2018.09.05

【注目選手】初招集の天野純、存在感を増す技巧派MFはつかみどころがない!?

天野純
追加招集された天野。得意のFKはこのチームでも武器になるはずだ [写真]=兼村竜介
サッカー総合情報サイト

 一見すると爽やかで穏やか。チーム状況が厳しい時でもきちんと記者の声掛けに立ち止まり、どんな質問に対しても嫌な顔一つせずに一つひとつ丁寧に答えてくれる。顔見知りの記者であろうがなかろうが、そこは関係ない。大卒出身選手に多いタイプの好青年だ。

 しかし、天野純はそれだけではない。よくよく観察してみると、「あれれ?」と思える瞬間を目にすることができる。

 例えばロケ取材で外出すると、取材そっちのけで自由に動き回る。こちらには「段取り」というものがあり、ある程度その段取りに沿って動いてもらわなけば困ることもあるのだが、なぜか彼にはそれが当てはまらない。目を離した隙に視界から消え、「あれ? アマジュンどこに行った?」ということは、もはや日常だ。

 実に、つかみどころのない男である。何を考えているのか分からないし、いい意味でいい加減。発する言葉も、どこからが本音で、どこまでがリップサービスなのか、判断に困る。仲間たちは「典型的なB型」と評するが、そんな彼に周囲の大人たちは振り回されるのだ。しかし、なぜか嫌な気がしない。むしろ心地良いから不思議だ。

 小学生の頃からユースまでを、所属する横浜F・マリノスの育成組織で過ごした。ユース時代には味方をも欺く意表を突いたパスで多くのチャンスを演出。「おお!」という驚きの声はスタンドからだけでなく、ピッチ内でも「え?」と形を変えて発せられたという。「小学生の頃から一緒にサッカーをやっているけど、いまだにあいつのプレーが読めない(笑)」とは当時のチームメートの話だ。

 天野はジュニアユース追浜とユース時代に2度の優勝を経験した(2006年全日本クラブジュニアユースサッカー選手権大会、2009年高円宮杯全日本ユースU-18サッカー選手権大会)、近年で言えば最も強かったチームの一員。外から見る限り、トップ昇格に最も近かったのは天野だったが、その夢は叶わなかった。順天堂大学に進学し、5年ぶりにF・マリノスに戻ってくると、2016年の終盤にチャンスをつかんだ。天皇杯でのFKでブレイクし、いまやF・マリノスに欠かせない選手に成長。ついに日本代表に選出されるまでになった。

 追加招集だからと言って、何ひとつ引け目は感じていない。「これまでF・マリノスで積み上げきたことが認められたからこその招集だと思うので、自信を持って合宿に臨みたいと思います」。横浜FMにとっては2016年11月に齋藤学が選出されて以降、1年10カ月ぶりの日本代表選出。決して闘志剥き出しタイプではないが、セットプレーで魅せる繊細かつ豪快な左足のキックはもちろん、実は戦える男だ。今季は同じポジションでプレーする、マンチェスター・Cのダビド・シルバをお手本に「試合の組み立て方とポジショニングを参考にしている」と語る。その効果はすでに実証済みだ。

 ロケ取材を終えて感想を聞くと、決まって答えるのが「楽しかった!」の一言。「そうじゃなくて、例えば『こうこうこうで、こうだったから、楽しかった!』というふうに言ってもらえると助かります」と伝えると、「ああ、なるほど。じゃあ、それで。そう書いといて(笑)!」。そうやってまた、あの屈託のない笑顔に大人たちは振り回されるのだ。

 横浜から新たに放たれた刺客。そんな新戦力の“アマジュン”にアナタも振り回されてみてはいかがだろうか。きっと“トリコ”になること、間違いなしだ。

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