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最終予選メンバー入りをかけて…地元・関西3試合で勝負に挑む古橋亨梧

タジキスタン戦での活躍に期待がかかる古橋亨梧 [写真]=Getty Images

 5月24日からスタートした日本代表活動も後半戦に突入。日本代表は28日のミャンマー戦(千葉)で2022年カタールワールドカップ(W杯)2次予選突破を決め、3日のU-24日本代表との“兄弟対決”(札幌)を経て、7日のタジキスタン戦(吹田)に挑むことになる。

 6月に残された試合は3つ。会場はいずれも関西だ。最大の難敵は11日のセルビア(神戸)で、指揮官はそこに現有戦力のベスト布陣をぶつけると見られる。そのため、タジキスタン戦では代表経験の少ない面々がピッチに立つことになりそうだ。

 攻撃陣を見ると、今シリーズのキャプテンである大迫勇也が左足付け根の違和感で欠場が決定的。伊東純也、鎌田大地、南野拓実の2列目トリオも揃って控えに回る可能性もある。となれば、スタメンに陣取るのはU-24日本代表戦で後半から登場した国内組がメイン。今季J1リーグで9ゴールを挙げている快足FW古橋享梧もおそらく頭からピッチに立つだろう。

 奇しくも彼が2019年11月のベネズエラ戦で代表デビューを飾ったのも吹田だった。この時は前半だけで4失点を食らう惨敗。後半から登場した古橋自身も決定機を逃すという悔しい思いをした。

 あれから1年半が経過し、小柄な快足FWは着実にスケールアップ。今年3月の日韓戦(日産)、モンゴル戦(千葉)、先日の兄弟対決と試合を重ね、ここまで国際Aマッチ3試合2ゴールをという数字を残すに至った。

 しかし、ここまではすべて途中出場。今回、吹田で初スタメンを飾ることができれば、代表定着のきっかけをつかめる可能性が少なくない。

「前回のU-24との試合も45分出ましたけど、もっともっとできると思う。1対1を仕掛けたシーンでパスを選択してしまったところがありましたけど、自分のシュートで終わってもよかった。もう少しエゴを出せたと思います」と今のところは本人も本来の鋭さを出しきれていないと感じているだけに、ここで一皮も二皮も剥けるべき。そのうえで、ゴールという結果を積み重ねること。それしか彼が生き残る術はない。

 実際、古橋は明確な数字を残すことでここまで這い上がってきた選手だ。大阪・興国高校時代はプロから注目されることもなく、中央大学へ進学。4年時には複数のJリーグクラブの練習に参加したが、オファーが届かず、サッカーをやめようとした時期もあったという。

 結局、2017年に入団したのは当時J2のFC岐阜。そこで出会った恩師・大木武監督(現熊本)に矢のようなスピードと推進力、非凡な得点感覚を認められ、ゴールを量産し始めたことで潮目がガラリと変わった。翌2018年夏にヴィッセル神戸に引き抜かれ、同じタイミングで加わったアンドレス・イニエスタに薫陶を受ける形になった。

 いい波に乗った古橋は、プロ2年目にJ2・11得点とJ1・5得点の合計16ゴールをマーク。2019年は10点、2020年も12点と2年連続2ケタ得点を奪うまでに飛躍した。そして今季もまだシーズン前半ながら9得点。5月1日のサンフレッチェ広島戦の2発を奪った後、5試合ノーゴールとトンネルに入り込み地元メディアから不安視されているが、「チャンスは作れているのでちょっとしたところ」と本人は決してブレることはない。

 むしろ、ここから代表戦3試合で得点できれば、その後はケチャップのようにドバドバと取れる可能性もゼロではない。国内組という立場で代表定着を目論んでいる以上、突き抜けたゴール数を記録しなければ、最終予選、カタールW杯出場という成功ロードを歩めないという自覚が彼にはある。だからこそ、タジキスタン戦を大事にしなければならないのだ。

「W杯に行こうと思うなら、与えられた時間を大切にしないといけない。短い時間かもしれないけど、その中で1回のチャンスは絶対に来る。そのチャンスを決め切るようにしたいです。代表ではヴィッセルと違ってまだまだ周りに要求できていないので、もっと貪欲にやり続けたいと思います」

 どちらかというと人見知りで、自分から代表の輪に入っていくのを苦手とするタイプの古橋。だが、今回の活動では国際Aマッチ124試合の重鎮・長友佑都に自ら歩み寄って個人練習をお願いしたり、同郷の同い年である南野拓実や室屋成の海外経験を聞くなど、彼なりにアクションを起こしている。こうしたピッチ内外の前向きな行動は必ずプラスに働くだろう。

 タジキスタン戦ではU-24戦と同じトップ下に入るのか、日韓戦の時のようにアウトサイドに入るのか全く予想がつかない。場合によっては大迫不在の最前線に陣取ることもあり得る。6日に同じ国内組のオナイウ阿道が追加招集されたものの、彼がいきなり起用されるとは考えにくい。となれば、古橋のトップ出場というのも大いに考えられるのだ。

「僕は前のポジションはどこでもできるので、その中でゴールに向かっていく抜け出しをしたり、ゴールに向かうドリブルをしたりできる。ゴールを意識したプレーをすれば相手も嫌がる。それをもっとやっていきたいです」

 ピッチ上では雄弁なスピードスターは神出鬼没な動きでタジキスタン守備陣を攪乱してくれるはず。そのうえで、ミャンマー戦で5得点を叩き出した大迫のように複数ゴールを奪えれば、本当に数字でのし上がる道を切り開けるのではないか。

 実際、日本代表50ゴールを挙げている岡崎慎司も泥臭く格下相手に得点を重ねて、プレミアリーグ制覇まで上り詰めた。古橋も高い領域を目指して、圧倒的なスピードで突き進んでほしいものである。

文=元川悦子

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