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W杯の敗因を指摘したX・アロンソが孤立…スペイン代表が抱えていた問題

2014.06.26

X・アロンソはスペイン敗退の理由を「野心と飢えの欠如」と指摘 [写真]=Getty Images

 ブラジル・ワールドカップで、オランダ代表に1-5、チリ代表に0-2と連敗し、わずか2試合で52年ぶりの大会連覇の夢が断たれたスペイン代表。彼らの早期敗退は、間違いなく今大会のサプライズの1つだった。もっとも、敗れたチームは何かしら問題を抱えているものだ。それを象徴するような出来事があった。

 18日に行われたチリ代表との試合に0-2で敗れ、グループリーグ敗退が決まった後、シャビ・アロンソが「スペイン敗退の理由は野心と飢えの欠如だ」とコメントしたことをきっかけに、チーム内で大きな反発が生じたのだ。このコメントの直後に、アンドレス・イニエスタジエゴ・コスタが反論を唱えたのに続き、翌日の公式記者会見では、サンティ・カソルラがX・アロンソの見解を真っ向から否定。チームメイトの多くが、X・アロンソの発言に不快感を示した。

 当然、スペインメディアもこの一件を大きく取り上げ、「シャビ・アロンソがチーム内で孤立」といった記事が掲載される騒ぎに発展。そんな中、スポーツ紙『マルカ』は、早期敗退の原因を問う読者アンケートで、X・アロンソが指摘した“ハングリー精神の欠如”が“コンディション不良”に次ぐ支持を集めたことを紹介し、「国民はシャビ・アロンソの味方」との見出しを打った。また、今大会開幕前に代表を引退したアルバロ・アルベロアも、自身のツイッターで「嘘を語るのではなく、真実を口にして不快感を引き起こすことを選ぶすべての人に、僕の敬意と称賛を」とつぶやき、X・アロンソを擁護した。

 その後X・アロンソは、母国のラジオ局のインタビューで自らの発言の意図について説明。「代表に対する忠誠心や勝利への意欲、またタイトル獲得への野心が欠けていたと言いたかったのではない。このレベルの試合を戦うのに必要な気持ちが不足していたという意味だった」と語り、この騒動を鎮火させようとした。とはいえ、ユーロ2008の優勝以来、黄金時代を築き上げてきた代表に対するイメージを傷つけまいとする意図がそこには感じられた。

 そして迎えた、オーストラリア代表とのラストゲーム。チームは“元世界王者”の意地を見せて、3-0で快勝した。しかし、一旦チームに生じた亀裂を修復することはできず、選手たちに心からの笑顔はなかった。あまりにも早すぎる帰国となったスペイン代表。真の“無敵艦隊”だと思われたチームもまたトラブルを抱えていた。

(記事/Footmedia)

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