2014.08.05

イングランドのファンが持つ、愛するクラブへの価値観

リヴァプール
クラブのタオルマフラーを掲げるリヴァプールのサポーター [写真]=Getty Images
ロンドン在住のサッカーライター。

文=藤井重隆

 自分のサポートするクラブのレプリカシャツやチームカラーを着用することは、そのファンにとって大きなステータスの一部を占めるが、イングランドに置いてもそれは変わらない。

 スタジアムに足を運ぶ際には誰しも必ずチームシャツを着用し、チームシャツを着られない職場では、クラブ監督たちがするようにネクタイをチームカラーにしたり、生活の一部に何かしら敬愛するクラブのアイデンティティを入れ込んでいる。

 今シーズンも各クラブはプレシーズン中に続々と新シーズンのシャツを発表しているが、売り上げは年々上昇の傾向にあるとみられている。現に世界大手のインターネット競売サイト「イーベイ」では、昨年6月から今年6月までのプレミアリーグ所属クラブのシャツの出品数が25万1000枚を記録しており、その売上額は442万ポンド(約7億7000万円)にも上った。中でもトップの売上を記録したのが世界中にファンを持つリヴァプールとマンチェスター・Uだった。

 では果たして1人のファンが平均してクラブグッズに費やす金額はいくらなのだろうか。

 ヴァージン・グループの金融機関ヴァージン・マネーが2006年から行っている「フットボールファンのインフレ指数」という調査によると、ファンが試合日に消費したガソリン、ビール、食べ物、交通費、チケット代、試合プログラム、有料スポーツ番組視聴料などを基に割り出したファンの1試合平均使用額は現在、2006年の78ポンド(約1万3700円)から114ポンド(約2万円)に上昇している。

 このインフレ指数は、イギリス政府の消費者物価指数をはるかに上回っており、その要因としてシーズンチケットの高騰や放映料の高騰が挙げられている。最も高いシーズンチケットはロンドンを本拠地とするアーセナルの1470ポンド(約25万7000円)で、トッテナムが1285ポンド(約22万5000円)で続いている。過去4シーズン、プレミアリーグを交互に制しているマンチェスター・Uとマンチェスター・Cのシーズンチケットはそれぞれ約半額の741ポンド(約13万円)と605ポンド(約10万6000円)となっている。こうしたプレミアリーグの高騰から、同リーグは2011-12シーズンに欧州史上最多の24億ポンド(約4200億円)を記録している。

 一方、イングランドのファンがサッカーに費やす時間は週平均約14時間で、これは週末の活動を全てサッカーに捧げているという計算になる。この時間には自宅とスタジアムの往復、TV観戦、ネットサーフィン、サッカー友達との娯楽などが含まれる。こうしたファンは、サッカーを楽しむために稼がなければならないため、一般人よりも就労時間が長いというデータも出ている。

 イングランドでは長年にわたり、ファンの忠誠心が大きな論争を生み出してきたが、こうした背景からも、ファンが自身のサポートするクラブに対して持つ誇りや献身的姿は年々深みを増しているように思われる。

欧州リーグ順位表

マンチェスター・C
34pt
マンチェスター・U
26pt
チェルシー
25pt
欧州順位をもっと見る
バイエルン
29pt
シャルケ
23pt
ライプツィヒ
23pt
欧州順位をもっと見る
バルセロナ
34pt
バレンシア
30pt
レアル・マドリード
24pt
欧州順位をもっと見る
ナポリ
35pt
インテル
33pt
ユヴェントス
31pt
欧州順位をもっと見る