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主将・長谷部が合流で欧州組勢揃い…“世界基準”を知る長友は守備の重要性を強調

2016.05.28

28日にトレーニングを行った長友。練習後の取材では守備の重要性を主張した

 6月3日と7日のキリンカップ(豊田・吹田)に向け、24日から行われている日本代表欧州組強化合宿も早いもので5日目。28日も午前午後の2部練習が行われた。

 10時からの午前練習は、前日合流した本田圭佑(ミラン)、香川真司(ドルトムント)、浅野拓磨(サンフレッチェ広島)、その前に合流した岡崎慎司(レスター)と原口元気(ヘルタ・ベルリン)に加え、前日午後にオフを与えられた川島永嗣(ダンディー・ユナイテッド)、長友佑都インテル)、吉田麻也(サウサンプトン)、清武弘嗣、酒井宏樹(ともにハノーファー)、酒井高徳(ハンブルガーSV)とリハビリ中の山口蛍(ハノーファー)、内田篤人(シャルケ)、武藤嘉紀(マインツ)も戻ってきて、総勢14人でトレーニングがスタート。クロス&シュート、6対6などより実戦に近い内容が盛り込まれた。

 そして17時の午後練習からは長谷部誠フランクフルト)が合流。これで欧州組全員が揃った。5月19・23日に古巣・ニュルンベルクとのブンデスリーガ昇降格プレーオフを戦い、満身創痍のキャプテンだが「2日間のオフにMr.Childrenのライブに行ってパワーをもらいました」と笑顔を見せ、走りや4対2、ゴール前での2対2、体幹強化など負荷の高いメニューを約2時間にわたって消化していた。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「長谷部が戦える状態かをチェックしたい。難しければ今野(泰幸=ガンバ大阪)を呼ぶ」とメンバー発表会見で語っていたが、今のところその必要はなさそうだ。「監督はある意味、僕らにプレッシャーをかけているのかなと。常に危機感を持ってやらなければいけないと思います」とチーム最年長のフィールドプレーヤーは気を引き締め直していた。

 今回のキリンカップには、長谷部のヴォルフスブルク時代のチームメートであるボスニア・ヘルツェゴビナ代表のエディン・ジェコ(ローマ)やデンマーク代表のシモン・ケアー(フェネルバフチェ)らも名を連ねていて、「そういう選手たちと代表で対戦するのも1つの楽しみ」と彼は前向きにコメントした。とはいえ、2018年ロシアワールドカップ・アジア2次予選の相手とはレベルが違うだけに、守備の重要性がより高まってくるのは確かだ。

 そこは長友がひと際、強調していた点だ。

「やっぱり守備できないと世界では難しい。攻撃だけでは戦えないし、まず守備でしっかり1対1で勝って、勝った後にようやく少ないチャンスでオーバーラップしたりして攻撃に参加できるのが現実。やはり世界で戦うには守備ありきだなと感じます」

「自分もFC東京、チェゼーナ、インテルとステップアップするにつれて、世界は甘くないなと感じた。僕らがマッチアップする選手っていうのは、スピードがあって、うまくて、強さもある選手ばっかり。もちろん相手が強くなればなるほど、アタッカーのポジションにはすごい選手が揃っている。彼らとのマッチアップで1対1に勝たないと、正直、日本が世界で勝つには程遠いんじゃないあと思います」とイタリアで常日頃から世界トップレベルを体感している男は守備力向上の必要性を再三にわたって口にした。

 ハリルホジッチ監督が今回、長友とともに槙野智章(浦和レッズ)を左サイドバックに招集したのも、世界基準を考えてのこと。Jリーグでセンターバックを担っている男を左に回さなければならないほど、日本の本職の左サイドバックは守りに課題を抱えている。これまでハリル監督体制発足後、何度か呼ばれている藤春廣輝(G大阪)、車屋紳太郎(川崎フロンターレ)らはまさにそう。長友が今の代表で突出した存在感を示しているのも、こうした面のアドバンテージが大きいのだろう。

「国内組にもいい選手は沢山いるんじゃないかな。藤春もそうだし、他にも何人かいるし。正直言って、僕は誰よりも能力が低いと思う。代表メンバーでもそうだし、インテルでもそうだから。その中で残っていくとなると本当に練習はもちろんのこと、日々の生活環境からストイックにやっていかないと。今年30歳になりますし、本当に細かい部分にこだわらないと難しいかなと。ここまで来たのも気持ちと頑張りというか、雑草魂というかね。圭佑にしても、オカにしても能力があると言われた選手ではない中でしぶとく残り続けている。そのためにもブレないメンタルとブレない姿勢というものがある。そこが選手として一番大事ですよね」と長友は左サイドの第一人者として君臨し続ける秘訣を明かしてくれた。

 その長友から他の代表選手たちがどんな刺激を受け、レベルアップしていくのか。さしあたって今回は、ポジションは違えども、浅野や大島僚太(川崎)といった若手にその姿勢を見習ってほしい。日本代表が欧州勢と互角に対峙するためにも、長友のようなメンタリティを多くの選手間で共有していくことが肝要だろう。

文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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