2015.09.09

フットサル日本代表、マレーシアに予想外の4点ビハインドから大逆転勝利

マレーシアとの接戦をものにしたフットサル日本代表 [写真]=河合拓

文・写真=河合拓

 大分合宿中のフットサル日本代表は8日にフットサル・マレーシア代表と親善試合を行った。フットサルにFIFAランキングは存在しないが、『futsalworldranking.be』の集計では、日本は2015年9月現在10位、マレーシア代表は63位と大きな隔たりがある。そのため、フットサル日本代表は快勝するだろうと戦前は予想されていた。

 ところが、ふたを開けると日本代表は大苦戦を強いられる。ボールを敵陣までは運ぶものの、そこからマレーシアを崩しきれない。シュートこそ打っているものの守備を崩す前のため、それほど得点に結びつきそうな場面はなかった。

 14名のフィールドプレーヤー(FP)がベンチ登録されている日本代表は、4人ずつで3セットの組み合わせをつくり、3分ごとに細目に選手交代を行う。後半、この細かい交代策が良い方向に作用したが、前半は2つ目のセットに変わったときにマレーシアのカウンターから失点を喫してしまう。前半の悪い流れを象徴していたのが、2失点目の場面だ。日本はFP酒井ラファエル良男のパスを受けたFP小曽戸允哉が切り込もうとしたところを相手に狙われ、ボールを奪われて失点した。攻めきれなかったことで相手にカウンターを仕掛けるきっかけを与え、またそのカウンターが「予想していた以上に速かった」(酒井)ことから日本は失点を重ねた。

 第1セットが出場していた12分には、FP皆本晃のシュートをGKにキャッチされると、そこからのスロー一本で背後を取られて、ゴールを奪われてしまう。さらに18分にはFP清水和也とGK関口優志の連係ミスを突かれて失点。おそらくマレーシア陣営もキックオフ前には想像すらできなかったであろう0-4というスコアになる。

 この流れを一変させたのが、FP稲葉洸太郎だった。この試合、スタート時に組まれた3つのセットのいずれにも入っていなかった稲葉は、4失点目を喫する直前からピッチに立った。昨年9月のイタリア遠征以来、ほぼ1年ぶりに日本代表に選出された稲葉は、持ち味のドリブルに加え、推進力に溢れたプレッシング、声でチームを盛り立てた。前半18分、反撃の狼煙となった日本のゴールは、稲葉がドリブルで仕掛けて倒され、FKを獲得。このFKから稲葉が横に出したボールを酒井が決めたことで生まれたものだった。

 ハーフタイムを挟むと日本代表は別のチームのようになっていた。実際にミゲル・ロドリゴ監督はセットを組み換え、酒井、小曽戸、仁部屋、渡邉という「このチーム状態で最強のセット」をピッチに送り出した。「チームを一度落ち着かせて、持ちなおそうとした」という指揮官の狙いはピタリとはまる。後半開始早々、再びFKから酒井が2点目を決めて流れをつかむと、セット交代後の5分にもセットプレーからFP皆本晃、FP滝田学とボールをつなぎ、稲葉がヒールキックで得点を挙げる。さらに10分には、皆本が縦に仕掛けてからのシュートでゴールを決めて4点のビハインドを追い付いてみせる。

 このまま一気に逆転したいところだったが、マレーシアもキックインから勝ち越し点を挙げて譲らない。それでも、アジア選手権2連覇中の日本代表はアジア王者として貫禄を見せる。前半からのハードワークで動きが止まってきたマレーシアを運動量で圧倒。12分、ドリブルが冴えていたFP室田祐希のパスを受けた皆本が同点ゴールを決めると、“持っている男”FP渡邉知晃が西谷良介のアシストから6-5とする逆転ゴールを決めた。

 残り3分を切ってマレーシアはパワープレーを仕掛け、一度日本のゴールポストを直撃するシュートを放った。しかし、日本もこれ以上の失点は許さずに6-5のままタイムアップを迎え、苦しみながらも第1戦の勝利をモノにした。

 勝利に安堵するミゲル監督だが「すごく良い教訓になったゲームだったと思います。アジアにはもう簡単に勝てるチームなど存在しません。どの国も外国人の指導者を招き、進んだフットサルを学んでいます。そのことを再確認し、肝に銘じるためのゲームになったと思います。もう一つはゲームに入るときのメンタル面。集中力。このゲームを戦うために十分なものになっていなかった。その問題が4失点を許す要因になったので、そこは修正の余地が大きいと思います」と、このような試合を繰り返してはいけないと強調した。

 9日正午より、日本代表は別府アリーナで再びマレーシア代表と対戦する。格下相手に自分たちで苦しい展開にして劇的に勝つという、自作自演の大逆転ゲームに満足しない指揮官は「まったく別のゲームになればいいなと思います。今日は特に前半、マレーシアのリズムのゲームをさせられました。明日は日本のリズムのゲーム、ポゼッションを使って、自分たちのギアの入れ替えを使っていくゲームを展開したい」と、内容にこだわる姿勢を見せた。

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