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FIFA、SNS上での誹謗中傷表現を規制へ…選手や関係者を守るための計画を発表

2022.06.20

FIFAが国際大会期間中のSNS誹謗中傷対策を実施へ [写真]=Anadolu Agency via Getty Images

 FIFA(国際サッカー連盟)は19日、FIFPro(国際プロサッカー選手協会)と協力して、FIFA主催の国際大会開催期間中に参加チームの選手および関係者などをソーシャルメディア上での誹謗中傷から守るための計画を調整していることを明かした。

 FIFAは18日の「ヘイトスピーチと闘う国際デー」に併せて発表された報告書内で、SNS上でサッカー選手に対する誹謗中傷の度合いが高まっていることを主張した。2022FIFAワールドカップカタール開催を5カ月後に控える中で、今回の計画を着手することを決めたという。

 報告書内では、SNS上での誹謗中傷に関するAIを用いた調査データが利用された。UEFA EURO 2020とCAFアフリカ・ネーションズカップ2021の準決勝と決勝開催時において、SNS上で約40万件以上もの投稿を調査した結果、50%以上の選手が何らかの差別的な発言を受けていることが明らかになっている。加えて、その多くは選手の母国からの投稿となっているという。ピッチ上での事象とは全く関係のない差別のコメントも多く確認された模様だ。

 この調査結果を受けて、FIFAとFIFPROは大会期間内に男子・女子サッカー界で専用のモデレーションを用いて投稿内容をチェックするようになる。同システムは特定のSNS内に掲載された誹謗中傷の表現を読み取ると、自動的に投稿の対象者(発言の矛先となっている人物)および同人物のフォロワーが投稿を見られなくなるというもの。また、FIFAとFIFProのパートナーシップによって、FIFA主催大会に参加する全選手に対し、SNSアカウントに関する教育支援、メンタルヘルスに関するアドバイスが行われる予定だ。

 同報告書においては、誹謗中傷のコメントと認識されたアカウントの90%以上が特定されることになるという。非公開アカウントである場合も同様で、場合によっては管理するSNS会社や法執行機関に解決を依頼するケースも発生するようだ。

 今回の発表を受けて、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は「我々の義務はサッカーを守ることであり、それはピッチ内での活躍によって多くの喜びと幸せを我々に与えてくれる選手たちから始まるものです。残念ながら、選手、コーチ陣、レフェリー陣、チームなどに向けられたSNS投稿で許容されないものが増えているという傾向が見られています。このような形の差別は、あらゆる形の差別と同様、サッカーに決して存在してはなりません。W杯開催を控える中、SNS上での我々の立場を表明することが重要です。我々は、言葉だけでなく行動を重視しています。そのため、この問題に直接取り組むための具体的な措置をとることとなりました。この問題に対して、SNSプラットフォームも同様に支援してくれることを期待しています。我々のスポーツの今後に関わる重要な機会です」と述べた。

 

By サッカーキング編集部

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