[写真]=神山陽平
自分がいるべき場所は、やはりここしかない。その思いを胸に秘めて、秋元陽太が湘南ベルマーレに戻ってきた。再びJ1の舞台に舞い戻り、栄光をつかむために――。守護神は全身全霊をかけてゴールマウスに立ちはだかる。
Jリーグサッカーキング5月号[湘南ベルマーレ特集]共走-KYOUSOU-
厳しいことを言い合える仲間にならないといけない
今シーズンのスローガンである「共走」の意識について聞かせてください。ベルマーレは走るイメージが強いですが、GKの立場から見ていていかがですか?
何のためにやっているのかを理解しているからこそ、みんな苦しい練習を乗り越えられるのかな、と思います。
そんなに苦しそうですか?
苦しいはずです(笑)。GKでは、たぶんついていけないです。
GKの練習は、他のチームとはあまり変わらないですか?
でも、誠一さん(齋藤誠一GKコーチ)は誠一さんで、《いやらしいボール》を蹴ってくるというか、GKが気持ち良くセーブできるボールではなく、もがきながらどう止めるか、というボールを蹴ってくれるので、僕としては鍛錬できますし、すごくありがたいですね。
選手間の競争はいかがですか?
タンドウ(ベラピ)もいますし、後藤(雅明)が大卒で入ってきて、(伊藤)剛も努力していますし、誰が出てもおかしくない状況をもっともっとつくっていきたいですね。フィールドプレーヤーから「誰が出ても大丈夫じゃない?」と思ってもらえるGK集団をつくっていきたいです。
秋元選手は2014シーズンのJ2時代やJ1昇格を知る立場でもあります。J2ではどう戦えばいいのか、昇格のために何が必要なのかは、ある程度は分かっていると思います。
失点してはいけない時間帯での戦い方や、ゲームの流れを読む能力などは、もっともっと向上させていかないと、厳しい戦いを強いられることになると思いますし、J1に上がったとしても苦労すると思います。そこをしっかり乗り越えていかないとその先は見えてこないので、一人ひとりが自覚して、より高い意識で日々の練習に臨みたいと思っています。
今のベルマーレがJ1に昇格するためには、何が必要だと思いますか?
厳しいことを言い合える仲間にならないといけないと思います。我慢するのではなく、言いたいことはしっかり言わないと相手のためにもならないし、チームのためにもならない。僕に言ってもらうのも全然、構わないです。自分が気付いたものを伝えるということを、僕は昨年できなかったので、その反省をしっかりベルマーレで生かしていきたいですね。
今年で30歳、ベテランと言われる立場になってきました。若い選手とコミュニケーションを取る際に、工夫していることはありますか?
厳しく言うところと、ほめるところをバランス良くするように心掛けています。例えば視来だったらあまり厳しく言わず、うまく持ち上げる感じで(笑)。大暉には「もっとしっかりやれよ!」みたいな感じで言います。
ベルマーレに復帰して、練習場でファン・サポーターの方と実際に触れ合って、どのように感じましたか?
「おかえり!」と言っていただけたのは本当にうれしかったですし、ベルマーレのためにまた必死で頑張ろうと身が引き締まる思いです。
ベルマーレにとっては、地域の協力も欠かせないものです。
いろいろな市町にサポートしていただいていますし、ベルマーレのフラッグも各地に掲げていただいて、すごく身近に感じているので、感謝の気持ちを大事にしつつ、結果で恩返ししたいですね。
2月11日には、毎年恒例の「ベルマーレワンダーランド」も開催されました。
たくさんの方が集まってくれて、皆さん温かい言葉を掛けてくださいました。「期待しているから頑張ってね」と言っていただいた方々のためにもJ1に昇格して、その後もJ1で戦い続けられるチームづくりをしていきたいと思っています。
あらためて、今シーズンの決意表明をお願いします。
J1昇格という明確な目標があるので、個人としてもチームとしても成長し、昇格を達成できるようにチーム一丸となって頑張りたいと思っています。
最後に、ファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
秋元 ベルマーレで再びプレーさせていただけることに感謝していますし、温かい言葉、期待の言葉をいただいたので、しっかり結果で恩返しできるように頑張ります。応援よろしくお願いします!
秋元陽太(あきもと・ようた)
生年月日/1987年7月11日 出身地/東京都
身長・体重/182㎝・84㎏
横浜FMアカデミーから2006年にトップチーム加入。愛媛を経て14年に湘南に移籍。同年のJ2優勝、15年のJ1残留を支えた。16年にはFC東京に移籍したが、熱烈なオファーを受けて1年で湘南に復帰した。アグレッシブなプレーと正確なキックが持ち味。