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【ACLグループH展望|HAGL】直近の国内リーグ戦では自慢の攻撃陣が沈黙。“ベトナムのメッシ”にかかる期待は大きい

2022.04.16

ベトナム代表のエースとしても活躍するグエン・コン・フオンがチームのキーマン  [写真]=Getty Images

国内全土にファンを持つスター軍団

■試合日程(日本時間)
4月16日(土) 20:00 対 横浜F・マリノス
4月19日(火) 20:00 対 シドニーFC
4月22日(金) 20:00 対 全北現代モータース
4月25日(土) 23:00 対 全北現代モータース
4月28日(木) 20:00 対 横浜F・マリノス
5月1日(日) 20:00 対 シドニーFC

 ホアンアイン・ザライ(HAGL)を一言で表現するならスター集団だ。八百長やラフプレーの横行で冷え切っていた国内のサッカー熱を再燃させるきっかけとなったUー19とUー23の代表フィーバーで、チームの中核となったのがHAGLの選手たち。すでに提携関係は終了してしまったが、HAGLはアーセナルと業務提携し、国内初の本格的なアカデミーを設立。ここからFWグエン・コン・フオン(元水戸)やMFグエン・トゥアン・アイン(元横浜FC)など多くのタレントが育ち、現在のトップチームが形成されている。

 HAGLの特徴は基礎技術の高さとパスサッカー。前線に強力な外国人FWを置いてロングボールを放り込む従来のVリーグのスタイルとは一線を画す、ポゼッションサッカーで人気を博しており、国内全土に熱心な信奉者を持つ。これまでは守備に不安を抱え、ファンの期待を裏切ってきたが、昨シーズンは攻守が上手くかみ合って首位(※新型コロナの影響により第12節で打ち切り)に立ち、2005年以来となるACL出場権を獲得した。

 ホスト開催となるACLでは今大会唯一のベトナム勢として奮闘が期待されるが、チーム状況は芳しくない。開幕3試合で無得点と自慢の攻撃陣が沈黙。第4節を終えて勝ち星がなく14チーム中9位に低迷。先日のカップ戦ではPK戦で辛くも勝利したものの、やはり無得点に終わっており、深刻な決定力不足に陥っている。前線にポスト役おらず、攻撃が単調になっているのが主な原因だ。

 HAGLがグループステージで対戦する全北現代モータース、横浜F・マリノス、シドニーFCはいずれも格上。自国開催できるアドバンテージがあるとはいえ、チーム状況を考えると、不安のほうが大きいというのが本音だ。カギを握りそうなのは、新加入のブラジル人FWバイアーノ(元水戸、山形)。外国人枠の関係からリーグ戦では出場機会が少ないが、外国人枠が増えるACLでは出場機会の増加が見込まれる。最近のトレーニングマッチでゴールを決めるなど調子を上げており、不振の攻撃陣を活性化させるラストピースとなることが期待される。

 中2日の6連戦で注目したいのは、やはり初戦の横浜FM戦。鬼門だったアウェイの鹿島アントラーズ戦で快勝して勢いに乗る横浜FMに、なすすべもなく敗れるのか、あるいはアジアの戦いの難しさを痛感させられる好ゲームを演じることができるのか。両チームにとってグループリーグ突破を占う重要な一戦になることは間違いない。

【KEY PLAYER】FW 10 グエン・コン・フオン

“ベトナムのメッシ”の異名で知られる国民的スター。水戸ホーリーホック、仁川ユナイテッド、シント・トロイデンと海外3クラブを渡り歩いた経歴を持つ。トップ下を主戦場とし、得意のカットインや裏への飛び出しから果敢にシュートを狙う。

 昨季はリーグ2位タイの6ゴールの活躍で攻撃陣を牽引。正確な右脚のキックも持ち、セットプレーでも重要な役割を担っており、ベトナム代表の一員として出場したカタール・ワールドカップ アジア最終予選の日本戦では、CKからベトナムの先制ゴールをアシスト。ボールを持つだけで歓声が沸き、一つのプレーでスタジアムの空気を変えられる。

文=宇佐美 淳

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