ダービーの監督に就任したランパード氏(左)と新加入のマウント(右) [写真]=Getty Images
チャンピオンシップ(プレミアリーグ2部)第1節を戦ったダービー・カウンティが、1-1で迎えた後半アディショナルタイム4分にトム・ローレンスのヘディング弾で逆転し、今シーズン初戦を白星で飾った。試合後、イギリスメディアが注目したのは逆転弾を決めたローレンスではなく、“2人の8番”だった。
一人目の“8番”は、背番号8をつけて同点弾を決めたメイソン・マウントだ。昨シーズンはローン先のフィテッセでリーグ戦29試合8ゴール9アシストを記録し、クラブの年間最優秀選手賞を受賞。今シーズンは、所属元のチェルシーからダービーへのレンタル移籍が決まった。もう一人の“8番”は、現役時代に8番をつけていた指揮官のフランク・ランパード監督だ。2001-02シーズンから13シーズンに渡ってチェルシーで活躍し、リーグ優勝、チャンピオンズリーグ優勝などをクラブにもたらしたレジェンド。今年5月から監督業をスタートさせ、レディングとのリーグ戦が公式戦の初陣となった。
チェルシーファンであれば、マウントのプレーにランパード監督の姿を重ねるかもしれない。ポジションはともに同じMFで、レディング戦でマウントが記録したゴールは奇しくも、監督が現役時代に得意としていたエリア外からのミドルシュート。セットプレー時の高精度なキックとタイミングのいい飛び出しは瓜二つだ。マウント自身も指揮官のことを意識しており、チェルシーのYouTube公式チャンネルでインタビューを受けた際、「ランパードが完璧なモデルだった」と自身のアイドルを明かしていた。
「入団した時から彼を尊敬していたし、MFとしてどうプレーすべきか教えてくれた。たくさんのゴールを決めて、たくさんのアシストを記録したよね。試合中には前線に走り込んだり、守備でもよく体を張っていた」
マウント獲得の際に「アカデミーの頃から彼を追い続けていた」と語っていた監督は試合後、「質の高い素晴らしい能力を持っている」と手放しで称賛し、これから成長の手助けをしていきたいと語った。
「昨年はファンタスティックなシーズンを過ごして、セントラルMFとしてのクリエイティビティーや賢さを披露していたね。それからたくさんのゴールも記録していた。彼は私たちにいろんなことを与えてくれると思う。今シーズンの彼は全てを手に入れられるはずさ」
まだシーズンは始まったばかりで、これから様々な困難が待ち受けるかもしれないが、今シーズンのダービーは“先輩の8番”から指導を受けた“後輩の8番”が躍動してもおかしくない。