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東アジア杯に臨む23名に残るのは…浦和FW武藤を代表ヘ呼ぶなら「いま」

2015.07.15

浦和で急成長を遂げる武藤雄樹(左)[写真]=Getty Images

文=戸塚啓

 簡単に言えば芯の無い50人という感想だ。

 過日発表された東アジアカップの予備登録メンバーである。
 
 50人という大きなグループだけに、芯を通すのが難しいのは分かる。ひとまず様々な可能性を担保するためのリストアップ、ということなのだろう。

 国内組のテストという位置づけなのか?

 だとすれば、西川周作今野泰幸大久保嘉人豊田陽平らの選出は合わない。彼らの実力は、すでに分かっているからだ。

 その一方で、連覇を狙うなら必要な戦力である。現時点で国内トップクラスの人材をベストミックスさせた編成が、優勝への最短距離であるのは間違いない。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の哲学を、国内組からさらに浸透させる狙いがあるのか? そうした目的を持った大会とするなら、西川、槙野智章森重真人太田宏介山口蛍柴崎岳宇佐美貴史らが中心になっていくべきである。

 U-22日本代表世代の強化を目的とするのか?

 来年1月にリオ五輪最終予選を控えるが、強化スケジュールには空白が多い。7月1日にU-22コスタリカ戦を消化したが、次の活動は10月の国内合宿だ。中心選手を東アジアカップで起用し、チーム全体の底上げを促すのは、日本サッカー全体の利益でもある。

 疑問があるとすれば人選だ。

 手倉森誠監督のもとでプレーする22歳以下の世代から、今回の予備登録には8人がピックアップされている。ところが、松原健アルビレックス新潟)は長期離脱中で、山中亮輔柏レイソル)も所属クラブでポジションをつかめていない。松原は右サイドバック、山中は左サイドバックとして3月の五輪アジア1次予選に出場したが、予備登録入りは率直に言って驚きだ。

 2年前の選考は分かりやすかった。

 ブラジル・ワールドカップ出場を決めた直後の大会だったことで、ザックは新戦力の発掘にテーマを絞り込んだ。韓国で大会初優勝を勝ち取ったメンバーから柿谷曜一朗、森重、山口らが代表に定着し、青山敏弘齋藤学大迫勇也らがブラジルW杯のメンバー入りを果たした。

 今回も同じ目的でいい。

 国際経験の少ない選手を中心に、チームを編成するのだ。

 同じポジションで二者択一の選択をする場合は、年齢が若い選手、所属クラブで結果を残している選手を優先する。

 11人が予備登録されているFWでは、武藤雄樹を選びたい。移籍1年目の浦和レッズでブレイクした26歳は、18年のロシアW杯も狙える。代表ヘ呼ぶなら「いま」である。

 リオ五輪最終予選で中核を担うはずの櫛引政敏岩波拓也植田直通遠藤航浅野拓磨のU-22世代は、メンバーに加えるだけでなく実戦で起用したい。先のU-22コスタリカ戦で中盤での守備力をアピールし、横浜F・マリノスでもポジションをつかんでいる喜田拓也も、23人の登録メンバーに加えたいひとりだ。リオ五輪世代のレベルアップは、喫緊の課題だからである。

 ハリルホジッチ監督のもとでスタメンに名を連ねつつある柴崎、宇佐美らには、海外組不在のチームを牽引してほしい。同じくハリルホジッチ監督指揮下で存在感を高める槙野は、最終ラインだけでなくチーム全体のまとめ役となってもらう。

 J1リーグ戦の合間に行なわれる東アジアカップは、限られた準備期間で臨む大会だ。J1は今月29日に試合があり、4日後には第1戦を迎える。ぶっつけ本番と言っていい。

 その意味でも、経験を積むことに軸足を置いた選考が望ましい。チームとしての準備が十分でないからこそ、個々の逞しさ──個人でどれだけ戦えるのかがはかれる。ロシアW杯とリオ五輪のアジア予選を両にらみし、それぞれのチームのレベルアップにつながる大会とするのだ。

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