2018.09.23

勝者の陰に敗者あり…語り継ぐべきCLの“グッドルーザー”たち

CLでは多くのグッドルーザーたちが涙を呑んできた [写真]=Getty Images
サッカー総合情報サイト

 9月18日、2018-19シーズン チャンピオンズリーグ(CL)グループステージが開幕した。毎年のごとく世界中のサッカーファンの注目を集める一大イベントだが、中でも最も注目されているチームが、クリスティアーノ・ロナウドを獲得したユヴェントスだ。前人未到のCL三連覇を達成したレアル・マドリードの絶対エース獲得へ、払った移籍金は約150億円。過去4年間で2度も決勝戦に進みながら、いずれも叶わなかったCL制覇へ最高の補強を敢行した。迎えた初戦、そのC・ロナウドが一発退場となるアクシデントに見舞われながら、ユヴェントスは敵地でバレンシアに2-0で勝利。悲願達成へ、まずは上々のスタートを切ることができた。

 キャリアの中で2度、CLの決勝戦で敗れた元ドイツ代表のミヒャエル・バラックは「優勝しなければ、2位では意味がない」と話した。ユヴェントスが150億円もの対価を払ってでもロナウドを獲得したことからも分かるように、ヨーロッパでプレーする選手たちにとって、CL制覇は最大の悲願と言えるだろう。

 CLにはもう1つ注目ポイントがある。ファンの脳裏に鮮烈なインパクトを残し大会を去る、歴戦のグッドルーザーたちだ。勝者ばかりが称えられるCLだが、その裏には“美しき敗者”とも呼ぶべきチームが幾多も存在する。そこで今回は、勝者と同じく称えられるべき10チームをおさらいする。

写真=ゲッティイメージズ

ディナモ・キエフ

1998-99シーズン ベスト4

グループステージ:3勝2分1敗(1位)

準々決勝(vsレアル・マドリード)
第1戦(A):1-1(55分,アンドリー・シェフチェンコ 67分,プレドラグ・ミヤトビッチ)
第2戦(H):2-0(63分,アンドリー・シェフチェンコ 79分,アンドリー・シェフチェンコ)
2戦合計:3-1

準決勝(vsバイエルン)
第1戦(H):3-3(16分、アンドリー・シェフチェンコ 43分,アンドリー・シェフチェンコ 45分,ミヒャエル・タルナト 50分,ビタリ・コソフスキー 78分,シュテファン・エッフェンベルク 88分,カルステン・ヤンカー)
第2戦(A):0-1(得点者:マリオ・バスラー)
2戦合計:3-4

この年、クラブ史上初のベスト4に進出したディナモ・キエフ。アーセナルと同組のグループステージを首位通過し準決勝に進出。さらに、レアル・マドリードまで退け、ヨーロッパ中にインパクトを与えた。快進撃の中心はエースのアンドリー・シェフチェンコだ。グループステージで3得点を上げると、準々決勝では2戦3得点でレアル撃破の立役者に。惜しくも敗れた準決勝でも2得点をマークした。合計8ゴールを上げる活躍で得点王に輝いた。

レヴァークーゼン

2001-02シーズン 準優勝

1次リーグ:4勝2敗(2位)
2次リーグ:3勝1分2敗(1位)

準々決勝(vsリヴァプール)
第1戦(A):0-1(44分,サミ・ヒーピア)
第2戦(H):4-2(16分,ミヒャエル・バラック 42分,アベル・シャビエル 64分,ミヒャエル・バラック 68分,ディミタール・ベルバトフ 79分,ヤリ・リトマネン 84分,ルッシオ)
2戦合計:4-3

準決勝(vsマンチェスター・U)
第1戦(A):2-2(29分,OG 62分,ミヒャエル・バラック 67分,ルート・ファン・ニステルローイ 75分,オリバー・ノイビル)
第2戦(H):1-1(28分,ロイ・キーン 45+2分,オリバー・ノイビル)
2戦合計:3-3 ※アウェイゴール数により決勝進出

決勝戦(vsレアル・マドリード)
1-2(8分,ラウール・ゴンサレス 13分,ルッシオ 45分,ジネディーヌ・ジダン)

2次リーグ制が採用されていた当時、レヴァークーゼンは1次リーグでバルセロナ、リヨンらと同組に。これを2位で通過すると、2次リーグではアーセナル、ユヴェントスらを退け、準々決勝へと駒を進めた。主力にはミヒャエル・バラック、ディミタール・ベルバトフ、ゼ・ロベルト、ルッシオらが名を連ね、準々決勝以降もリヴァプール、マンチェスター・Uを撃破。最後はジダンの“最も美しいボレー”に散ったが、超攻撃的サッカーでヨーロッパを席巻した。

モナコ

2003-04シーズン 準優勝

グループステージ:3勝2分1敗(1位)

