プレミアリーグでも今季からVARが導入されたが、早くも物議を醸している [写真]=Getty Images
Jリーグは24日、2020シーズンからビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)を導入することを発表した。VARには、より公正な判定を下せるというメリットが存在する一方で、試合結果を大きく左右することによる弊害も指摘されている。
では、今シーズンから初導入されたプレミアリーグで、VARは各チームにどれだけの影響を与えているのか。また現場の関係者はVARに対してどのような反応を示しているのか。今回はアメリカメディア『ESPN』が公表したデータと共に現状をレポートする。
『ESPN』はビデオ判定によって、ゴールが取り消されたケースと、ノーゴールからゴールへと判定が覆ったケースをそれぞれ分析。以下は、プレミアリーグ第6節終了時点で、VAR介入後のゴール数の増減をクラブ別に紹介したものである。
■サウサンプトン
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:2回
ゴール数の増減:+2
■トッテナム
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:3回
ゴール数の増減:+1
■レスター
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:3回
ゴール数の増減:+1
■ウェストハム
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:3回
ゴール数の増減:+1
■リヴァプール
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:1回
ゴール数の増減:+1
■ノリッジ
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:1回
ゴール数の増減:+1
■ボーンマス
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:1回
ゴール数の増減:-1
■ブライトン
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:1回
ゴール数の増減:-1
■ウルヴァーハンプトン
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:1回
ゴール数の増減:-1
■シェフィールド・U
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:2回
ゴール数の増減:-1
■マンチェスター・C
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:3回
ゴール数の増減:-1
■チェルシー
VARの結果、ゴールの判定が覆った回数:2回
ゴール数の増減:-2
上記のとおり、VARによってゴールの判定が覆った経験をしたのは、プレミアリーグ全20チーム中12チームと、過半数にのぼった。
そのうち、VARによって最も「得をした」のがサウサンプトンだった。第5節のシェフィールド・U戦と第6節のボーンマス戦でVARが介入した結果、2つの失点シーンがオフサイドと判定され事なきを得た。それでもボーンマス戦は1-3で敗戦。VARの“アシスト”が結果に結びつくことはなかったが、シェフィールド・U戦では相手の先制点となるはずだったゴールがビデオ判定によって取り消しとなり、1-0の勝利を挙げることができた。
一方、VARの介入によって最も「損をした」のがチェルシーだった。VARによって得点が認められなかったケースが2度あり、これは上記12チームで最多となった。
第3節のノリッジ戦では78分にクル・ズマがゴールネットを揺らしたものの、VAR検証の結果、直前にオリヴィエ・ジルーのファールがあったとして、得点が認められず。22日に行われたリヴァプール戦でも、27分にセサル・アスピリクエタが同点ゴールを決めたかに思われたが、直後にVARが介入。ゴールに至るまでの過程でメイソン・マウントがオフサイドだったとの判定が下り、得点は認められなかった。このジャッジを巡っては、オフサイドの場面とゴールシーンは無関係ではないかとの声があり、フランク・ランパード監督も「VARは試合を壊している。とても腹立たしいね」と不満を漏らした。

マンチェスター・Cは昨シーズンのCLに続き、VAR判定に苦しんでいる [写真]=Getty Images
マンチェスター・Cは、VARによってゴールの判定が覆る場面を3度経験。これは、レスター、ウェストハム、トッテナムと並ぶリーグ最多記録だった。
トッテナムと対戦した第2節では、ガブリエル・ジェズスが決勝点を決めたかに思われたが、ビデオ判定の結果、アイメリク・ラポルテのハンドがあったとして得点が認められなかった。ジョゼップ・グアルディオラ監督は試合後、「VARはもう少し一貫性を持つべきだ」とコメント。昨シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝の同一カードで、フェルナンド・ジョレンテのゴールがハンドを取られなかったことを引き合いに出して、VAR運用方法の改善を求めた。
トッテナムはゴールの増減数が「+1」となったように、VARによって「得をした」チームに含まれる。しかし21日のレスター戦では、VARが下した判定が試合後に大きな騒動を巻き起こした。

トッテナムはレスター戦でオーリエのゴールが取り消しに [写真]=Getty Images
問題となったのは、64分にトッテナムが迎えた決定機だった。セルジュ・オーリエがゴールネットを揺らしたかに思えたが、ここでVARが介入。直前にボールを受けたソン・フンミンがオフサイドラインをほんのわずかに超えていたとして、得点が認められなかったのだ。人間の目では判断不可能なオフサイドだとしてトッテナムのファンからは不満が噴出。同クラブOBのゲーリー・リネカー氏も「ナンセンスだ」とコメントしたが、プレミアリーグの元審判であるマーク・クラッテンバーグ氏は「VARがオフサイドと判定したならば、それはオフサイドであり、受け入れなければならない」と述べ、賛否が分かれる状況となっている。
ここまで見てきたように、VAR導入の“後発組”であるプレミアリーグでも、毎週のように判定が話題となり、激しい議論が交わされているのが実情だ。ただし、グアルディオラ監督が「私はテクノロジーを支持する。レフェリーがより公平になることに役立つからね」と語ったように、VAR導入によるメリットは確かに存在するのだろう。いずれにせよ、今後も様々なデータをもとにVARの効果を検証することが大事になってくるはずだ。
(記事/Footmedia)
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