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【コラム】プレミアリーグ終盤戦、このままチェルシーの逃げ切りか…4位争いは大混戦

2017.04.15

終盤を迎え、上位争いに注目が集まるプレミアリーグ [写真]=Getty Images

「今シーズン、優勝するのはチェルシーだろう」

 そう話したのはプレミアリーグ歴代通算得点記録(260ゴール)保持者で、イギリスメディア『BBC』の解説者を務める元イングランド代表FWアラン・シアラー氏だ。続けて彼は時系列でチェルシーの今シーズンを振り返った。

「今シーズンは8チームが新監督体制でスタートし、それぞれが序盤からシステム構築に苦しんだ。上位勢ではチェルシー、マンチェスター・C、マンチェスター・Uが名高い監督たちを迎え入れたが、中でも輝かしい手腕を発揮したのが、チェルシーのアントニオ・コンテ監督だ」

「コンテ監督は今シーズン序盤、リヴァプールアーセナルに連敗したことで、4-2-3-1から現在の3-4-3へ、システム変更に踏み切った。10月1日のハル戦から続いたリーグ13連勝は素晴らしかったし、6連勝して11月20日のミドルスブラ戦後にトップに立ってから今に至るまで、首位を快走している。リーグ全体を見渡しても、チェルシーを上回る安定したパフォーマンスを見せているチームは無い」

 一方、シアラー氏はチェルシーが今シーズン、UEFA主催の大会に参戦していないことも指摘しており、「ほかのライバル勢がチャンピオンズリーグ(CL)やヨーロッパリーグ(EL)を戦い、過密日程をこなした中、チェルシーはプレミアリーグに集中できる最適な環境を作ることができた」と解析している。

 そうした背景を考慮しつつ、今シーズンを4分割した順位表を見ると、シアラー氏の指摘するポイントが浮かび上がってくる。

≪6強の順位/カッコ内は勝ち点/※は国内リーグ戦と同等の追加試合数≫

■第10節終了時=8~10月
1位 マンチェスター・C(23)※CL+3試合、
2位 アーセナル(23)※CL+3試合
3位 リヴァプール(23)
4位 チェルシー(22)
5位 トッテナム(20)※CL+3試合
―――
8位 マンチェスター・U(15)※EL+3試合

■第19節終了時=11~12月
1位 チェルシー(49)
2位 リヴァプール(43)
3位 アーセナル(40)※CL+3試合
4位 トッテナム(39)※CL+3試合
5位 マンチェスター・C(39)※CL+3試合
6位 マンチェスター・U(36)※EL+3試合

■第29節終了時=1~3月
1位 チェルシー(69)※FA杯+1試合
2位 トッテナム(62)※EL+2試合、FA杯+1試合
3位 マンチェスターC(58)※CL+2試合、FA杯+1試合
4位 リヴァプール(56)※リーグ杯+2試合
5位 マンチェスター・U(54)※EL+4試合、リーグ杯+3試合
6位 アーセナル(54)※CL+2試合、FA杯+1試合

 チェルシーと同じく、欧州戦に参加していないリヴァプールが年明けから失速していることからも、チェルシーとの実力差がうかがえるほか、CLグループステージ3位でELに回り、32強で早々に姿を消したトッテナムが国内リーグで持ち直した点も特筆すべきだろう。チェルシーが首位独走態勢となっている反面、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権をかけた4位争いも激化していることは言うまでもない。

チェルシーも終盤にかけて過密日程が何度かあるため、優勝争いは5月までもつれ込むだろうが、今の安定したシステムを崩さなければ優勝はほぼ間違いないだろう」

 前述のシアラー氏は自信をもってそう予想したが、過去には首位を走るチームによる終盤戦での失速や逆転劇もあっただけに、今後もシーズン閉幕へ向けた上位勢の順位変動に注目が注がれる。

文=藤井重隆

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