数々の名勝負を繰り広げてきたヴェンゲル監督とモウリーニョ監督 [写真]=Getty Images
アーセン・ヴェンゲル監督が、今シーズン限りでアーセナルを去る。
22年に及ぶ長期政権の間に、数々の栄光や苦しい時期を経験したヴェンゲル監督。そんな彼にまつわるエピソードとして、“犬猿の仲”と言われるジョゼ・モウリーニョ監督との対戦が印象に残っているサッカーファンも多いのではないだろうか。
そして両者は、29日に直接対決を迎える。アーセナルが、マンチェスター・Uの本拠地オールド・トラッフォードに乗り込むのだ。サッカー界に“絶対”はなく、両者が監督業を引退しない限り、今後も対戦が実現する可能性はある。ただ、“アーセナルのヴェンゲル監督”が宿敵と対峙するのは、これで見納めとなるだろう。
そこで、両者の過去の対戦を数々のエピソードとともに振り返る。
《2004-05シーズン》
プレミアリーグ第17節
アーセナル 2-2 チェルシー
《2005-06シーズン》
コミュニティ・シールド
アーセナル 1-2 チェルシー
■モウリーニョの“覗き魔”発言
05-06シーズン、リーグ戦で首位を走っていたチェルシーがリーグ杯で格下に敗れると、ヴェンゲル監督は「これで自信が揺らいだのでは」とコメント。この発言を受け、モウリーニョ監督はこう言い放った。
「彼は他人の生活を覗き見するのが好きな人間だ。チェルシーのことが気になってしょうがないんだろう」
するとヴェンゲル監督も、「愚か者は、成功を収めるとつけ上がってしまうことがある」と反撃。こうして2人は“犬猿の仲”と言われるようになった。
《2006-07シーズン》
プレミアリーグ第17節
チェルシー 1-1 アーセナル
《2013-14シーズン》
リーグカップ ベスト16
アーセナル 0-2 チェルシー
■ヴェンゲル「彼は失敗を恐れている」 モウリーニョ「ヴェンゲルは失敗のスペシャリスト」
06-07シーズンにモウリーニョ監督がチェルシーを退任して以降、しばらく対戦のなかった両者が再会したのは、13-14シーズンだった。
同シーズンにチェルシーへの復帰を果たしたモウリーニョ監督は、選手にプレッシャーがかかるのを嫌ってか「優勝候補はマンチェスター・C」と主張し続けた。これに対してヴェンゲル監督は「彼は失敗するのを恐れているのだろう。我々は優勝を目指して戦っている」とコメントした。
するとモウリーニョ監督は、8年間タイトルから遠ざかっているヴェンゲル監督を「彼は失敗のスペシャリストだ」と痛烈に批判。「もし彼が言っている通り、私が失敗を恐れているというのなら、それは私があまり失敗したことがないからだ」と皮肉たっぷりに口撃した。
《2014-15シーズン》
プレミアリーグ第7節
チェルシー 2-0 アーセナル
■ピッチ上での衝突
14-15シーズンにはピッチサイドでぶつかり合った。10月に行われたリーグ戦で、アーセナルのアレクシス・サンチェスが危険なタックルを受けると、ヴェンゲル監督が激昂。モウリーニョ監督のもとへ詰め寄り、胸を押しながら怒りをぶつけたのだ。モウリーニョ監督も簡単に引き下がることはなく、結局、2人は第4審判によって引き離された。
試合後、ヴェンゲル監督は「サンチェスが痛がっていたから、そこへ行こうとした。私が行きたい地点との間に人が立ちふさがったんだ」と述べ、「誰だって人を押すことはある。ただ、私が本当に彼を押しのけようとしていたわけじゃないということは、君たちにもわかっただろう」と弁明。一方で、「あのようなリアクションを取るべきではなかった。私は常に暴力的な行為に嫌悪感を抱いている。だから、今回のことは謝りたい」と謝罪の意を示していた。
《2015-16シーズン》
コミュニティ・シールド
アーセナル 1-0 チェルシー
■モウリーニョ「1人だけプレッシャーにさらされていない監督がいる」
15-16シーズン序盤、モウリーニョ監督は、「この国では、ある1人の監督だけがプレッシャーにさらされていない。ほかの監督は全員、重圧を感じている。私も、スティーブ(マクラーレン)も、(マヌエル)ペジェグリーニも、ブレンダン(ロジャーズ)だってそうだ。我々は目標を達成することが義務付けられている。1人だけリストに入らない人物がいるが、彼はそれでいいんじゃないか」と述べた。
名指しはしなかったものの、10年以上タイトルから遠ざかっているヴェンゲル監督のことを言っているのは明らかで、記者から「誰を指しているのか」と問われると、「わかるだろう」と回答。さらに「その人物は試合前後に主審についてコメントすることを許され、テクニカルエリアで人のことを押したり怒鳴ったりすることができる。それでも、何も起こらないんだ。彼は何も成し遂げていないのに職を守り、王様を続けている」と、口撃を続けた。
なお、これに対しヴェンゲル監督は「私はただこのクラブで、ファンのために自分の仕事をしてきただけだ。正直、それ以外はあまり気にしていない。大事なのは良いサッカーをすることだとわかっている」と冷静に返した。
《2016-17シーズン》
プレミアリーグ第12節
マンチェスター・U 1-1 アーセナル
プレミアリーグ第36節
アーセナル 2-0 マンチェスター・U
《2017-18シーズン》
プレミアリーグ第15節
アーセナル 1-3 マンチェスター・U
■ヴェンゲル「お金がなくても…」
今シーズン途中、マンチェスター・Uを率いるモウリーニョ監督は、首位を快走するマンチェスター・Cとの“差”について持論を展開。「マンチェスター・Cはストライカーを買うかのような値段で、ディフェンダーを獲得する。お金の使い方がほかのクラブとは違うんだ。もちろん我々も多くのお金を使ったが、彼らに並ぶには十分ではない」と、資金力の違いを主張した。
すると、この発言について問われたヴェンゲル監督は次のように反論してみせた。
「私は21年間この(資金力の)クラブにいるから、今さら不満を言うことはない。我々よりもお金を持ったクラブがある中で生き残ってきた。マンチェスター・Cもチェルシーも、マンチェスター・Uだって金持ちだ。それでも私は、そこで成功するための道筋を見つけなければならないと確信している」
■ヴェンゲル退任を受け…モウリーニョ「引退しないことを願う」
20日にアーセナルがヴェンゲル監督の今シーズン限りでの退任を発表すると、世界中からメッセージが集まった。そしてモウリーニョ監督も、“宿敵”についてコメントした。
「そう見えないかもしれないが、我々はお互いに尊敬し合っている。選手が激しいプレーや罵声を浴びせ合うことがあるように、監督も同じだ。しかし、最終的にはリスペクトし合う友人になることができるだろう。同じ仕事をしている人間同士だからこそ、そのキャリアを尊重することができる」
「日本やフランス、そしてアーセナルでの彼の功績を誰もが知っている。彼がこの決断に満足なら、私も満足だ。サッカー界から引退しないことを願っているよ」
◆通算対戦成績◆
ヴェンゲル :2勝
モウリーニョ:9勝
引き分け :7
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