガソン氏は昨季のリベンジを果たすことはできなかった。ただ、すでに独走状態に入っていたマンチェスター・Uはこの2週間後にライバルからプレミアリーグのトロフィーを奪還。リーグ王者の席を青から赤に塗り替えて、ファーガソン氏は27年にわたったマンチェスター・Uでの監督キャリアに幕を閉じている。

▼2011-12シーズン第9節 2011年10月23日 マンチェスター・U 1-6 マンチェスター・C

[写真]=Getty Images


【得点者】
22分 マリオ・バロテッリ(マンチェスター・C)
60分 マリオ・バロテッリ(マンチェスター・C)
69分 セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・C)
81分 ダレン・フレッチャー(マンチェスター・U)
89分 エディン・ジェコ(マンチェスター・C)
91分 ダビド・シルバ(マンチェスター・C)
93分 エディン・ジェコ(マンチェスター・C)

【退場者】
47分 ジョニー・エヴァンス(マンチェスター・U)

 10年が経った今もなお語り継がれる歴史的な一戦。主役はマンチェスター・Cのお騒がせ男、マリオ・バロテッリだった。大一番の直前に、自宅の浴室で友人たちと花火をして火事騒動を起こし、メディアの見出しを独占していたバロテッリ。ゴール後には「Why Always Me?」というメッセージ入りのTシャツを披露したことも話題となった。「1-6」という屈辱的な大敗に、ファーガソン氏は「過去最悪の日である。私の歴史の中で、一番酷い結果だ」と悔しさを噛みしめた。なお、このシーズンのマンチェスター・Cは最終的に勝ち点で並んでいたマンチェスター・Uを得失点差で退け、44年ぶりのリーグ優勝を果たしている。

(記事/Footmedia)

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