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決断を控えたU-23手倉森監督…南ア戦後に「“託す人”と“託される人”に分かれる」

2016.06.28

公式会見に出席した手倉森監督。29日にリオ五輪前の国内最終戦に臨む

 リオデジャネイロ・オリンピック本大会に向けて国内最後の強化試合となるU-23南アフリカ代表との国際親善試合を翌日に控えた28日、U-23日本代表の手倉森誠監督が松本平広域公園球技場で行われた公式会見に出席。この試合がオーバーエイジを含まずU-23世代だけで戦う最後のゲームになることを受け、「この世代のこれまでとこれからを明日のピッチに注いで、アジアチャンピオンになるまでの成長、そしてインターナショナルに変わる可能性を発揮してほしい」と期待を口にした。

 7月1日のメンバー発表を前にした国内最後のテストマッチ。これまで78選手を招集してきた指揮官はチームの良さである団結力に触れ、南アフリカ戦後に迫られる“決断”に関して選手たちに話した内容を明らかにした。

「このチームの良さはまとまり。みんなの思いが結果になっていることを彼らはしっかり認識している。言葉にすると『選ばれる』、『落とされる』という表現になるけど、選手たちには『ここから“託す人”と“託される人”に分かれる』という話はした。この世代でなしうる目標に対しての志は同じ。たくさんの人の思いを背負って、より覚悟と責任感を強めて戦わなければいけない。彼らは自分のアピール以上にこの世代の強さをアピールしてくれるメンバーだし、だからこそ谷間の世代からアジアチャンピオンという結果を出してくれた。彼らにはそういうメンタルが育まれている。選手たちには『オリンピックがすべてではない。将来の日本サッカー界を担うようにやってほしいし、それができる集団だ』と話しました。『アピールは明日だけじゃない』という話もしました。日本に、この代表チームに自分がいるんだということを全員にピッチで表現してもらいたい」

 29日のU-23南アフリカ代表戦は、本大会で対戦する“仮想ナイジェリア”だ。手倉森監督は「名前は難しくて覚えられないが」と苦笑いしつつ、「身体能力を前面に押し出してくる突進型のチーム。ナイジェリアほどの細やかなテクニック、コンビネーションのスピードはないが、何をしてくるか分からない」と説明。「前線に9番の大きな選手がいて、2列目の選手には彼を追い越していくスピードがある。ボールを持ったらゴールに向かってやりきる姿勢がものすごくある」と分析した。

 では、その相手に対して、選手たちにどう臨ませるのか。

「(明日は)最後まで走りきって翻弄しなければいけないと思っているし、ゴールを取って勝たなければナイジェリア戦は難しくなる。それくらいのハッパを掛けてやりたい。相手は蹴って走るというダイナミックさを出してくると思うが、それをさせないくらいの覚悟でやらなければ」

 チーム一丸となって2月にU-23アジア選手権を制し、ついに本大会まで残り1カ月強という時期まで来た。この試合から2日後の7月1日、いよいよリオ行きの18人が発表される。「U-23だけで戦う最後の試合。いろいろな思いがある。(選手たちには)その心意気を示してほしいし、それをみんなでリオへ運んでいければ。明日の試合ではこれまでの成長とこれからの可能性を存分に示してもらいたい」とした指揮官の言葉に、これまでの歩みへの思いと選手たちへの大きな期待が感じられた。

 U-23世代にとって一つの“集大成”となる南アフリカ代表戦は、29日(水)19時半にアルウィンでキックオフを迎える。手倉森監督は「自信を持ってオリンピックへ行くためには絶対に結果を出さなければいけない。危機感を持って行くことになるかもしれないけど、できれば自信を持ってブラジルへ渡りたい」と話し、いつもどおりの笑顔で会見を締めくくった。

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