フットサル日本代表のメンバー発表をオンラインで行った木暮賢一郎監督
日本サッカー協会(JFA)は5日、フットサル日本代表ブラジル遠征に臨むメンバー16名を発表した。フットサル日本代表は、13日からサンパウロ州ソロカーバで行われるFutsal Nations Cupに出場し、グループステージで開催国のブラジル、サウジアラビアと対戦。ノックアウトステージ進出を目指す。
メンバー発表と同時刻に行われたオンライン会見には、欧州での視察を終え既に現地に到着している木暮賢一郎監督が参加。今回の遠征の目的やメンバー構成について答えた。
木暮監督
今回は、いわゆるIMD(インターナショナルマッチデー)、FIFA DAYSでの活動になります。まず背景として、このIMDはヨーロッパではW杯予選の最終フェーズに当たる試合があるため、ヨーロッパの勝ち上がっている国とは対戦できません。アジアと南米のW杯予選がない国というところで、ブラジルから声をかけていただき臨むことになりました。リーグ期間中であり、移動距離も長く、日程としてタフであることは重々想定していますが、国内合宿よりも試合をすることにプライオリティを置いています。満員の観衆の中、アウェイでブラジルと試合ができることはなかなかありません。グループリーグではブラジル、サウジアラビアと対戦しますが、次のステップでは私が監督に就任してからは対戦していないパラグアイやコロンビアといった国と戦う可能性も十分にあるので、非常に価値があると考えています。そして、メンバーにおいては、10月のIMDで我々アジアのW杯一次予選が始まりますので、逆算をして16名の選手を招集しています。いつも話しているとおり、そのときのベストメンバーという認識でいます。
―――若い選手が多く入っている印象を受けました。年齢バランスや国内外の活躍など、どういった狙いを持って招集しましたか?
メンバー選考においては、基本的には現状のベストという認識です。2023年に入ってからのU-23のフランス遠征を皮切りにタイ、モロッコと3回の活動をしていく中で、(今回は)継続的に招集している選手、久しぶりに招集する選手、就任後初招集の選手という構成ですが、何人かのベテラン選手もギリギリのところで競っていました。南米の選手との対戦を経験していない選手もベストメンバーの中でのアウェイゲームでテストをしたい、しっかり見極めたいというところがあります。自分が監督になってからは常に、同等のレベルであれば若い選手を選出していますし、当然、来年のW杯だけでなくその先も常に若くていい選手が日本代表を下から突き上げていく、そういった競争をしていく必要があることを前提条件として持っています。今回、約60%の選手が育成年代の代表からフル代表に上り詰めている構図ですが、これも今までと変わりません。スペイン、ポルトガル、ブラジルと様々な協会などどこに行っても、日本の若い選手はお世辞抜きに評価されています。そういった活動や方向性が評価されていることを現地で感じているので、自分自身も大切にしながらベストのメンバーを選んでいきたいと思っています。
――――普段、なかなか招集できない海外組も遠征メンバーに入っていますが、前回のメディアブリーフィングでも海外選手の招集の難しさをお話しされていました。そのあたりの交渉はいかがでしたか?
今回の活動はIMDなので、基本的にはどのクラブも問題なく招集に応じてくれました。サッカー日本代表の森保一監督などからも、短い時間、さらにプレッシャーがかかる中で戦いをしていくことを学んでいますし、フットサルの選手に対しても「時差や移動距離などクラブの背景がバラバラであっても、代表選手にふさわしければいいプレーができる。そういった経験を重ねていくことが、然るべきタイミングでしっかり準備をしたときに実を結ぶ」という話はしています。もちろん、世界最高峰のブラジルと1セッション(のトレーニング)で戦わなくてはいけないことは簡単ではありません。どれだけ厳しいチャレンジであるかは理解しています。それ以上に価値のある遠征になることは、確信を持っています。
―――Fリーグの優勝を争う上位の名古屋オーシャンズ、ペスカドーラ町田、Y.S.C.C.横浜から2選手以上が選ばれていますが、監督からのメッセージでしょうか。
