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長友は準優勝をどう捉えた?…「大きな価値」と「W杯に出られないかも」の真意

2019.02.02

日本はアジアカップ優勝を逃した [写真]=Getty Images

 優勝以外は失敗――。大会期間中、日本代表の選手たちは揃ってそう口にしていた。結果は準優勝。それでも、キャリアのなかで様々な敗戦を経験してきた長友佑都は「今後のサッカー人生を考えたとき、この悔しさが原動力になる。大きな価値になったと思います」と前向きに捉えている。

 2大会ぶりの優勝を目指して決勝に臨んだ日本はカタールに1-3で敗れ、王座奪還を逃した。長友は、前半に奪われた先制ゴールのオーバーヘッドと2点目のミドルシュートは「スーパーだった」と認めつつ、「防ぎようはあった」と感じている。

「明らかに抑えられる失点だったと思います。それは最終的な部分だけじゃなくて、その前のチームとしての連動するプレスもハマっていなかったし、危ないところにボールを入れられていたので。シュートは褒めなければいけないですけど、シュートまでの過程は自分たちで見ないといけないですね」

 それでも長友がこの敗戦をポジティブに受け入れるのには2つの理由がある。まず1つ目は、大会を通じて若手選手が成長したこと。

「負ければ終わりというプレッシャーの中で経験を積んでくれたことは、本当に大きな収穫だったと思いますね。親善試合で負けても、もちろん悔しいですけど、重みが違いますよね。特に決勝トーナメントに入って負けたら終わりの試合っていうのは。その中で彼らが堂々とプレーしてくれたのは、自分自身も嬉しかったし、これから日本サッカーのレベルを上げてくれるなって確信しました」

 そしてもう1つの理由は、この悔しさが原動力になるということを知っているからだ。

「僕は(北京)オリンピックのときもそうだし、ブラジル(ワールドカップ)のときもそうだし、(悔しさが)ここまで来る原動力になっていたので。これをまたエネルギーにできるなと、自分自身はポジティブに捉えています。優勝していたら、本当の意味での強いエネルギーが湧いてきたかっていうと、そうじゃなかったと思う。非常に悔しいので、まずはトルコに帰ってやるしかない。この気持にさせてもらっているので、そういう部分はポジティブだなと思います」

 ただ、同時に危機感を覚えているのも事実だ。今大会すべての試合で苦戦を強いられたとおり、アジアのレベルは拮抗してきている。今回はアジア杯で準優勝という成績を収めたが、長友は「正直、ワールドカップに出られるかわからない」と感じている。

「今まで韓国やオーストラリア、サウジアラビアが出ていて、日本は出て当たり前だとみなさんも思っていただろうし、選手自身も思っていたと思うんですけど、これでカタールが出てきて、UAEもいますし、イラン、イラクもいる。これまでと同じように4チームしかいけないっていう状況だと、わからないですよね。日本がワールドカップにいけないっていうことも考えておかないと、それぐらいの危機感がありますよ」

 そこで必要になるのがアウェイでの親善試合だと長友は言う。「ホームでの親善試合は相手が明らかに手を抜いている。特に強豪はね。そこで勝ったとしてもなんの意味も持たないんじゃないかなと思いますね」。幸いなことに、今年は6月にコパ・アメリカへの参加が決まっている。アジア杯で感じた悔しさを原動力に、ブラジルの地で躍動する日本代表に期待したい。

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