2015.10.11

王国相手の大敗から丸一年…塩谷が右SBの定位置争いに名乗りを上げる

塩谷司
10日にテヘラン市内でのトレーニングに臨んだ塩谷司 [写真]=兼子愼一郎
学生時代から全国のスタジアムへ通い続けてきた経験と人脈を生かして、Jリーグを取り巻くピッチ内外のネタを探り続ける。

 日本代表は10日、イランの首都テヘランで13日のイラン戦に向けたトレーニングを実施。同試合での右サイドバック起用が濃厚な塩谷司(サンフレッチェ広島)は、練習後の取材で自らの持ち味を果敢に出していくことを強く誓った。

「試合に出たいという思いはすごく強い。チャンスがもらえるように練習からアピールしていきたい」

 ハビエル・アギーレ体制下だった2014年10月10日のジャマイカ戦で日本代表デビューした塩谷は、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督就任後の今年5月に行われた国内組合宿に招集。だが、その後はケガのリハビリもあって代表に名を連ねることはなかった。8日のシリア戦はベンチから戦況を見守る形になり、ここまで海外組と同チームではプレーできていない。代表チームの活動は短時間に限られるだけに、「海外組の選手と一緒にできるほうがいい。明日から一緒になると思うので、数少ない練習のチャンスを大事にしたい。自分の良さを分かってもらうだけでなく、もっと要求していくことも必要。周りからの意見も聞いていきたい」と積極的な姿勢を見せている。

 今回の代表招集は「意外だった」という塩谷。だが、ハリルホジッチ監督は彼のパワーとテクニックを高く評価している様子だ。広島では3バックの右ストッパーとしてプレーしているが、その攻守にアグレッシブなプレースタイルが指揮官の目に留まった。彼自身、球際の強さ、広島で見せている攻撃参加については「Jリーグでやっているところを見てくれているんだと思った」と素直な感想を口にしている。

 現在、日本代表の右サイドバックは内田篤人(シャルケ)が負傷離脱していることを受け、酒井高徳(ハンブルガー)、酒井宏樹(ハノーファー)らが入れ替わりで起用されている状況。9月に行われたアフガニスタン戦では、試合中に原口元気(ヘルタ・ベルリン)もスクランブルでコンバートされた。ハリルホジッチ監督はかねてから「いい選手がいれば、すぐ彼らに取って代わる」と明言しており、塩谷にとって今回のイラン戦はビッグチャンスと言える。

 最大の特長は、スピードとパワーを兼ね備えたフィジカル、そしてタッチライン際だけでなく中央へのオーバーラップも得意とする攻撃能力だ。果敢なオーバーラップからフィニッシュに絡むセンスにも長けている。個人技で突破していくタイプではないだけに、「自分の場合は預けてスペースに走ることが一番しっくり来るし、やりやすい。外を回るか、中を上がっていくかはケースバイケース。状況を判断しながら、味方を使って攻撃に絡んでいけたら。チャンスがあれば積極的に狙って行きたいし、攻撃参加した時はシュートやパスなど何かを残したい」と意欲的なコメントを残している。

 中でもポイントになるのが、右サイドMFやボランチとの連携だろう。もし右サイドバックで起用されれば、本田圭佑(ミラン)と右サイドでコンビを組むことも想定されるが、「そこのイメージは常に持っているし、他の選手と一緒にやってもコンビネーションはすごく意識している」と話しており、チームメートの特長もしっかりつかみつつある。慣れない4バックでのプレーには不安を残すものの、フィジカル、パワー、テクニックの三拍子を兼ね備える彼がイラン戦で攻守に持ち味を発揮すれば、一気に定位置争いへ顔を出すことは間違いない。

 マスカットでの練習後、最後に「もし出番が来たら、何を一番見せたい?」と聞いてみた。彼の答えは一言、単純明快だった。

「戦います」

 昨年10月14日にシンガポールで行われたブラジル代表戦。塩谷はアギーレ・ジャパンの一員としてピッチに立ち、世界のトッププレーヤーに翻弄されて0-4で大敗した。一対一で負けないためのメンタルとフィジカル、そして球際での勝負。日本代表として世界と戦う気概を見せる時が来た。「個人としてレベルアップしていかなければ」と誓った王国との一戦から丸一年。遅れてきた大器が、ハリルジャパンに新たな旋風を巻き起こす。

文=青山知雄

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