元日本代表の岩本輝雄さんがCL決勝トーナメントを“独自目線”で展望
17日から、いよいよチャンピオンズリーグの決勝トーナメントがスタートする。グループリーグで現地観戦するなど、欧州最高峰の戦いを“体感”している元日本代表の岩本輝雄さんに決勝トーナメントの試合展望や注目選手を“独自目線”で解説してもらった。
*********************
――CLの決勝Tがいよいよスタートします。まず、17日(パリ・サンジェルマンvsチェルシー、シャフタールvsバイエルン)と18日(シャルケvsレアル・マドリード、バーゼルvsポルト)戦について岩本さんの展望を聞かせてください。
「一番注目しているのはパリSG対チェルシー。ベスト16で一番難しい予想だと思います。できればベスト4くらいで当たってほしかったですね。初戦のホームでパリSGが勝利すれば勝ち上がるのではないかと思います。パリSGは昨シーズン、ベスト8でチェルシーと対戦してホームの初戦に勝ったのに第2戦で逆転負けした悔しい思いがあるし、個人的には、そろそろ常連の強豪クラブの壁を乗り越えてほしいなという期待も込めて」
――両チームで注目している選手はいますか?
「パリSGは(ズラタン)イブラヒモヴィッチですね。この選手は規格外なので。他の選手とは全然違うタイプというか、彼しか当てはまらないポジションにいる選手ですね。」
――具体的にプレーの面でどのように評価していますか?
「まずはシュート力ですね。(クリスティアーノ)ロナウドも馬力あるけど、イブラヒモヴィッチはもっとすごい。GKが反応できないですからね。あとはキープ力ですね。個人的にはセンターフォワードはボールをキープできないと機能しないと現役時代から考えていたということもあるのですが、そういった意味ではイブラヒモヴィッチは一番上手い選手だと思います。両足でボールを扱えて、ヘディングもできる。さらにミドルやフリーキックも得意ですからね。パリSGは苦しい時にロングボールを入れておけばそこから攻撃の形を生み出すことができる」
――チェルシーの選手では誰に注目していますか?
「チェルシーは(エデン)アザールとセスク(ファブレガス)ですね。アザールはみなさんが知っているとおり、早くてドリブルが上手くて前を向いたらなかなか止めることができない選手ですが、今シーズンはセスクの加入でさらに成長した印象です。セスクとの距離感がものすごく良くて、いい位置でボールを受けることができている。それによってペナルティーエリアに勝負できる機会が増えていることもゴール数につながっているのではないかと思います」
――シャフタールvsバイエルン戦はどのように予想しますか?
「この試合はパリSG対チェルシーと逆で、最も堅い試合ですね。シャフタールがバイエルンに付け入る隙はないと思います。シャフタールは初戦を本拠地で行えない(ウクライナ西部のリヴィウで開催)ので、天候を含めたホームアドバンテージを得られないということもありますし」
――18日にはシャルケの内田篤人、バーゼルの柿谷曜一郎の日本人所属のクラブが登場します。
「レアルはけが人が多いとはいえ、シャルケが勝ち上がるのは相当難しいと思います。あれだけけが人が多くてもロナウド、(ガレス)ベイル、(カリム)ベンゼマがいて、中盤には(トニ)クロースがいますからね。チームの機能性は多少落ちるかもしれませんが、総合力ではシャルケを上回っている印象です」
――レアル・マドリードで注目している選手は?
「ベンゼマですね。とにかくキープが抜群に上手い。ボールを受けるタイミングも『今、ここに来てくれ』というタイミングで顔を出すのが絶妙ですね。ボールをキープしながら、ロナウドとベイルがどこに走っているのかを分かっていてパスも出せるので、レアルの攻撃はベンゼマがいるといないでは全然違います。彼がいなければロナウドのゴール数もだいぶ減っていると思いますね」
――内田選手は先発出場が濃厚ですがどんなプレーに注目しますか?
「マッチアップするのがロナウドやベイルですからね。個の局面でのバトルはどれだけやってくれるか楽しみですね」
――最後にバーゼルvsポルトはどう予想していますか?
「ポルトはCLの常連クラブですが、バーゼルにも十分チャンスがあると思うので接戦になると思います。柿谷の出場は限られると思いますが決勝トーナメントというで真剣勝負の場でプレーすることは貴重な経験になるのでぜひ出場してほしいですね」
――ちなみに岩本さんはCL決勝トーナメントを現地で観戦する予定ですか?
「パリSG対チェルシーとシャルケ対レアル・マドリードを観戦する予定です。そのまま、24日のバルセロナ対マンチェスター・C戦も観戦できればと考えています」