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五輪代表が本大会に向けて合宿開始…手倉森監督、勝負のカギは「気力と体力」

2016.07.19

手倉森ジャパンがリオ五輪に向けて、国内最後の合宿をスタートさせた [写真]=野口岳彦

 リオデジャネイロ・オリンピック日本代表チームが19日、千葉県内で本大会に向けた合宿を開始。手倉森誠監督は「いよいよ始まった感じ」と8月に開幕する五輪に向けて思いを馳せた。

 この日のチーム練習に参加したのは、わずか10人。ヨーロッパでプレーする南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)、久保裕也(ヤングボーイズ/スイス)、20日まで明治安田生命J2リーグを戦ってからチーム合流する矢島慎也ファジアーノ岡山)、そしてプレミアリーグのアーセナル移籍に伴うメディカルチェックで渡英中の浅野拓磨サンフレッチェ広島)が不在。さらに黄熱病の予防接種を受けた中島翔哉室屋成(ともにFC東京)、岩波拓也ヴィッセル神戸)、井手口陽介ガンバ大阪)の4選手は全体練習に加わらず、井手口は37.8度の発熱で宿舎での静養を余儀なくされた。

 だが、7月1日のメンバー発表から初めて五輪代表選手が顔を会わせたこともあり、手倉森監督は充実の表情を浮かべた。「(五輪代表チームは)頭の中でしか描いていなかったし、まだ全員揃ったわけではないけれど、(オーバーエイジの)兄貴たちが3人来てくれたことで、(選手たちに)『いよいよオリンピックチームだ』という話をしました。本当にこの集団の戦いが始まるんだという気持ちになってきた」と気持ちを引き締める。

 世界中が注目し、日本中が期待を寄せる五輪の舞台。その中で指揮官は選手たちにこう話をしたという。

「自分たちに掛けられている期待と注目を頭と胸に刻み込め。そして自分たちが成し遂げなければならない大きなものに対して共通理解と持って進んでいこうと。そのためには気力、体力が充実していなければいけない」

 気力と体力――。それが伴って初めて勝負になると手倉森監督は考えている。J1でプレーする選手は17日までリーグ3連戦を戦い抜いての合宿入り。これには指揮官も「体力は確実に消耗している」と理解を示しており、「今から始まるんだというスイッチを入れてくるかと思ったら、やはり3連戦で疲れていた」というコメントを残している。それでも早川直樹コンディショニングコーチとは「大会への入り方に関しては、ものすごくすり合わせして納得し合っているものがある」と話しており、大きな目標を達成するために気力と体力の充実を求め、あくまで8月4日(現地時間)に行われるナイジェリアとの初戦に向けて焦らずに調整を進める構えだ。そのために千葉県内で行う2日間の合宿では、回復に主眼を置いたトレーニングを実施するという。

 とはいえ、もちろんオーバーエイジの興梠慎三浦和レッズ)、藤春廣輝(G大阪)、塩谷司(広島)をどれだけ既存のチームに融合させるかは重要課題となる。ただし、手倉森監督のプライオリティはあくまでコンディショニングだ。「コンディションが整えば、融合のスピードは早まる」と話しつつ、Jリーグで何度も対戦している選手が多いことから「お互いの特徴を知り尽くしていることが、このチームのアドバンテージかなとも思う。(オーバーエイジ組には)これまで大会ごとにやってきた戦術ミーティングを1〜2回はしなければいけない。あとはピッチの中でやっていきながら」と早期融合へのイメージを説明した。

 五輪代表チームは千葉県内で2日間のトレーニングを積んだ後、21日に出国。UEFAチャンピオンズリーグの予備予選を戦っている久保を除く17選手がロンドンで集結し、決戦の地・ブラジルへと渡る。

文=青山知雄

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