誤解をしてほしくないのは、下位のチームから呼ばないなどということはありません。ただ、代表チームは競争を求められます。そこで必要になってくるのは強いメンタリティ、プレッシャーに負けないことや、プレッシャーのかかる大舞台でハイパフォーマンスができることです。そういったことをどう見極めるかというと「リーグの中でプレーオフ争いをしているか」や「勝たなくてはいけないゲームを何試合経験して、その中でハイパフォーマンスをしているか」。Fリーグの構造でいうと「外国籍選手もいてアジアチャンピオンにもなっている名古屋オーシャンズというチームに対して、どれだけのプレーができるか」。そういったものからフィルタリングした結果、上位にいるチームが多くなるのは自然です。上位のチームは毎週末勝っているから上位にいるわけで、毎週のトレーニングも次の試合に勝つためのポジション争いなど、サイクルが体系化していると感じています。ただ、中位、下位であってもポテンシャルや特徴を持っていたり、若くて将来性があったりする選手に関しては当然、リストアップはしています。
―――世界一のブラジルと対戦する上で、どのような戦いを想定していますか?ロースコアに持ち込めるのか、打ち合えるくらいの力があるのか、勝ち進んだあとも含めて現在の日本代表の立ち位置を聞かせてください。
この10日ほど、スペイン協会やポルトガル協会、ブラジルのU-20代表、バルセロナやインテルなど世界のトップクラブの監督やダイレクターとコミュニケーションやディスカッションをする機会を設けることができました。その肌感覚で言うと、昨年若い選手を多く起用してアジアチャンピオンになったこと、U-23がフランス遠征で2勝したこと、U-19がクロアチア遠征でスペイン代表と優勝を争ったことを、どの監督、どの関係者も評価してくれています。若い世代が個人としても代表としても世界に出て評価されていることは、ひとつの指標になると思います。ふたつ目に、今回の遠征で対戦国に対しどういった展開に持ち込めるかは、勝つためにアグレッシブに、我々のフットサルをすべてぶつける姿勢で臨もうと考えています。私の選手時代からの経験も含め、アグレッシブな姿勢で戦うことでしか成長することができないので、戦う姿勢と何のためにプレーをしているのか、何のために外に出て行っているのかを忘れなければ、先ほど答えたような評価に立ち返るのではないかと思います。もちろん、どの国にも勝ちたいですし、勝利を含めた結果を多くの方に届けることは大事だと思いますが、忘れてはいけないのは、我々はプロセスの途中にいて、その先に何を成し遂げるかを確信して活動しているということです。24時間の移動をして1セッションで戦うので懸念材料はありますが、ゲームをしながらコンディションを高め、しっかりセミファイナルに進んで、最後にファイナルで最高のプレーをするというプランニングを遂行できればと思っています。
―――今回、監督は欧州での視察を終えてのブラジル入りですが、視察で得たことがあれば教えてください。
男子、女子、育成、それぞれにどうやって選手を発掘していくか、どうやってリストを作っていくか、そういったものに関して大きな学びを得たと思っています。クラブのGMや監督、ダイレクターが選手のことをどのように考えているか、協会やクラブの中もすべて見せていただきました。ビッグクラブはどういう構造で、どれだけのスタッフがいて、どれだけ環境がいいのか、クラブの特色を見ることもできました。たとえば2部のチームが環境面においては向上の余地がある中で、身の丈にあったクラブを健全に運営しながら結果を出すために監督はどういった努力をしているか。すべてを見せてくれるようなコネクションがないとできないものを、現地で経験することができ、どの協会もどのクラブもすべてを我々のためにオープンにしてくれたと思います。地域リーグも育成も、さまざまな観点、いろいろな側面での取り組みを見ることができました。どの国もどの方たちもフットサルが好きで、フットサルを良くしたい、選手の環境を良くしたい、そういった情熱が根本にあることを再確認できたと思っています。
フットサル日本代表16名
▼GK
黒本 ギレルメ(しながわシティ)
田淵 広史(名古屋オーシャンズ)
▼FP
ALA 吉川 智貴(名古屋オーシャンズ)
FIXO オリベイラ・アルトゥール(深圳南嶺鉄狼/中国)
ALA 逸見 勝利ラファエル(ブラガ/ポルトガル)
PIVO 平田 ネトアントニオマサノリ(インダストリアス サンタ コロマ/スペイン)
ALA/FIXO 上村 充哉(立川アスレティックFC)
ALA 内田 隼太(ペニスコラFS/スペイン)
PIVO 清水 和也(名古屋オーシャンズ)
FIXO 伊藤 圭汰(ペスカドーラ町田)
FIXO 高橋 響(Y.S.C.C.横浜)
FIXO 石田 健太郎(バルドラール浦安)
ALA 堤 優太(Y.S.C.C.横浜)
ALA 金澤 空(名古屋オーシャンズ)
ALA 山中 翔斗(ペスカドーラ町田)
ALA 原田 快(FCバルセロナ B/スペイン)
By サッカーキング編集部
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