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プレーで引っ張る守備の要…S広島RのDF中村楓、ホーム浦和戦へ「強い気持ちで戦う」

2022.03.27

サンフレッチェ広島レジーナのDF中村楓 [写真]=湊昂大

 サンフレッチェ広島レジーナは27日、Yogibo WEリーグ第15節で三菱重工浦和レッズレディースと対戦する。広島はシーズン後半戦が始まって3試合連続で完封負け。厳しい結果が続いているが、守備の要であるDF中村楓は、「強い気持ちで戦う」と意気込んでいる。

 皇后杯を制した強豪をホームに迎えての一戦。「(浦和は)個々の力もあるし、総合力も高いチームなので、間違いなく簡単なゲームにはならない」と中村伸監督も警戒する。「我慢する時間も長くなる試合展開を想定しないといけない」

 浦和は現在WEリーグ3位で、今季23得点(26日時点)とリーグトップの攻撃力を誇る。その中でも、これまで得点ランキング首位の9ゴールを挙げているエースストライカーのFW菅澤優衣香は怖い存在だ。

「力強さ、サイズがあってボールが収まる選手」と中村楓は相手エースを警戒しているが、「1人ひとりのプレーの強度を上げないといけないところプラス、全体で連携していかないといけない」とチーム一丸で対応していく。「まずセンターバックの自分と左山(桃子)がしっかり押さえ込むところ、(相手に)ボールが収まってもしっかり周りと連携して落とされたボールに反応するところ、そういうところに集中していかないといけない」

 ただ、浦和はこの2試合とも2点リードを追いつかれる展開が続いている。広島にとっては今季公式戦1勝1敗の相手。付け入る隙はゼロではない。まずはホームでレジーナらしさを見せたいところ。「毎試合そうですけど、積み上げてきたものを攻守両面で勇気持ってたくさんトライする形を作れれば、やっている選手たちもそうだし、見てくださる人たちにも楽しんでもらえるゲームにできるんじゃないかという期待感はあります」(中村監督)

 広島は3連敗中だが、内容は徐々に上向いている。後半戦最初の2試合は、立ち上がりのミスから相手にペースを握られて前半に失点を重ねたが、後半になって反発力を見せた。0-1で敗れた前節のジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦は決定力という課題が続くものの、「試合を通じてスイッチを入れてアグレッシブなゲームもできるというのを自分たちでしっかり表現できた」(中村監督)。浦和戦でも試合を通じてアグレッシブな姿勢を貫き、例え先手を取られても反発力を見せたいところ。後半戦の課題と収穫を活かす正念場となる。

 守備のカギを握る中村楓は、常にピッチで戦う姿勢を見せてきた。広島のフィールドプレイヤーでは今季唯一全試合フル出場を続けている。指揮官も「自分がゴールを守る、自分がチームを助けるっていう思いが本当に強いのでチームに欠かせない選手」と信頼を寄せる存在だ。本人は「自分の強みは最後まで体を投げ出すところ」と覚悟を持ってピッチに立っている。

「(フル出場は)すごくありがたいし、周りに求められることをしっかりやっていかなきゃいけないっていう責任感も感じている。去年までケガが続いていた中で、自分のコンディションを上げないといけないっていう責任を感じながらやってきて、今やっと少しずつ余裕が出てきた。これをしっかりチームに還元して、出る以上は責任を持ったプレーをしていきたい」

 浦和戦に向けても、「自分たちで強い気持ちを持って戦うことが大事」と気合十分だ。「気持ちの部分は周りからどうこう言うより、個人でしっかり持たないといけない。もちろん周りにも声はかけるけど、まずは自分自身の気持ちを整えて、それをプレーに出していくことで、周りにも良い影響を与えたい」。守備の要が気迫あるプレーでチームを引っ張っていく。

取材・文=湊昂大

By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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