2017.11.02

日本代表の成長と進化に不可欠な「EAFF E-1サッカー選手権」…大会の歴史を振り返る

2013年大会で日本代表は初優勝を果たしている
スポーツライター。日本代表の国際Aマッチは、2000年3月からほぼ全試合を現地取材。

 日本代表の成長と進化に欠かせない大会──それがEAFF E-1サッカー選手権である。

 東アジアサッカー選手権の名称で開催された2003年の第1回決勝大会では、日本、韓国、中国、香港の4カ国が激突した。ホスト国を務めた日本は、2連勝で韓国との最終戦に臨む。対する韓国も中国と香港を退けており、勝者が第1回大会の王者となる。

 横浜国際総合競技場に6万2千人を超える観衆を集めた日韓対決は激しい消耗戦となり、スコアレスドローで終了のホイッスルを聞く。日本は韓国と勝点、得失点差で並びながら、総得点で優勝を逃したのだった。

 2年後の第2回大会は、韓国を舞台に熱戦が繰り広げられた。ジーコ監督のもとで優勝を狙う日本は、第1戦で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に苦杯をなめてしまう。6月に開催されたFIFAコンフェデレーションズカップドイツ2005後の大会だったこともあり、とりわけ精神的に疲労していたことが0対1の敗戦を招いた。

 ジーコは第2戦からメンバーを大幅に入れ替え、中国と2対2で引き分ける。最終戦では韓国に1対0で競り勝つが、中国の後塵を拝して2位でフィニッシュした。

 08年2月の第3回大会に、日本は岡田武史監督とともに臨んだ。北朝鮮との第1戦ではGK川島永嗣ら3選手が国際Aマッチデビューを飾り、1対1のドローに終わる。第2戦では中国に1対0で競り勝つ。

 ともに1勝1分けで迎えた韓国との第3戦に、日本は初優勝を賭けて必勝態勢で挑む。しかし結果は1対1の痛み分けとなり、またも頂点に立つことはできなかった。

 日本が2度目のホスト国となった10年大会では、厳しい現実を突きつけられる。中国との第1戦を0対0で引き分け、香港を3対0で退けた日本は、韓国との第3戦で1対3の敗退を喫してしまうのだ。

 センターバックの田中マルクス闘莉王が41分に退場となり、数的不利に立たされたことが響いたのは間違いない。FIFAの国際Aマッチデイとは異なるカレンダーで開催される今大会は、各国ともに国内リーグでプレーする選手を中心にチームを編成する。結果に対する受け止め方は様々だったが、だからといって勝敗の価値が揺らぐことはない。プライドを賭けた大会だけに、岡田監督の日本は厳しい評価を受けることになった。

 優勝に執念を燃やす日本の思いが、結果に結びついたのは13年大会だ。東アジアカップに名称を変え、AFC(アジアサッカー連盟)へ転籍したオーストラリアが初めて出場した大会で、日本は東アジアの頂点に立つのである。

 アルベルト・ザッケローニ監督のもとに集った選手たちは、これまで日本代表でプレーしたことのない選手が多数を占めていた。それでも、中国との初戦を3対3で引き分けて勝ち点1をつかみ、オーストラリアとの第2戦は3対2で競り勝つ。

 ホーム韓国との第3戦は、柿谷曜一朗のゴールで日本が先制する。韓国に追いつかれて終盤を迎えるが、90+1分に柿谷が左足でネットを揺らし、ライバルを2対1で振り切る。日本はついに優勝を飾るとともに、通算3得点の柿谷が得点王に、ボランチで奮闘した山口蛍が大会MVPに選ばれた。

 連覇を狙った15年大会は、2分1敗で最下位に終わった。

 大会直前までJリーグを戦い、十分な準備期間を確保できないなかで、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は国際経験の少ない選手を積極的に起用していった。北朝鮮との第1戦で遠藤航、武藤雄樹、浅野拓磨、韓国との第2戦で倉田秋、中国との第3戦では東口順昭らが、日本代表としての第一歩を記した。チームの底上げにつながる大会となった一方で、東アジアでの角逐が簡単ではない現実を再確認することとなった。

 第7回大会はEAFF E-1サッカー選手権に名称を改め、12月9日から16日にかけて日本で開催される。ハリルホジッチ監督は「しっかり準備をしてすべての試合に勝利したい」と強い意気込みを示す。

 日本のメンバーはこれまでと同じように、Jリーグでプレーする選手を軸に編成される見込みだ。05年大会に出場した巻誠一郎、13年大会で優勝に貢献した柿谷、大迫勇也、森重真人らは、その後の代表チームで存在感を発揮していった。代表の定位置争いに食い込んでいくような選手が、今回も出現するかもしれない。

 何よりも、タイトルのかかった大会である。しかも、自国開催だ。情熱とパワーのすべて注いで、日本は覇権奪回を期す。

文=戸塚啓

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