2020年も残すところ、あと数日。年が明ければ、欧州の冬の移籍市場がオープンする。夏の移籍市場とは異なり、冬は戦力の不足するポジションをピンポイントで補うことが多い。なかでも注目が集まるのはストライカー。優勝を狙うチーム、残留を狙うチーム、どちらにとってもゴールを奪ってくれる選手の存在は大きいからだ。
スペイン紙『アス』は21日の記事で、今冬の移籍が噂されるストライカーたちを特集。今回はその中から特に目が離せない8選手を紹介する。
※カッコ内は(現所属クラブ/国籍/現年齢)
■オリヴィエ・ジルー
(チェルシー/フランス/34歳)
2日のチャンピオンズリーグ・セビージャ戦で4得点を挙げたのを機にリーグ戦でもスタメン起用が続いたが、今季の出場時間は500分を少し上回る程度。来年6月に行われるEURO2020に出場するため、さらなる出場機会を求めて移籍するとの噂は絶えない。ただ本人は「チェルシーでトロフィーを獲得したい」とコメントするなど、レギュラー奪取へ意欲を見せている。ミランやマルセイユが獲得を狙っているとの報道もあるが、どんな決断を下すのだろうか。
■メンフィス・デパイ
(リヨン/オランダ/26歳)
フランス紙『レキップ』は19日、リヨンは今季限りで契約が満了するデパイを6億円程度の移籍金で売却する意思があると報道。このバーゲン価格によって、大争奪戦が繰り広げられることになりそうだ。ロナルド・クーマン監督が獲得を熱望するバルセロナを筆頭に、ユヴェントス、パリ・サンジェルマンなどが関心を寄せており、今後さらに手を挙げるクラブが出ても不思議ではない。なお、リヨンへの移籍時にはAI(人口知能)を活用したというデパイ。今回も移籍の決め手となるのはAIになるかもしれない。
■アルカディウシュ・ミリク
(ナポリ/ポーランド/26歳)
今夏の移籍市場でローマやフィオレンティーナへの移籍話が破談に終わると、ナポリでは構想外となり、今季はここまで1分もプレーしていない。ただ契約は半年後に切れるため、クラブも今冬での放出を望んでいる。ネックとなっているのは1800万ユーロとされる移籍金の高さで、関心を持っているとされるユヴェントスやアトレティコ・マドリードも獲得に二の足を踏む可能性がありそうだ。次こそ円満退団か、それとも交渉が再びもつれるのか。いずれにせよ、今冬最も注目が集まる選手の一人だ。
■フェルナンド・ジョレンテ
(ナポリ/スペイン/35歳)
ミリク同様、ナポリでは全く出番がない状況。さらに現行契約も来年6月に満了する。冬の退団は必至で、吉田麻也が所属するサンプドリアや古巣ユヴェントスが獲得に名乗りを上げているようだ。来年2月で36歳となるが、安定したポストワークは魅力で、何より移籍金が安く済む。手を挙げるクラブは意外に多いかもしれない。
■フッキ
先日、4年以上にわたって在籍した上海上港(中国)を退団。ウルヴァーハンプトンに向けて売り込みをかけたという報道も出ている。ただイギリスのEU離脱に伴って、プレミアリーグが来年1月から外国人選手の登録条件を厳しくするため、入団は難しいという。それでも本人は「毎日のように世界中から問い合わせがきている」と明かし、欧州復帰も視野にしているようだ。
■ディヴォック・オリギ
(リヴァプール/ベルギー/25歳)
フィルジル・ファンダイクとジョー・ゴメスの長期離脱を受けて、リヴァプールはセンターバックの補強を検討。その候補にシャルケのトルコ代表DFオザン・カバクの名前が挙がっており、交渉の一部にオリギを含める可能性があるという。欧州制覇の立役者となったベルギー代表FWだが、今季の公式戦出場時間は318分。来年開催されるEURO2020のメンバー入りへ向けて、移籍に踏み切る可能性は十分だ。
■ルカ・ヨヴィッチ
(レアル・マドリード/セルビア/23歳)
勝負の2年目となるはずだったが、新型コロナウイルスに感染したり、ケガに見舞われたりとアクシンデントが続き、ここまで5試合の出場にとどまっている。ただフィニッシャーとしての能力の高さは折り紙つきで、ズラタン・イブラヒモヴィッチが離脱したミランが獲得に関心を寄せているとの報道も。ベンフィカからフランクフルトへのレンタル移籍を機にブレイクを遂げたように、活躍の場が変われば復調を遂げるかもしれない。
■ジエゴ・コスタ
(アトレティコ・マドリード/スペイン/32歳)
まだ32歳と働き盛りで、持ち前の闘志が失われたわけでもない。しかし、新戦力のルイス・スアレスが得点を量産し、若きジョアン・フェリックスが真のブレイクを迎えつつある今、チーム内での居場所がなくなりつつあるのも事実だ。現行契約は今季までとなっており、延長しないのであれば、今冬に退団する可能性がある。
(記事/Footmedia)