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カタール、史上5カ国目のアジアカップ連覇達成! アフィフのPK3発で決勝初進出のヨルダン撃破

2024.02.11

カタール代表がアジアカップ2連覇 [写真]=2024 Asian Football Confederation (AFC)

 AFCアジアカップカタール2023・決勝が10日に行われ、ヨルダン代表カタール代表が対戦した。

 1月12日から約1カ月間に及ぶ激闘が繰り広げられた今大会も、いよいよ最後の1試合。数々の激戦を経て、いよいよアジア王者の称号を手にするチームが決まる。

 今大会のヨルダン代表は、グループステージ第1節でマレーシア代表に4-0と大勝するも、続く第2節では韓国代表との一戦を2-2のドローで終え、第3節ではバーレーン代表に0-1で敗れた。最終節でグループEの3位に転落したものの、各グループの3位チームの中では成績がトップとなり、2大会連続のグループステージ突破が決定。決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)では日本代表を抑えてグループDを首位通過したイラク代表を、後半アディショナルタイムの劇的な2得点により3-2で下す。準々決勝では大会初出場で快進撃を続けていたタジキスタン代表を1-0で破ると、グループE第2節以来の“再戦”となった準決勝では、韓国代表に2-0で完勝。史上初のアジア制覇まで、あと1勝となった。

 一方、開催国のカタール代表は、グループA第1節でレバノン代表を3-0、第2節でタジキスタン代表を1-0、第3節で中国代表を1-0で破り、3戦全勝かつ無失点と安定感のある戦いを披露。ラウンド16ではパレスチナ代表に2-1と逆転勝利を飾ると、準々決勝のウズベキスタン代表戦はPK戦までもつれ込む死闘となったが、GKマシャアル・バルシャムが3本のシュートを止める大活躍を見せ、3-2でPK戦を制す。準決勝では、日本代表の前に立ちはだかったイラン代表と撃ち合いを演じながら、終盤にアルモエズ・アリが決勝ゴールを挙げ、3-2で勝利。2大会連続のファイナル進出を決め、大会連覇へ王手をかけた。

 史上初の決勝に向けて、ヨルダン代表は韓国代表戦からスターティングメンバー2名を変更。出場停止処分から戻ってきたアリ・オルワンが先発に名を連ね、ムサ・アル・ターマリやヤザン・アル・ナイマトと攻撃陣を形成する。

 対するカタール代表もイラン代表戦から2名を入れ替え。イラン代表戦ではベンチスタートだったタレク・サルマンとハサン・アル・ハイドゥースが先発に復帰。今大会を通して輝きを放っているアクラム・アフィフもスタメンに並んだ。

 試合序盤はブロックされた守備をベースとしながら、アフィフやA・アリといったタレントを活かして攻撃に出たカタール代表が流れを引き寄せる。8分には敵陣左サイドでロングフィードを受けたアフィフがボックス左へ侵入するも、シュートはGKヤズィード・アブレイラに阻まれる。直後にも右からの折り返しを受けたアフィフが右足を振ったが、シュートは力がなく、GKアブレイラに難なく処理された。

 対するヨルダン代表はカウンターで攻撃の機会をうかがう。16分には左サイドでロングボールを受けたアリ・オルワンが自ら持ち運び、中央へ折り返すと、最後はアル・ナイマトが迷いなく右足を振り抜く。威力あるシュートは枠を捉えたが、GKバルシャムにパンチングで弾き出された。

 直後の22分には試合の均衡が破れる。自陣でパスを繋ぎながら反撃の機会を探るカタール代表は、ルーカス・メンデスが斜めのパスをつけると、アフィフがドリブルでボックス左へ侵入。後ろからアブダッラー・ナシブに倒され、カタール代表にPKが与えられた。このPKをアフィフがゴール左下に沈め、“エース”の活躍でカタール代表が先制に成功。ゴール直後にはアフィフが手品のパフォーマンスを見せ、会場を沸かせた。

 反撃に出たいヨルダン代表はロングボールを用いて前に出るものの、なかなか効果的な形でゴール前まで持ち運べない。カタール代表は無理をすることなく時計の針を進めたが、前半終了間際の45分にはアクシデントが発生。自陣左サイドで守備に参加したアフィフが左ひざの辺りを痛め、倒れ込んでしまう。プレー続行は不可能となり、担架に乗せられてピッチ外へ運ばれた。

 アフィフはなんとかピッチに戻り、カタール代表としては事なきを得たものの、直後にヨルダン代表がこの日最大の決定機を作り出す。うまく左サイドを破ったアリ・オルワンが深い位置まで運んでマイナスへ折り返すと、走り込んだアル・ターマリが左足で合わせたが、シュートは相手にブロックされた。前半はこのままカタール代表の1点リードで終了している。

 後半に入ると、1点を追うヨルダン代表が怒涛の攻撃を披露。57分にボックス右で折り返しを受けたアリ・オルワンがオーバーヘッドシュートを放つと、59分にはアル・ターマリのスルーパスから、同じくボックス右の位置へ走り込んだエサン・ハダッドが右足を振り抜いたが、シュートはGKバルシャムに阻まれる。さらに直後のプレーで得た右コーナーキックから、ヤザン・アル・アラブがバイシクルシュートを狙うが、再びGKバルシャムがビッグセーブ。その1分後にはドリブルでペナルティエリア右へ侵入したアル・ターマリがシュートを放つも、再びGKバルシャムに阻まれ、こぼれ球を繋いでアリ・オルワンが軸裏シュートを狙ったが、枠を外れた。

 この流れのまま時計の針が進むと、ヨルダン代表は67分に試合を振り出しに戻す。右サイドに流れてボールをキープしたアリ・オルワンがマイナスへ落とすと、サポートしたハダッドがダイレクトでクロスボールを送る。待っていたアル・ナイマトが見事なファーストタッチで前を向き、左足でゴールネットを揺らした。

 後半は劣勢を強いられたカタール代表だったが、69分にはボックス内でA・アリからのパスを受けたイスマエル・モハマドがマフムード・アル・マルディに倒され、カタール代表にこの日2度目のPKが与えられる。このPKをアフィフが再びゴール左へ叩き込み、カタール代表が一歩前に出た。

 なんとか同点に追いつきたいヨルダン代表は強引に前へ出たものの、後半アディショナルタイムにはカタール代表がシンプルなカウンターアタックでトドメを刺す。最終ラインからのロングフィードをA・アリが頭で逸らすと、抜け出したアフィフがGKアブレイラに倒され、またもPKが与えられた。キッカーのアフィフは今度はGKを見てゴール右下に流し込み、PKのみでハットトリックを達成。カタール代表が勝利を決定付けた。

 試合はこのままタイムアップ。この結果、カタール代表が前回大会に続き、アジアカップ2連覇を達成した。なお、これまでに同大会では1956年大会と60年大会の韓国代表、68年、72年、76年のイラン代表、84年、88年のサウジアラビア代表、そして2000年、2004年の日本代表が連覇を成し遂げており、カタール代表は史上5カ国目のアジアカップ連覇達成チームとして大会史に名を刻んだ。
 
【スコア】
ヨルダン代表 1-3 カタール代表

【得点者】
0-1 22分 アクラム・アフィフ(PK/カタール代表
1-1 67分 ヤザン・アル・ナイマトヨルダン代表
1-2 73分 アクラム・アフィフ(PK/カタール代表
1-3 90+5分 アクラム・アフィフ(PK/カタール代表

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By サッカーキング編集部

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