バックアップメンバーとして合宿に参加している宇佐美貴史 [写真]=野口岳彦
日本代表は6月1日、千葉県内で合宿5日目を迎えた。
バックアップメンバーとして参加しているFW宇佐美貴史は「クラブで出てないから、代えづらさはあると思うし、選びづらさもあると思う」と自身の状況を冷静に話したが、「クラブで試合に出ていれば間違いなくこの場所には来られる。それくらい信頼されていることもすごく伝わっている」と本メンバーではないもどかしさを明かした。「だからまずクラブで出ないとね」。
宇佐美は昨夏にアウクスブルクに移籍し、ブンデスリーガに4年ぶりの復帰を果たした。だが、今シーズンはリーグ戦11試合に出場し、先発は5試合、フル出場は1試合で、得点とアシストもゼロで終わった。チームも10位以下を推移し、残留争いに巻き込まれていた。
「チームとしてもすごいバタバタしていた。だから、もちろんスタメンも定まらないですし、サッカーももちろん定まらない。少し手応えがあったりすると正解じゃなくてもそれを続けようとして、またボコボコにされるとまた変えてっていう。戦い方も定まってなかった」
チームが迷走する中で、自身も本来の力を発揮することはできなかった。「ただでさえ、守備的な戦いをするチームだと僕はなかなか難しいし、そういう中で基盤自体もどんどん崩れてしまうと、僕個人的なスタイルとやり方ではやっぱり苦労する」。
それでも、ドイツでの戦いに適応していくなかで成長を実感している。「調子は別に下がってないですよ。試合に出てないといろいろ思われたり、言われたりしますけど、個人的な調子や技術レベルは全く下がっていない。むしろ、それを引き出していくために地盤となる走力やフィジカル的な部分は上がっている」と話した。
来シーズンはすでに新たな挑戦が待っている。サイドから「10番のポジション」に変更する可能性について「監督、GM(ゼネラルマネージャー)、スカウト部長と4人で」話したという宇佐美は、「トップ下でボールを触れるところでもっとやって、もっと支配してほしい、チームの攻撃を支配するようなプレーをしてほしいとは言われている」と明かした。
「何も変化を求められないよりは、そうやって真ん中でボールを触るポジションでやってほしいって要求された方がまだいい」と前向きに語り、「来季どういう戦い方になるか、どういうシーズンになるか分からないですけど、余裕をもって真ん中より上くらいでシーズン通して戦うことができれば、全く違うシーズンになると思う」と新たな戦いに意気込んだ。
By サッカーキング編集部
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