2014.08.20

オイルマネーで成功を買う…マンCのオーナーってどんな人?

マンチェスター・C
昨シーズンのプレミアリーグを制したマンチェスター・C [写真]=Getty Images

 マンチェスター・Cは、2008年にアラブ首長国連邦(UAE)の投資会社アブダビ・ユナイテッド・グループ(ADUG)に買収されてから、スター選手を獲得し、ここ3シーズンでプレミアリーグを2度制するなど、「オイルマネー」によって急速に力を付けました。

 クラブを買収したADUGについてや、ここ数年の成長の足跡を振り返ります。

■オーナー権がタクシン元タイ首相からADUGへ

 マンチェスター・Cの歴史を少し振り返ると、2007年7月6日、クラブの公式サイトで元イングランド代表指揮官であるスヴェン・ゴラン・エリクソン氏の監督就任とタイ元首相のタクシン・チナワット氏の会長就任が発表されました。しかし、タクシン・チナワット元首相の妻であるポジャマン・チナワット氏が、2008年7月31日に脱税と偽証で禁固3年の実刑判決を受けたことで、同元首相はタイでの巨額の資産(700億バーツ/約2000億円)が凍結され、政界復帰もほぼ不可能となったため、タイ国外脱出後の資金確保を目的に、マンチェスター・Cを売り払いました。2008年9月1日にそのオーナー権を獲得したのが、UAEの投資グループであるアブダビ・ユナイテッド・グループ(ADUG)です。

■アブダビ・ユナイテッド・グループとそのオーナー

 ADUGは、産油国として知られるアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビにある投資会社で、アブダビのロイヤルファミリーであるマンスール・ビン・ザイド・ナハヤンUAE副首相がオーナー。保有資産額は100兆円以上だと言われています。ちなみに、チェルシーのオーナーであるロマン・アブラモヴィッチ氏の純資産が2兆円と言われていますので、ADUGは規模が2桁も大きい、とてつもない資金力を持っています。オーナーはマンスール・ビン・ザイド・ナハヤンUAE副首相なのですが、実務は、スライマン・アルファヒム氏が代表者となっています。アルファヒム氏は、米国・ワシントンのアメリカン大学で、不動産学で博士号、経営学でMBAを取得。不動産会社の最高責任者で、ADUGの設立に関わった人物です。

■巨額のオイルマネーによる投資

 ADUGによるマンチェスター・C買収額は2億ポンド(約400億円)。ADUG代表のアルファヒム氏は、マンチェスター・Cを買収した2008年に、「来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権獲得」、「3年以内にシティをイングランドの4強に」、「最高峰の選手を獲得する」、「シティをイングランドのみならず世界屈指のクラブにすること」と壮大な計画を掲げました。ADUGは、この買収により世界的な知名度が上がり、投資会社として投資家を集めることや投資対象を獲得することとともに、サッカーのビジネスでの投資によるリターンを上げることを狙っています。

 また、UAEの才能あるサッカー選手がプレミアリーグでプレーすることへの道が開けることも期待していると言われています。ADUGによるマンチェスター・C買収というビッグニュースの後、すぐさまレアル・マドリードからロビーニョを当時のイングランドサッカー史上最高額の移籍金、3240万ポンド(約65億円)で獲得し、財力と存在感を誇示しました。

 マンチェスター・Cのオーナー権がADUGに渡った2008年から、名だたる選手を次々とチームに入れ、プレミアリーグ最強のチームを創り上げました。金にものを言わせた強化方法であり、賛否両論ありますが、マンチェスター・Cは欧州サッカー界での地位を確立していきます。2008年以降、マンチェスター・Cが獲得した選手数は40に登ります。2014年4月、スポーツ専門チャンネル『ESPN』のマガジン&スポーティングインテリジェンスが、選手1人当たりに最も高額な報酬を支払っているスポーツクラブを公表しましたが、トップはマンチェスター・C(533.7万ポンド/約9億1800万円)で、2位はニューヨーク・ヤンキース(米・野球、528.6万ポンド)でした。サッカー部門では、レアル・マドリードが2位(499.3万ポンド)、バルセロナが3位(490.1万ポンド)で、マンチェスター・Cはスター選手を獲得し、高い報酬を支払っています。

■チームの成績

 レアル・マドリードからロビーニョを獲得し、翌2009年冬の移籍市場では当時史上最高額ともいわれる移籍金でミランからカカの獲得を試み失敗するも、あり余る資金力を背景にウェイン・ブリッジ、シェイ・ギヴン、クレイグ・ベラミーなどの実力者達を獲得しましたが、マンチェスター・Cの2008-09シーズンはプレミアリーグを10位と、すぐには結果が出ませんでした。しかし、スター選手の獲得を継続し、2011-12シーズンで、劇的な44シーズンぶりとなるプレミアリーグ制覇を果たします。また、2013-14シーズンには、2シーズンぶりにリーグの覇権を奪回しました。同シーズンにはリーグカップも制覇し、二冠を達成しています。ADUGはマンチェスター・C買収から、名だたる選手を次々とチームに入れ、プレミアリーグ最強と言えるチームを創り上げることに成功しました。

■まとめ

マンチェスター・Cは金満体質ですが、スター選手を獲得し、チームも強くなっています。2008年のADUGによるクラブ買収時から、プレミアリーグで2回優勝しました。「オイルマネーで成功は買えるか!?」の問いに対して、これまでは、「YES」と言ってもいいでしょう。

(記事/ZUU online)

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