毎週末のように全国各地のスタジアムへ足を運び、Jリーグの魅力を発信する――。Jリーグ女子マネージャー就任から2年半以上の月日が流れ、今や“サトミキ”の存在を知らないJリーグファンはいないだろう。
佐藤美希さんが明かす、Jリーグ最大の魅力は「スタジアム観戦」。その中でも決勝の舞台は“特別”だという。熱戦が繰り広げられた2017JリーグYBCルヴァンカップも残すは決勝のみ。11月4日(土)、決戦の舞台・埼玉スタジアム2002で最後に笑うのは、J1で旋風を巻き起こすセレッソ大阪か、それとも破壊力抜群の攻撃陣を擁する川崎フロンターレか。ルヴァンカップ決勝の注目選手や見どころを語ってもらった。
インタビュー・文=三島大輔
写真=兼子愼一郎、Getty Images
スタジアムは迫力や臨場感を味わえる場所
――Jリーグ女子マネージャー就任から、今年で3季目となりました。改めて、どのあたりにJリーグの魅力を感じていらっしゃいますか?
やっぱり、スタジアム観戦が一番の魅力です! 初めてJリーグを観に行く方でもサポーターの雰囲気には飲み込まれると思いますし、スタジアムにはTVで感じることのできない迫力や臨場感があります。選手を間近で見れるチャンスでもありますし、中継に映らない部分はすごく新鮮だと思います。
――就任から全国各地のスタジアムを回られていますが、現地観戦はまた一味違うものですか?
中継だとボールを持っている選手やピッチ全体を映すことが多いですけど、「自分の注目選手だけを見たい!」という方は、ぜひスタジアムに足を運んでいただきたいです。選手同士のやり取りだったりボールを蹴る音も生で聞こえてくるので、スタジアムでは特別な臨場感を味わえる場所だと思います。
――フジテレビ系列で放送中の『蹴旅~サカたび~』では、カンニングの竹山隆範さんにJリーグの魅力をお伝えしていますが、番組を通じて感じることはありますか?
「竹山さんにJリーグを好きになってもらおう!」と頑張っています。Jリーグにまつわる場所でロケをしたり、練習場に行って選手たちから話を聞いたりしていると、新しい情報がたくさん出てくるんですよ。Jリーグの楽しみ方や魅力を、今後もどんどん発信していきたいですね。Jリーグを知れば知るほど好きになっていくと思いますし、興味が湧けば「スタジアムに行きたい!」という気持ちになるかもしれません。実際に竹山さん自身も徐々に変わってきているなと感じるので、そこはロケをしていても嬉しいですね。
――これまでたくさんの試合を現地で観戦されていますが、特に印象に残っている試合はありますか?
日本で開催されたFIFAクラブワールドカップです。サンフレッチェ広島が南米王者のリーベル・プレート、鹿島アントラーズが欧州王者のレアル・マドリードと対戦した試合は感動しました。2年連続で海外のビッグクラブの試合を見れる機会もないですし、貴重な一戦を見れたなと今でも思います。
――では、イベント出演などピッチ外での活動についてはいかがでしょう?
ルヴァンカップ決勝に進出した川崎はお子さん向けのイベントがあったり、他にもヘアアレンジやフェイスペイントなど女性向けのイベントもたくさんあったり……。今年、FC岐阜の試合会場に行った時はネイルをやってもらいました。「本当にこれから試合やるかな?」という雰囲気ですが、どのイベントも本当に楽しめます!
――ルヴァンカップ決勝というワードが出ましたが、やはり決勝というのはまた特別な舞台ですよね?
リーグ戦やカップ戦のグループステージに比べると、いつも以上に選手の緊張感がありますし、サポーターの熱さはレベルが違うなと感じますね。決勝は毎年たくさんのサポーターでスタジアムが埋め尽くされるので、ピッチが震えるくらい応援が伝わってきます。あと注目しているのは、サポーターのコレオグラフィー。本当に感動しますし、間近で見ていて鳥肌が立ちました。
今年の決勝は打ち合いの展開を見たい!
