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「医療機関への影響を考慮したのか?」…選手協会、支援姿勢もプレミアリーグ減給案を痛烈批判

プレミアリーグは無期限の延期が決まっている [写真]=Getty Images

 イングランドサッカー選手協会(PFA)は4日、公式サイトを通じて声明を発表し、プレミアリーグによる選手への給与カットの提言について批判した。

 新型コロナウイルスによる経済的影響が拡大する中、プレミアリーグの選手の給与については、イギリスのマット・ハンコック保健相が2日に減給を受け入れるよう要求。ニューカッスルやトッテナムなどのクラブが、給与80パーセントを補償する政府の制度を使ってスタッフを一時解雇したことを受けて、「プレミアリーグの選手がまずできるのは給与カットを受け入れ、自分たちの役割を果たすことだ」とコメントしていた。プレミアリーグも翌3日、新型コロナウイルスによる経済的影響を受けて、全クラブが選手たちと年俸30パーセントに相当する給与カットについて協議すると発表した。

 4日にプレミアリーグと協議を行ったPFAは声明の冒頭で、「プレミアリーグの全選手が、この未曾有の時期に重要な経済的貢献をするために自分たちの役割を果たしたいと思っています。プレミアリーグの全選手は、現在の危機的状況にある社会での自分の役割と責任を十分に理解しています」と選手たちの姿勢を明確に示し、プレミアリーグの発表以前から経済的支援の議論は行われていたことを強調。それぞれの所属クラブや、各クラブのスタッフ、2部から4部を運営するイングランド・フットボールリーグ(EFL)など下部リーグのクラブのスタッフや選手たち、そしてNHS(イギリスの国営医療サービス)やその従事者を支援する考えを明かしている。

 そして、プレミアリーグによる給与カットの提案については、政府の税収減につながり、それが新型コロナウイルスと戦う公的医療機関のNHSに悪影響を及ぼすと反論。「30パーセントの給与カットを受け入れることは、財務省にとって大きな負担になり、これがNHSや他の政府出資サービスに弊害をもたらすことになります。(プレミアリーグによって)提案された12カ月の給与30パーセント削減は、5億ポンド(約665億円)以上の給与カットと、政府の2億ポンド(約266億円)以上の税収損失に相当します」

 さらに、「政府の収入損失はNHSにどんな影響を及ぼすのだろうか? 選手に給与カットを求めるとき、プレミアリーグの提案やマット・ハンコック保健相はこのことを考慮したのでしょうか?」とプレミリーグやハンコック保健相を痛烈批判。「本日のプレミアリーグとの協議の機会を歓迎し、今後も喜んで話し合いを続けます」と続け、「できるだけ早く、支援の詳細をまとめることが私たちの優先事項です」と引き続き支援策を模索する姿勢を示した。

 また、プレミアリーグが3日に発表したNHSへの2000万ポンド(約27億円)の寄付について、PFAは「歓迎するが、もっと大きな額になると信じています」と増額すべきとの見解を示した。EFLなどの下部リーグを支援するために計1億2500万ポンド(約166億円)を拠出することについては、「当面の資金繰りを助けるが、長期的に資金を増やす方法を見つける必要があります」とコメントした。

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