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ボスニアは仮想オーストラリア…吉田を中心に199センチの相手FWを抑えられるか

2016.06.05

相手FWジュリッチを抑えることが求められる吉田麻也 [写真]=兼子愼一郎

「ボスニア戦ではおそらく空中戦がかなり厳しくなる。185センチ以上の選手は我々にはいないが、彼らには数多くいる。そこは大きな問題。空中戦にどう対応するかが決勝戦のポイントになってくる」

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が5日の公式会見で強調した通り、7日のキリンカップ決勝戦(吹田)の相手、ボスニア・ヘルツェゴヴィナは、ズラタン・イブラヒモヴィッチ(パリ・サンジェルマン)を彷彿させる199センチの大型FWミラン・ジュリッチ(チェゼーナ)を筆頭に長身選手がズラリと並ぶチーム。3日の初戦・デンマーク戦(豊田)に先発出場したイレブンのうち7人が185センチ超だった。その1人である右サイドバックのオグニェン・ヴラニェシュ(スポルティング・ヒホン)は退場し、今回出場停止となるが、代役で出てきたマテオ・スシッチ(シェリフ・ティラスポリ)も180センチと決して低くない。空中戦の競り合いでもリスタートの攻守でも日本は分が悪い。そこをどう克服すべきかを真剣に模索していく必要があるだろう。

ミラン・ジュリッチ

デンマーク戦で2得点を挙げた199センチのFWジュリッチ [写真]=兼子愼一郎

 日本が2連勝してキリンカップタイトルを手にする絶対条件と言えるのが、デンマーク相手に2ゴールを奪っているジュリッチへの対応だ。ボスニアは彼をターゲットにクロスやロングボールを入れてそのままゴールを狙うか、落としを10番のトップ下のハリス・メドゥニャニン(マッカビ・テル・アヴィヴ)が拾って二重攻撃に出るといったパターンが多い。いずれにせよ、ジュリッチ封じを徹底させることがまずは肝要と言える。

 今回もセンターバックに入ると見られる吉田麻也(サウサンプトン)と森重真人(FC東京)がマークを受け渡しながら大型FWを見ることになるだろうが、少しでもスキを与えたらヘディングで決められてしまう。「ゴール前の戦いで負けないのが一番だし、簡単にクロスを上げさせないことも大事になるかなと思います」と森重が言うように、1対1の競り合いでしっかりと体をつけて相手の自由を奪うことが先決だ。サイドバックに入ると予想される酒井高徳(ハンブルガーSV)と槙野智章(浦和レッズ)のコンビも、寄せを普段以上に激しくして、いいクロスを上げさせないように仕向けるべきだろう。

 守備陣を統率する吉田も「(高さの差を)解決できるかどうかはピッチに入ってみないと分かんないですけど、日本はフィジカル的に強いチームとの対戦だとつねに不利な状況になる。オーストラリアなんかもロングボールを入れてくるし、いいテストになると思うので、どう対応するかはこれから話してしっかりやっていきたい」と最終予選で対峙するオーストラリアを視野に入れながらボスニアと向き合うつもりだ。

 7ゴールを奪って圧勝したブルガリア戦(豊田)でも、不用意なパスミスや寄せの遅れなどから2失点を献上しているだけに、同じ轍を踏むことは許されない。「ブルガリア戦の2失点は簡単に分析するとデュエルで2回負けた。フィジカル的に準備できていない選手がいた。海外組も全員が先発を奪っているわけではないし、90分プレーできていない者はフィジカル的に十分な状態ではない」とハリルホジッチ監督も暗に吉田の問題点を指摘していただけに、彼としても奮起が求められるところだ。

遠藤航

ブルガリア戦に出場した遠藤航 [写真]=兼子愼一郎

「前回の2失点は個人的なミスから。90分通してああいうミスを減らしていかなきゃいけない。ビルドアップの途中でのミスが失点につながるのはよくないので、そこは改善しないといけない」と本人も強い危機感を吐露していた。ここで吉田が安定感を発揮できなければ、9月から始まる最終予選に向けて暗雲が漂いかねない。そこは彼自身もしっかりと自覚してピッチに立ってほしいものだ。

 空中戦の劣勢を想定すると、ハリルホジッチ監督はボランチにヘディング力の高い遠藤航(浦和)を起用するのではないか。攻撃の起点になれるパス出しと卓越した国際経験を考えると長谷部誠(フランクフルト)は外せないだけに、今回はフレッシュなコンビになる可能性が高い。「ブルガリア戦は自分のよさを出す意味で、『行こう、行こう』としすぎたところはあった。全部が全部行き過ぎて最後のところでパワーを出せない状況に陥った」と遠藤航も反省の弁を口にしていただけに、相手とのマッチアップでもメリハリを大事にしていく必要がある。

 こうした守備陣でボスニアを完封できれば、最終予選への安心材料が確実に増える。そういう収穫のある戦いを、守備陣のリーダー・吉田中心に見せてほしいものだ。

文=元川悦子

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