2015.08.03

U-22代表主将・遠藤航、縁と感謝と確固たる思いと共にA代表へ

遠藤航
北朝鮮戦に出場した遠藤航 [写真]=ChinaFotoPress via Getty Images

文=隈元大吾

 海外組が不在となる東アジアカップの日本代表メンバーの中には、なじみの薄いフレッシュな新顔が多数含まれていた。2年前の同大会で柿谷曜一朗(現バーゼル)や山口蛍(セレッソ大阪)ら、のちにブラジル・ワールドカップメンバーとなる新たな戦力が発掘されたように、今大会でもW杯予選に向けて新たな戦力の台頭が望まれる。今回はリオデジャネイロ・オリンピックを目指すU-22代表の主将を務める湘南ベルマーレの遠藤航に所属クラブの番記者が迫った。

▼飛躍の契機は昨季にアリ
 真っ先に口にしたのは、感謝の想いだった。

「A代表に選んでいただけたのはもちろん僕だけの力ではありません。ユースから所属しているベルマーレ、小学校のチーム、中学校の顧問の先生、高校の担任の先生、教えてくれた人たちや一緒にプレーしてきた選手、もちろん家族やサポーターの皆さんなど、いろいろ人の支えがあってサッカーを続けることができた。そうやって常に支えてくれた方々に、本当に感謝しています」

 最近の遠藤は守備力をベースにしながらも、攻撃の意欲たくましい。鋭い縦パスはもとより、ドリブルで運び、あるいはオーバーラップしてゴールの仕上げに携わっていく。

 明治安田生命J1リーグ・ファーストステージ第15節の川崎フロンターレ戦ではクロスで先制点をアシストし、第17節・松本山雅FC戦では自ら運んだ先で追加点を導いた。ほかにも自陣で奪うやドリブルで駆け上がり、スルーパスでチャンスを演出するなど、機を捉えた攻撃参加を見せてきた。SB然としてチームの推進力を加速させる湘南の3バックの欠かせぬ一翼を、遠藤航は担っている。
 
 飛躍の一端は、J2優勝を果たした昨季に求められるだろう。「攻撃参加などは昨季、自分の良さを出せたと思う。運動量を含め、プレーの幅も広がった。そこは一番成長できた部分かなと思う」。そう振り返るとおりだ。

 湘南との縁は中学3年のころにさかのぼる。当時ユースを指揮していた曺貴裁監督の目に留まり、練習参加を経て翌年から湘南のユニフォームに袖を通すことになった。「そのときからすでに航の縦パスはすごかった」と、アカデミーの1年先輩・古林将太は記憶している。その才は間もなく芽吹き、U-16日本代表に選ばれて以降、年代別代表の常連となった。

「小学生や中学生のころ、プロやA代表は夢としてはあったけど、まだ遠い存在だった。でもユースに入ってからは、より身近に意識するようになった」

 本人がそう語るように、かつて漠然と描いていた将来に対するイメージは、ユースのころから次第に像を結んでいく。そして「湘南の選手がA代表に選ばれたらクラブにとって良いことだと思うし、それが自分なら本当にうれしい」。想いはやがて目標に昇華した。

▼2013年の負傷を乗り越えて
 カバーリングや1対1の強さ、ポジショニング、ビルドアップ、そうしたプレーの一連を司るクレバーな頭脳と、CBとして攻守に秀でた素質はかねてより備えていた。高校3年だった2010年には反町康治監督の下でトップチームに登録され、J1デビューと初得点をマーク。翌2011年は舞台こそJ2に移ったものの34試合に出場し、曺監督にタクトが引き継がれた2012年は32試合に出場してJ1昇格に貢献した。

 曺監督の下、3バックの中央で最終ラインをけん引するなど着実にステップを踏む中で、しかし再度J1に挑んだ2013年はキャンプ中に肉離れを負い、開幕を前に戦列を離れた。けがから復帰し、途中からはプレーの幅を広げるべく3バックの右を務めるも、シーズン終盤に再び離脱し、チームもこの年J2に降格した。

 ただ、一見立ち止まったように映るシーズンにも、いまにつながる意味がある。自身の肉体と向き合い、下半身を強化して、体の使い方も改善した。より強い空中戦や球際を手に入れ、チームと五輪代表との二足のわらじを履くタフな日程にも動じない。「地道に取り組む大事さが分かったし、あれからけがをしないようにずっと気をつかっているので、『けがをしたことが逆に良かったのかな』といまは思う」。そう語るほどに試練をも成長へと転化した。

 ところで、曺監督は就任1年目から遠藤にPKを託している。技術的な要素はもとより、「仮に失敗したとしても後のプレーに引きずらない」というのも理由にある。失敗の先を踏まえた指揮官の思慮に唸らされたものだが、その判断に遠藤のたくましいメンタリティーが透けて見える。一方で、失点の矛先をすべて自身に向け、「責任を感じ過ぎるな」と指揮官に諭されたこともあった。

▼右SB挑戦への意欲
 リオ五輪を目指すU-22日本代表ではキャプテンを務める。中盤を担うことも多い中で、そのプレーには日々培っている意識が息づく。

「湘南の球際の厳しさや切り替えの速さは、代表チームでも絶対生かさなければいけないと思っている。それを自分が主導してピッチの中で表現することによって、周りもそういうことをしっかりやってくれるようにしたい」

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の構想では今回、右SBでの起用となっている。湘南や五輪代表とは異なる新境地に、「チャレンジできるポジション」と意欲は強い。

「理想としては、CBもSBも、ボランチもアンカーもできるようなプレイヤーを目指しているので、3チームで違うポジションができるようになれば自分にとってはすごく成長につながると思っている。どのポジションもなんとなくこなせるだけでは意味がないと思うので、すべてのクオリティーを上げていかなければいけない。まずは守備で自分の良さを出していきながら、攻撃に関わる運動量など意識していければと思う」

 個人としてようやくスタートラインに立てたと、穏やかに口にする。これまでのさまざまな縁や感謝をかみしめながら、これからに続く一歩を中国の地に刻む。

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