決勝トーナメント1回戦(vsロコモティフ・モスクワ)
第1戦(A):1-2(32分,マラト・イズマイロフ 59分,ヴラジミール・マミノフ 69分,フェルナンド・モリエンテス)
第2戦(H):1-0(60分,ダド・プルショ)
2戦合計:2-2 ※アウェイゴール数により準々決勝進出

準々決勝(vsレアル・マドリード)
第1戦(A):2-4(43分,セバスティアン・スキラッチ 51分,イバン・エルゲラ 70分,ジネディーヌ・ジダン 71分,ルイス・フィーゴ 81分,ロナウド 83分,フェルナンド・モリエンテス)
第2戦(H):3-1(36分,ラウール・ゴンサレス 45+1分,ルドヴィク・ジュリ 48分,フェルナンド・モリエンテス 66分,ルドヴィク・ジュリ)
2戦合計:5-5 ※アウェイゴール数により準決勝進出

準決勝(vsチェルシー)
第1戦(H):3-1(17分,ダド・プルショ 22分,エルナン・クレスポ 78分,フェルナンド・モリエンテス 83分,ジャバニ・ノンダ)
第2戦(A):2-2(22分,イェスパー・グロンキア 44分,フランク・ランパード 45+1分,ウーゴ・イバーラ 60分,フェルナンド・モリエンテス)
2戦合計:5-3

決勝戦(vsポルト)
0-3(39分,カルロス・アウベルト 71分,デコ 75分,ドミトリ・アレニチェフ)

フランス代表をロシア・ワールドカップ優勝に導いたディディエ・デシャン監督。今から約14年前、モナコを率いてCL優勝まであと一歩まで迫っていた。レアル・マドリードからレンタル加入したフェルナンド・モリエンテス、ルドヴィク・ジュリ、パトリス・エブラ、セバスティアン・スキラッチらを中心にグループステージを首位通過。準々決勝に駒を進めると、レアル・マドリードを相手に3点差を跳ね返す逆転劇を演じてみせた。チェルシーと対戦した準決勝ではアウェイで決勝点を奪いファイナル進出を決めた。

デポルティーボ・ラ・コルーニャ

2003-04シーズン ベスト4

グループステージ:3勝1分2敗(2位)

決勝トーナメント1回戦(vsユヴェントス)
第1戦(H):1-0(37分,アルベルト・ルケ)
第2戦(A):1-0(12分,ワルテル・パンディアーニ)
2戦合計:2-0

準々決勝(vsミラン)
第1戦(A):1-4(11分,ワルテル・パンディアーニ 45分,カカ 46分,アンドリー・シェフチェンコ 49分,カカ 53分,アンドレア・ピルロ)
第2戦(H):4-0(5分,ワルテル・パンディアーニ 35分,ファン・カルロス・バレロン 44分,アルベルト・ルケ 76分,フラン)
2戦合計:5-4

準決勝(vsポルト)
第1戦(A):0-0
第2戦(H):0-1(60分,デルレイ)
2戦合計:0-1

1999-2000シーズンのラ・リーガ優勝をはじめ、90年代前半からデポルティーボは黄金期を迎えた。2003-04シーズンのCLでは、決勝トーナメント1回戦でユヴェントスを相手に2連勝。さらに、準々決勝のミラン戦では第1戦を1-4で落とすも、ホームの第2戦を4-0で制し、大逆転で準決勝進出を決めた。準決勝ではポルトに2戦合計0-1で敗れるも、前シーズンのファイナリストを立て続けに破ったチームは“スーペル・デポル”として語り継がれている。

PSV

2004-05シーズン ベスト4

グループステージ:3勝1分2敗(2位)

決勝トーナメント1回戦(vsモナコ)
第1戦(H):1-0(8分,アレックス・コスタ)
第2戦(A):2-0(26分,ヤン・フェネホール・オフ・ヘッセリンク 69分,ダマーカス・ビーズリー)
2戦合計:3-0

準々決勝(vsリヨン)
第1戦(A):1-1(12分,フローラン・マルーダ 79分,フィリップ・コク)
第2戦(H):1-1(10分,シルヴァン・ヴィルトール 50分,アレックス・コスタ)
2戦合計:2-2(PK 4-2)

準決勝(vsミラン)
第1戦(A):0-2(42分,アンドリー・シェフチェンコ 90分,ヨン・ダール・トマソン)
第2戦(H):3-1(9分,パク・チソン 65分,フィリップ・コク 90+1分,マッシモ・アンブロジーニ 90+2分,フィリップ・コク)
2戦合計:3-3 ※アウェイゴール数により敗退