――ルヴァンカップは今年で25周年大会という節目を迎えました。佐藤さんの一つ“先輩”にあたるわけですが。
歴史を感じますよね、私が生まれる前から始まっている大会だと思うと! リーグ戦はもちろんですけど、これまで数々の素晴らしい選手たちがルヴァンカップでプレーしてきたと考えても長いですし、すごいなと感じますね。
――ルヴァンカップの見どころの一つとして、最も活躍した若手選手に贈られる「ニューヒーロー賞」があります。
年代の近い若手選手が活躍すると私も嬉しいです。ニューヒーロー賞は毎年すごく注目していますし、今後のチームを引っ張っていく選手たちですからね。あとは2020年に東京オリンピックもありますし!
――今年のルヴァンカップ決勝は、セレッソ大阪対川崎フロンターレというカードになりました。
今年の対戦カードは新鮮ですね。特にセレッソはクラブ史上初の決勝進出ですから。ルヴァンカップがシーズンを通じて最初のタイトルなので、優勝したクラブは勢いに乗ってリーグ戦の流れも変えていくんじゃないかなと思います。
――セレッソは昇格組ながら一時J1で首位に立つなど、今年は旋風を巻き起こしています。セレッソの印象はいかがですか?
今年J1に上がってきたとは思えないですよね。日本代表歴を持っている選手も多いですし、各ポジションにタレントは揃っているので、さすがファイナリストだなと感じます。
――セレッソは女性サポーターも多いですし、Jリーグ屈指の人気クラブですよね。
Jリーグ全体を通しても女性サポーターが多いクラブはあまり多くはないですし、新しく女性サポーターを増やすのは難しいと思うんですけど、セレッソが実施するイベントやプロモーションは女性サポーターにも嬉しいと思います。
――川崎もセレッソ同様、クラブ初タイトル獲得に燃えています。今年の川崎についても印象を聞かせて下さい。
小林悠選手や中村憲剛選手、家長昭博選手といった中心選手が非常に好調だと思います。ただ、三好康児選手ら若手選手も活躍している印象がありますね。ニューヒーロー賞の行方にも注目です!
――先ほども話があったイベントやプロモーションという面では、川崎もセレッソに引けを取らないですよね。
本当にすごい! 普通では考えつかないようなことをやっていて、それを選手たちも積極的にやっているのがファンを増やすきっかけになっているんだと思います。等々力陸上競技場の『フロンパーク』には、毎回「これどこから持ってきたんだろう?」っていうものがありますよね(笑)。お子さんから大人まで楽しめますし、私も普通に楽しんでいます(笑)。
――では、ルヴァンカップ決勝で注目している選手をそれぞれ教えて下さい。
セレッソは日本代表にも選出されている杉本健勇選手です。10月に行なわれたハイチ戦で代表初ゴールを決めて、第29節のサガン鳥栖戦でも股抜きから強烈なシュートを決めてと、今年はすごく好調ですよね。ボール持ったらどんどん仕掛けてほしいですし、決勝でゴールを決めるんじゃないかなと思っています。川崎はいっぱいいるんですけど、杉本選手と同じくストライカーの小林選手! 今年からキャプテンに就任して、J1の得点ランキングでも上位に付けています。今年の決勝は両チームの攻撃陣に注目です。セレッソも川崎も得点力の高いチームなので、今年のルヴァンカップ決勝は打ち合いの展開を見たいですね。去年みたいなPKもドキドキしますけど……。
――今年のルヴァンカップ決勝は、どちらが勝ってもクラブ初タイトルということもあり、日に日に注目度も高まっています。最後にルヴァンカップ決勝の見どころをお願いします!
セレッソも川崎も日本代表の選手がいるクラブなので、たくさんの方が注目する決勝になると思います。満員のスタジアムでプレーする選手たちの“躍動感”をぜひ見ていただきたいですね!
By 三島大輔
サッカーキング編集部