FOLLOW US

イタリア相手に値千金同点弾 U-21日本代表FW藤尾翔太が猛アピール

後半から出場し、貴重な同点弾を決めた藤尾翔太 [写真]=佐藤博之

 前半は手も足も出ない展開だった。後半は持ち直したが、もし同点ゴールが生まれていなければ、結果はどうなっていたか分からない。数少ない決定機をいかに決め切るか――。本職はセンターフォワードながら、大岩ジャパンでは右サイドでも起用されている藤尾翔太徳島ヴォルティス)にとって、自身がストライカーであることを示すには十分すぎるゴールだった。

 26日、U-21日本代表はU-21イタリア代表と国際親善試合を行った。結果は1-1のドロー。試合会場となったカステル・ディ・サングロは人口約7000人の小さな街で、ナポリから車で2時間程の場所にある。こうした機会がなければまず来ないであろう場所で、ストライカーとしての矜持を示したのが藤尾だった。

 背番号17の出番は後半開始から。22日のU-21スイス代表戦に続いて右サイドで起用されると、0-1で迎えた56分に見せ場が訪れる。右CKを獲得し、鈴木唯人清水エスパルス)がショートコーナーを選択。加藤聖V・ファーレン長崎)からリターンパスをもらった鈴木がファーサイドの細谷真大柏レイソル)に当てる。そこからパスを受けた加藤が左足を振り抜く。シュート回転がかかり、惜しくもゴールから逸れていったが、ニアサイドに詰めていた藤尾はこの好機を見逃さなかった。

「シュートを打ってくるだろうから、来たとしてもゴロだと思っていたら、頭上に来たんですよ。自分でもよく合わせたなって」

 想定外のボールに対し、咄嗟の判断でやや後ろに戻りながらダイビングヘッドで決めたゴールはチームに勢いをもたらす同点弾だった。

[写真]=佐藤博之

 その後も積極的に右サイドから仕掛け、大柄なイタリアのDF陣に対しても恐れずに向かっていく。試合後には胸元にできた痛々しい引っ掻き傷を見せてくれたが、激しい攻防に怯まなかった何よりの証拠だろう。

 思い返せば、チーム発足後初の海外遠征となる3月のドバイカップでは決定機を何度も外し、無得点に終わって帰国の途に着いた。6月のAFC U23アジアカップからは右サイドでの出場が増えたが、同大会で決めたゴールは3位決定戦のみ。決定力の向上はなかなか解決できなかった。

 クラブでは最前線で起用されるが、今回の欧州遠征でも与えられたポジションは右サイド。「サイドのポジションにチャレンジする形になったんですけど、決して悪い方向には向かない」と言いつつも、内心はストライカーでプレーしたい気持ちが当然ある。だからこそ、本職ではない位置で起用されても、ゴールを狙う姿勢は絶やさなかった。実際にスイス戦も右サイドから果敢にフィニッシュに持ち込んだ。多少、強引な形であっても貪欲に狙い、“絶対に俺が決める”という強い意志を忘れない。イタリア戦の前日も「FWはゴールを決めてなんぼ」と言い切った言葉からも、それがひしひしと伝わってきた。

 今は右サイドでの起用が続くが、結果を出し続ければ、大岩剛監督も無視はできない。いずれFWで起用される機会が訪れる日を信じ、藤尾はゴールだけを見てボールを蹴り続ける。

取材・文=松尾祐希

[写真]=佐藤博之

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

SOCCERKING VIDEO