2004-05シーズン、フース・ヒディング監督率いるPSVは、グループステージを2位で通過。決勝トーナメントではモナコ、リヨンとフランス勢を下しベスト8に進出。準決勝ではミランと対戦した。アウェイの第1戦は0-2で完封負けを喫するも、ホームに戻ると状況は一変。パク・チソン、フィリップ・コクがゴールを奪いトータルスコアをタイに戻す。しかし、後半アディショナルタイムにアウェイゴールを決められ万事休す。惜しくも決勝の地・イスタンブール行きは叶わなかった。

ビジャレアル

2005-06シーズン ベスト4

グループステージ:2勝4分(1位)

決勝トーナメント1回戦(vsレンジャーズ)
第1戦(A):2-2(8分,フアン・ロマン・リケルメ 22分,ピーター・レベンクランズ 35分,ディエゴ・フォルラン 82分,OG)
第2戦(H):1-1(12分,ピーター・レベンクランズ 49分,ロドルフォ・アルアバレーナ)
2戦合計:3-3 ※アウェイゴール数により準々決勝進出

準々決勝進出(vsインテル)
第1戦(A):1-2(1分,ディエゴ・フォルラン 7分,アドリアーノ 54分,オバフェミ・マルティンス)
第2戦(H):1-0(58分,ロドルフォ・アルアバレーナ)
2戦合計:2-2 ※アウェイゴール数により準決勝進出

準決勝(vsアーセナル)
第1戦(A):0-1(41分,コロ・トゥーレ)
第2戦(H):0-0
2戦合計:0-1

ディエゴ・フォルラン、フアン・ロマン・リケルメらを中心にグループステージを首位通過。決勝トーナメント1回戦も突破し、ベスト8へ駒を進めた。準々決勝のインテル戦は、初戦で逆転負けを喫するも、第2戦は粘り強い守備で先制点を守り抜き、アウェイゴールの差で勝利。「圧倒的不利」という大方の予想を覆し、初出場でベスト4進出という快挙を成し遂げた。準決勝ではアーセナルと対戦。第1戦を0-1で落とすも、ホームの第2戦は優位に試合を進める。すると、試合終了間際にPKを獲得。しかし、千載一遇のチャンス到来もリケルメがまさかの失敗。試合はスコアレスドローに終わり、アーセナルが決勝戦に進出した。

アーセナル

2005-06シーズン 準優勝

グループステージ:5勝1分(1位)

決勝トーナメント1回戦(vsレアル・マドリード)
第1戦(A):1-0(47分,ティエリ・アンリ)
第2戦(H):0-0
2戦合計:1-0

準決勝(vsユヴェントス)
第1戦(H):2-0(40分,セスク・ファブレガス 69分,ティエリ・アンリ)
第2戦(A):0-0
2戦合計:2-0

準決勝(vsビジャレアル)
第1戦(H):1-0(41分,コロ・トゥーレ)
第2戦(A):0-0
2戦合計:1-0

決勝戦(vsバルセロナ)
1-2(37分,ソル・キャンベル 76分,サミュエル・エトー 81分,ベレッチ)

特筆すべきは守護神のイェンス・レーマンの活躍だ。グループステージ第2節(アヤックス戦)を最後に無失点行進を開始。決勝トーナメントに入ってからは、レアル・マドリード、ユヴェントスの強力攻撃陣までもシャットアウト。準決勝のビジャレアル戦では、決まれば同点のPKをセーブし、チームを決勝戦へと導いた。迎えたバルセロナとの大一番でもレーマンの活躍に期待が集まったが、エリア外で相手選手を倒してしまい、前半のうちに一発退場。チームはセットプレーから先制するも、逆転負けを喫し欧州制覇を逃した。それでもレーマンが樹立した853分の無失点記録は、今なお破られていない。

ドルトムント

2012-13シーズン 準優勝

グループステージ:4勝2分(1位)

決勝トーナメント1回戦(vsシャフタール)
第1戦(A):2-2(31分,ダリヨ・スルナ 41分,ロベルト・レヴァンドフスキ 68分,ドウグラス・コスタ 87分,マッツ・フンメルス)
第2戦(H):3-0(31分,フェリペ・サンタナ 37分,マリオ・ゲッツェ 59分,ヤクブ・ブワシュチコフスキ)
2戦合計:5-2

準々決勝(vsマラガ)
第1戦(A):0-0
第2戦(H):3-2(25分,ホアキン・サンチェス 40分,ロベルト・レヴァンドフスキ 82分,エリゼウ 90+1分,マルコ・ロイス 90+3分,フェリペ・サンタナ)
2戦合計:3-2

準決勝(vsレアル・マドリード)
第1戦(H):4-1(8分,ロベルト・レヴァンドフスキ 43分,クリスティアーノ・ロナウド 50分,ロベルト・レヴァンドフスキ 55分,ロベルト・レヴァンドフスキ 66分,ロベルト・レヴァンドフスキ)
第2戦(A):(83分,カリム・ベンゼマ 88分,セルヒオ・ラモス)
2戦合計:4-3

