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2022年のフットサル日本代表が始動! 13日間で大会を想定したシミュレーション実施

初日のトレーニングに臨んだ樋口(中央)と齋藤 [写真]=SHOKO

 2022年のフットサル日本代表が、1月18日に始動した。今回招集されたメンバーは17名。清水寛治(シュライカー大阪)、東出脩椰(バルドラール浦安)、原田快(ペスカドーラ町田)に加え、追加で招集を受けた山田凱斗(バサジィ大分)の4名が初招集となった。

 本来は海外遠征を想定していたが、昨今の社会情勢を鑑み国内合宿への変更を余儀なくされた。13日間の合宿期間中には3度、Fリーグ所属クラブとのトレーニングマッチが予定されている。木暮賢一郎監督は初日のトレーニング前にオンライン取材に応じ、今回の合宿の狙いやメンバー選考についての考えを語った。

―――今回の合宿の狙いは?

まず前提として、ヨーロッパに遠征し国際親善試合を3試合から5試合行う予定でいました。国際試合を行いながらチームを作っていくという活動コンセプトを掲げ、そのコンセプトに沿った狙いを持っていました。ただ、こういった状況なので海外に行けなくなった時のリプランとして、コンセプトは変えずにゲームを通してチームを作っていく、ゲームありきでの活動を行いたいと逆算した結果、この時間軸になりました。ゲームも1試合だけ行うのではなく、大会をシミュレーションしたいと思っています。

シミュレーションにも2つあり、大会に向けた準備とプランニングにおけるサイクルに選手が慣れていくこと。そして、実際のゲームのシミュレーションです。今回対戦する3チーム(湘南ベルマーレ、Y.S.C.C.横浜、浦安)は、我々が直近で戦うアジアのチームの特徴に似ているチームを想定し、各クラブに協力していただく形で成り立っています。この場を通じて、Fリーグや各クラブに感謝を伝えたいと思います。対戦相手としては、外国籍選手がいることやフィジカル的なフィットネスの強度、サイズが大きいチームが必要な要件でした。3チームはそれぞれ特徴は違いますが、外国籍選手の所属やフィジカルの優位性は、例えば中国のような国に近いことを考慮して選定したものです。そういった狙いがあります。

―――Fリーグで好調の清水、原田、東出が初招集となりました。3選手の評価や選んだ理由を教えてください。

まず、我々が持つ代表選手の選考基準として、「しっかりとリーグで結果を出していること」。また、「同等の力であれば若い選手を積極的に招集する」というものがあります。3選手はそういった基準満たしています。当然、シーズン当初からW杯前までの時期に注目を浴びたり、対戦相手が警戒したりするようなパフォーマンスを出していたわけではありません。ただ、中断期間が長かったことでしっかりとトレーニングをする時間があり、ワールドカップに出場する選手が抜けたことで出場機会を得るなど様々な要因で、中断明け以降、特に私が代表監督になってからは3人ともゴールランキング入りやプレータイムの増加など目に見える結果を出しています。

東出であればシーズン13得点と、ラスト10試合のところから違いを見せました。清水は昨シーズンから所属はしていたものの、中断明けから得点もプレータイムも伸びてきています。原田はU-20の合宿にも飛び級で呼び、フル代表を兼任する代表スタッフが直接指導をしています。クラブでもパワープレーという本来であれば経験のある選手が任されるような時間帯においてプレータイムを獲得し、なおかつゲームを作る一番後ろの立ち位置でプレーをしているということは評価に値します。公式戦がないから試すために呼ぶ、意図的に育成や世代交代を狙う、という意味合いではなく、純粋に今の合宿において招集に値するという認識です。

―――原田のように17歳でフル代表に絡む選手が出てきてたことは、高校、大学までサッカーをプレーしてからの転向ではありえなかったと思いますが、どのように評価していますか?

それはまさしく、日本のフットサル界が正しい道を歩んできた歴史の積み重ねです。各クラブや代表チームが育成に力を注ぎ始めたり、指導者養成の中で優れた指導者が増え、そういった方たちが育成年代から指導をしたり、街クラブがいち早くフットサル専門のクラブになったり、サッカークラブであってもフットサルを活用したり。様々な方たちの努力においてそういった選手が現れるということは、日本のフットサル界、またフットボール界全体においても意義のあることだと思います。ようやく日本のフットサルもそういった時代に突入しているんだ、と。育成にも関わっている自分の立場からも、いいニュースが発信できたと思います。

―――前回ピヴォとして招集した樋口岳志(ボルクバレット北九州)を、今回フィクソとして招集した意図は?

前回の招集の時から、彼自身がクラブで負傷している選手に代わり、フィクソとしてのプレータイムが増えていると認識していました。ですが、前回はピヴォとして評価し、その評価の元で見ていました。ただ、日本の若い年代のフィクソは意図的に育てていく必要を感じています。各クラブのフィクソの力量がどうこうではなく、世界と戦いW杯でベスト8以上に進出するという目標においては、攻撃も守備もでき、世界のピヴォに対抗できるサイズを持つフィクソが必要です。私が現役だった時代から感じていたことですが、足元の技術があり、守備ができ、サイズがある選手はサッカーでも出てくることが難しいポジションです。今は、サッカーではたくさん出てきている印象ですが、骨格を含めて見つけることが大変なポジションなので、前回招集した高橋響(YS横浜)のようにポテンシャルを備えている選手には、常に注目しています。

樋口は前回も、フィクソとしての可能性を感じていました。フィクソとしてまったくプレーをしたことがない選手をコンバートするという発想ではなく、理由はどうであれフィクソとしてプレーをする機会があったことで可能性を感じた、と。そして、流動的にポジションチェンジをする中で、フィクソから前に上がってピヴォとしてプレーができるということが、ゲームを構成する上でのオプションになる可能性があります。同じフィクソの齋藤日向(大阪)であれば、アラとしてもプレーができ樋口とはまた違ったタイプ。倉科亮佑(町田)や追加招集の山田凱斗もどちらかというと齋藤のようなタイプなので、樋口を異なるタイプのフィクソとして呼んで、実際にどこまでできるか、というところです。

―――色々な選手を呼ぶ時期だと思いますが、前回招集され、今回は呼ばれていない選手に対しての評価はどうですか?

