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日韓戦で存在感を見せつけた守田英正…初のW杯予選・モンゴル戦は定位置確保への第一歩に

2021.03.30

韓国戦で存在感を発揮した守田英正 [写真]=Getty Images

「高いレベルで1試合通してプレーできたのがすごく自信になりましたし、何より3-0で結果を出せたのが本当によかった。個人的には強度の高さを求めて海外に行ったけど、この2カ月で球際とかセカンドボールを拾うこと、インテンシティの高さっていう部分に触れながらサッカーをしていたので、そこで違いを見せたかったんです」

 守田英正にとって2019年6月のトリニダード・トバゴ戦以来、1年9カ月ぶりの国際Aマッチとなった25日の日韓戦。遠藤航とボランチコンビを組んだ彼はポルトガル移籍わずか2カ月で劇的な進化を見せつけた。

 序盤からブンデスリーガ・デュエル王の相棒と絶妙な距離感で攻撃の芽を摘み、巧みにゲームを作る。サポートの位置も角度も関係性も素晴らしく、韓国を戦意喪失させるのに十分な圧をかけていた。

 一方、攻撃面でも強気の縦パスを何本か前線に供給した。

「自分としてはもう少し出せたかなと。トップ下の(鎌田)大地がもっと欲しがってたし、練習でも『出してくれていいですよ』と言っていたから。僕の感覚的には出した後まで考えてしまって出さなかったりしていたけど、彼らはアイデアを持ってるし、もう少し本数を増やしていきたい」と本人は手応え以上に物足りなさを感じたというが、それも強い向上心の表れに違いない。

 加えて言うと、ゴールへの貪欲さも色濃く押し出した。最たるものが、39分のミドルシュート。惜しくも枠を捉えることはなかったが、「ボランチだからって点を取らなくていいわけじゃない」と言い切る覚悟をピッチ上で力強く示していたのだ。

「海外に移籍してから得点へのこだわりはすごく増えましたし、数字がすごく大事だなっていうのは今、強く思うので。試合の最後の最後に航君がヘディングで決めたように、点を取るのと取らないで終わるのとでは全然話が違う」と一歩先を行く遠藤というパートナーを羨望の眼差しで見つめていた。

 リスペクトを受ける側の背番号6も「守田がもともといい選手なのはわかっていましたし、守備でつぶせてボールを動かせるところは似ている」とやりやすさを感じた様子。2人の新コンビ結成は、ボランチの選手層の薄さが懸念されていた森保ジャパンにとって大きな光明と言っていい。

「代表のスタッフとも話したんですけど、『この数カ月でこんなに変わるんだね』と。守田自身も海外で自信をつかんでいるのはあると思います」とJリーグの先輩・稲垣祥にこう言わしめるほどの急成長を示した25歳のMF。だが、本当の勝負はここから。というのも、代表キャップ4試合の彼は今日30日の2022 FIFAワールドカップ カタール・アジア2次予選・モンゴル戦が初めての公式戦になるからだ。

「『勝って当たり前』と思われてる試合とか『絶対に逃せない』『勝たなくちゃいけない試合』の重圧や本当に国を背負って戦う局面に僕はまだ巡り合っていない」と本人も経験の少なさを認めている。その部分では今回、選外になった柴崎岳に大きく劣っている部分だ。2018年ロシアW杯ベスト16入りの原動力となった彼に追いつき、追い越すためにも、国際経験値を高め、攻撃面をブラッシュアップさせていくことが、森保ジャパンにおける鉄板ボランチという地位確立への最重要テーマと言っていい。

「岳君は長年、日本代表を支えてきた選手ですし、僕にはないもの、本当に光るものがある。攻撃センスだったり、1本で刺すようなパスとかキックの精度という部分は正直、僕にはまだまだ足りていない。そこで勝負しても勝てないなと感じますけど、守備の部分だったら僕は負けてない。そこを生かしつつ、僕が岳君を超えていくために、攻撃の部分でもっと光るものや特長を作っていかなければいけないかなと思います」と守田は自分がやるべきことを明確に見据えている。

 自陣で守備を固めるであろうモンゴルという相手は、自身の攻撃力を発揮する絶好の相手と言えるかもしれない。敵のブロックをこじ開けるには、中盤でリズムを作り、パスを散らして左右に揺さぶりをかけることが第一だ。そのうえで、小さなスペースに鋭いタテパスを打ち込んだり、ミドルシュートを放ったりしなけれないけない。韓国戦で34分に相手のリスタートを読み、ボールを奪ってカウンターにつなげる形があったが、そういった守から攻へのスイッチ役になることも得点に近づいていくポイントになる。

 いずれにしても、チームを勝たせる決定的な仕事を示し、それを公式戦で積み重ねていくことで、いつか柴崎の牙城を崩せる時が来るかもしれない。その日を信じて地道にコツコツと前進していくこと。それが守田らしい代表キャリアの積み重ね方ではないか。

「2次予選、最終予選、本大会とステージが上がるにつれて、どんどん重圧は増えていくと思いますけど、それに伴ってワクワク感も強くなる。僕個人はプレッシャーを楽しめるタイプだと思うので、すごく楽しみです」

 不敵な笑みを浮かべる男は意外と強心臓なのかもしれない。川崎の偉大な先輩・中村憲剛と大島僚太もつかめなかったW杯での主力の座を1年8カ月後の守田は手にしているのか。果たして成功ロードを歩めるのか――。後輩・田中碧や板倉滉らも凄まじい勢いで追ってきているだけに、今が正念場なのは間違いない。

 まずは今回のモンゴル戦。その一挙手一投足をしっかりと見極めたい。

文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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