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ライバル比較10年史:バルセロナとレアル・マドリード

2025.12.05

 世界には数々の“ダービーマッチ”や“ライバル関係”が存在する。その中でも一際注目を集め、話題となるライバル関係のひとつが、スペインのラ・リーガが誇る2大巨頭、バルセロナレアル・マドリードではないだろうか。

 何よりも、その力関係の長きに渡る“拮抗具合”は、欧州随一と言えるかもしれない。それは、バルセロナの104勝、レアル・マドリードの106勝という公式戦における通算対戦成績(2025年11月終了時点)からも見てとれる。

 そこで、サッカー面や財政面など、様々な部分で拮抗した関係性でもある両クラブに注目。大手スポーツプロバイダーの『TheSports』が提供しているデータを元に、過去10シーズンに渡る成績などを比較した。

■過去10シーズンの順位推移&得失点差

過去10シーズンのリーグ順位推移&得失点差

 2015-16シーズンから2024−25シーズンまでのラ・リーガにおける順位を振り返ると、バルセロナレアル・マドリードの2チームがほぼ優勝を争う構図に。唯一、2020−21シーズンのみ、アトレティコ・マドリードがリーグ優勝を成し遂げている。

 過去10シーズンでは、バルセロナが5度、レアル・マドリードが4度のリーグ制覇を飾っており、連覇も2017−18シーズンから2018−19シーズンにかけてエルネスト・バルベルデ指揮下のバルセロナが果たした2季連続のみ。その後の3シーズンはバルセロナレアル・マドリードの後塵を拝する形となったが、ほぼ入れ替わる形でラ・リーガの覇権を争い続けてきた。

 また、得失点差に関しては、10シーズン中8シーズンはバルセロナが上回っており、バルセロナのアイデンティティでもあるポゼッションで相手を圧倒する攻撃的なスタイルがラ・リーガでも抜けた存在であることが見てとれる。

 ちなみに、「83」という脅威的な得失点差を記録した2015-16シーズンのバルセロナは、リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの「MSN」を擁したチームで、そのMSNがリーグ戦での112得点のうち、90得点を記録。

メッシ、スアレス、ネイマールのMSN

 レアル・マドリードも、カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル、クリスティアーノ・ロナウドの「BBC」を擁して110得点を挙げたが、得失差も「76」と及ばなかった。なお、レアル・マドリードが著しく数字を落とした2018-19シーズンは、ジダンの一次政権終了とロナウドが退団した直後のシーズンとなっている。

ベンゼマ、ベイル、クリスティアーノ・ロナウドのBBC

■過去10シーズンの年俸総額比較

 過去10シーズンの年俸総額を比べると、2010年代はそれほど大きな差は見られなかったが、2020年代に入るとサラリーキャップの問題などもあり、財政的に厳しい状況にあるバルセロナはメッシの退団などもあって年俸総額は大きく引き下げられ、その後もクバルシやバルデ、ヤマルらカンテラーノの台頭や重用が目につく。

 レアル・マドリードもマルセロ、カゼミーロ、イスコ、ベイルらが去った2022-23シーズンは下がっているが、特に近年は有望な若手やクラック以外には移籍金をかけず、フリー移籍で要所を補強。その分の資金を選手の年俸に当てる戦略もあり、近年は一定の水準を保っている。

フロレンティーノ・ペレス会長とジョアン・ラポルタ会長

レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長(左)とバルセロナのジョアン・ラポルタ会長(右)

■過去10シーズンのリーグ対戦成績

 過去10シーズンのラ・リーガにおける直接対決を振り返ると、比較的ドロー決着は少なく、直近5シーズンは必ずどちらかに軍配が上がっている。

 2010年代はバルセロナに軍配が上がっていたが、2020年代に入ってからはレアル・マドリードが上回っている。しかし、昨季はバルセロナがシーズンダブルを達成し、ラ・リーガ以外でもコパ・デル・レイとスーペル・コパで勝利を収めるなど、巻き返しを見せた。

コパ・デル・レイを制したバルセロナ

昨季のコパ・デル・レイを制したバルセロナ

 なお、すでに行われた今季前半戦のエル・クラシコは、レアル・マドリードが2−1で勝利。お互いに勝ち上がれば、年明けのスーペル・コパ決勝でも対戦することになる。

■過去10シーズンの獲得タイトル

 過去10シーズンの獲得タイトルを振り返ると、国内に関してはラ・リーガ、スーペル・コパでは拮抗しているものの、コパ・デル・レイでのリードもあり、バルセロナがリード。

 一方、国外のタイトルに目を向けるとチャンピオンズリーグ(CL)3連覇をはじめ、過去10シーズンで5度のCL制覇を成し遂げているレアル・マドリードが、CL王者に付随する大会でもタイトルを得てバルセロナを圧倒している。

ビッグイヤーを掲げるナチョ・フェルナンデス

過去10シーズンで5度のCL制覇を経験しているレアル・マドリード

 今季のラ・リーガは、ここまで勝ち点1差でバルセロナが首位に立ち、レアル・マドリードが追いかける展開に。年明けのスーペル・コパを経て、リーグフェーズも佳境を迎えるCLで両雄がどのような結果を見せるのか注目だ。

 ハンジ・フリック監督の下で2季目を迎えたバルセロナが欧州の舞台でもその力を見せつけるのか。それともシャビ・アロンソ監督が新指揮官に就任した新生レアル・マドリードが昨季の雪辱を果たすのか。今季も欧州屈指のライバル関係から目が離せない。

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