3つあります。Fリーグの試合が延期になったこともあり、フットサル界全体でスケジュールの調整が難しかった、という背景がひとつ。2つ目は前回のキャンプで選手たちにも伝えていますが、我々日本代表はトレーニングのパフォーマンスを評価して継続して呼び続けるわけではなく、「自クラブでパフォーマンスを出している選手を呼んで、呼ばれた選手はゲームにおいてのパフォーマンスでチームを作っていく」という考え方を持っています。前回のキャンプで何を評価したかといえば、最終日の紅白戦です。選手たちには「これは紅白戦ではない。この時間軸で相手がブラジルであろうと、スペインであろうと、イランであろうと戦い、当然勝利を目指す」、「個人として代表に残っていくためにはパフォーマンスを発揮しないといけない」ということを伝えています。前回の紅白戦はスコアが6-2だった、という事実も含めての評価しました。

3つ目に、前回に続き呼ばれた選手たちは、代表活動の後で自クラブにおいてパフォーマンスを上げてくれています。それはまさしく全選手に対する「チャンスは自クラブでのリーグ戦やカップ戦のパフォーマンスに懸かっている」というメッセージです。そして、呼ばれた先での指標はゲームにおけるパフォーマンスなので、いいパフォーマンスをすれば当然、次回も呼ばれる可能性が増します。パフォーマンスが悪ければ次回は呼ばれないかもしれませんが、代表がどういうものであるかしっかりと理解していれば、また呼ばれるために努力をしクラブで活躍する、と。複数回呼ばれていても、クラブでのパフォーマンスが低下したり、プレータイムが少なくなったり、代表におけるゲームで効果的なプレーが少なくなったりすれば、安泰ではありません。全選手に対し約束されたものはなく、関係のない世界でもない、ということです。

―――木暮監督は若い選手が育ってきた環境について、「日本の指導者が種を撒いてきた成果」と話されていました。指導者についても、高橋健介氏や馬場源徳氏のように海外での指導経験がある方や、前回のU-20合宿での佐藤亮氏、豊島明氏のような日本代表で活躍された方がコーチ陣に入ってきいますが、どのように捉えていますか?

個人的な意見であり、これが正しいということではありませんが、あるべき一つの姿だと思っています。フットサル日本代表を経験したり、代表の重みやアイデンティティを理解していたりしている人たちが、引退した後に指導者の道を歩み、自分の置かれている仕事でしっかりと成果を出して評価され、代表活動に加わる。必ずしも代表選手を経験していなくても、指導者として国内外で結果を出している方もいます。U-20のキャンプでの佐藤亮さん、豊島明さんは常に帯同するわけではなく一時的なスタッフではありましたが、初めてJFA夢フィールドに来てくれて、ロッカールームに飾ってある写真などを見て間違いなく目は潤んでいました。彼らも(フットサル界に)何もなかった時からプレーしていたことなどが蘇ったと思いますし、そういった光景を見て僕もうれしかったです。

フットサルに対する強い思いがある人が力を貸してくれているということは、プラスの面しかありません。今シーズンも多くの選手が引退しますが、自分もそうだったように引退した後もフットサルに関わって育成やトップ、女子など色々なカテゴリで努力をして成果を出す方が増えてほしいと思います。例えばバルドラール浦安が代表活動に協力してくれるのは、小宮山友祐監督の代表に対する思いがあるからだと思います。そういう指導者が増えているということは、我々代表チームにとって大きな味方ですし、リーグの競争力が上がり、いい選手が出てくること、代表に一人でも多くの選手を送り込みたいと思ってくれることは大きな力になります。また、そういった方を見て指導者を志すようなサイクルが生まれてほしいと思いますね。一つのあるべき姿として、今の状況を非常に誇らしく思います。

今回の招集メンバーは以下のとおり

GK
矢澤大夢/バサジィ大分
高見政顕/シュライカー大阪

FP
クレパウジ・ヴィニシウス/ペスカドーラ町田(ALA)
加藤未渚実/シュライカー大阪(ALA)
吉田圭吾/バサジィ大分(ALA)
樋口岳志/ボルクバレット北九州(FIXO)
齋藤日向/シュライカー大阪(FIXO)
清水寛治/シュライカー大阪(ALA/PIVO)◎
堤優太/Y.S.C.C.横浜(ALA)
本石猛裕/ペスカドーラ町田(PIVO)
山田凱斗/バサジィ大分(ALA/FIXO)◎
東出脩椰/バルドラール浦安(ALA)◎
毛利元亮/ペスカドーラ町田(PIVO)
甲斐稜人/ペスカドーラ町田(ALA)
倉科亮佑/ペスカドーラ町田(FIXO)
金澤空/立川・府中アスレティックFC(ALA)
原田快/ペスカドーラ町田(ALA)◎

◎=初招集

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