決勝戦(vsバイエルン)
1-2(60分,マリオ・マンジュキッチ 68分,イルカイ・ギュンドアン 89分,アリエン・ロッベン)

ドイツ代表のフンメルス、ギュンドアン、ロイス、ゲッツェに加え、レヴァンドフスキがエースに君臨するチームは盤石の強さを誇った。さらに、ユルゲン・クロップ監督の戦術“ゲーゲンプレス”はCLでも効果を発揮し、ドルトムントはベスト4まで勝ち進んだ。準決勝第1戦では、レヴァンドフスキがレアル・マドリードから4ゴールを奪い快勝。優勝した1996-97シーズン以来となる決勝進出を果たした。

モナコ

2016-17シーズン ベスト4

グループステージ:3勝2分1敗(1位)

決勝トーナメント1回戦(vsマンチェスター・C)
第1戦(A):3-5(26分,ラヒーム・スターリング 32分,ラダメル・ファルカオ 40分,キリアン・ムバッペ 58分,セルヒオ・アグエロ 61分,ラダメル・ファルカオ 71分,セルヒオ・アグエロ 77分,ジョン・ストーンズ 82分,レロイ・サネ)
第2戦(H):3-1(8分,キリアン・ムバッペ 29分,ファビーニョ 71分,レロイ・サネ 77分,テイエム・バカヨコ)
2戦合計:6-6 ※アウェイゴール数により準々決勝進出

準々決勝(vsドルトムント)
第1戦(A):3-2(19分,キリアン・ムバッペ 35分,OG 57分,ウスマン・デンベレ 79分,キリアン・ムバッペ 84分,香川真司)
第2戦(H):3-1(3分,キリアン・ムバッペ 17分,ラダメル・ファルカオ 48分,マルコ・ロイス 81分,バレール・ジェルマン)
2戦合計:6-3

準決勝(vsユヴェントス)
第1戦(H):0-2(29分,ゴンサロ・イグアイン 59分,ゴンサロ・イグアイン)
第2戦(A):1-2(33分,マリオ・マンジュキッチ 44分,ダニエウ・アウベス 69分,キリアン・ムバッペ)
2戦合計:1-4

2016-17シーズンのモナコは強力2トップが躍動。左膝の大ケガから復活したファルカオ、当時18歳のムバッペがそれぞれ5得点、6得点と大活躍。他にもベンジャミン・メンディ、ジョアン・モウチーニョ、ファビーニョ、バカヨコ、ベルナルド・シウバなど豊富なタレントを擁し大会を席巻。ユヴェントスに敗れ、2003-04シーズン以来の決勝進出とはならなかったが、マンチェスター・C、ドルトムントを立て続けに破り、ベスト4に進出した。

ローマ

2017-18シーズン ベスト4

グループステージ:3勝2分1敗(1位)

決勝トーナメント1回戦(vsシャフタール)
第1戦(A):1-2(41分,ジェンギズ・ウンデル 52分,ファクンド・フェレイラ 71分,フレッジ)
第2戦(H):1-0(52分,エディン・ジェコ)
2戦合計:2-2 ※アウェイゴール数により準々決勝進出

準々決勝進出(vsバルセロナ)
第1戦(A):1-4(38分,OG 55分,OG 59分,ジェラール・ピケ 80分,エディン・ジェコ 87分,ルイス・スアレス)
第2戦(H):3-0(6分,エディン・ジェコ 58分,ダニエレ・デロッシ 82分,コスタス・マノラス)
2戦合計:4-4 ※アウェイゴール数により準決勝進出

準決勝(vsリヴァプール)
第1戦(A):2-5(36分,モハメド・サラー 45+1分,モハメド・サラー 56分,サディオ・マネ 61分,ロベルト・フィルミーノ 69分,ロベルト・フィルミーノ 81分,エディン・ジェコ 85分,ディエゴ・ペロッティ)
第2戦(H):4-2(9分,サディオ・マネ 15分,OG 25分,ジョルジニオ・ワイナルドゥム 52分,エディン・ジェコ 86分,ラジャ・ナインゴラン 90+4分,ラジャ・ナインゴラン)
2戦合計:6-7

最大のハイライトはバルセロナを破った準々決勝だ。第1戦はカンプ・ノウで1-4と大敗を喫するも、ホームの第2戦は3-0で勝利。3点ビハインドを跳ね返し、34年ぶりにベスト4進出を果たした。続く準決勝ではリヴァプールに敗れるも、最後まで諦めずあと1点のところまで追いつめたことは記憶に新しい。大会を通じてアウェイでは苦戦続きだったが、ホームで見せた快進撃はロマニスタたちを熱狂させた。

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