シンガポール戦に臨んだハリルホジッチ監督 [写真]=浦正弘
日本代表は16日にロシア・ワールドカップ アジア2次予選の初戦でシンガポール代表と対戦し、一方的な試合展開を見せたものの、最後までゴールネットを揺らすことができずにスコアレスドロー。5万7000人を超すサポーターが埋め尽くした埼玉スタジアム2002で、勝利を飾ることはできなかった。
試合後、「少しがっかりしています。本当になかなか呑み込めないし、消化できない。すごくスペクタル試合でゴールがたくさん生まれてもおかしくなかった」とヴァイッド・ハリルホジッチ監督。23本のシュートを放ったにも関わらず、得点を生み出せなかったことを悔やんだ。
過去を振り返れば、これまでもアジアとの戦いの中で引いた相手から得点が奪えずに苦しんできた日本。この試合でも、中央から攻撃する日本に対し、シンガポールはその中央をしっかりと固めてきた。
そんな相手からゴールを奪う秘訣を問われた指揮官は、「フットボールにマジックはない。得点を取るためにはトレーニングをするだけです」と即答。続けて、「今日の試合でもハイレベルなチャンスはあった。最後まで出し切りたい気持ちを全員に見た。ボールを失った時に何回奪いに行ったか。数秒以内に奪いに行っていたし、チームは勝つためにすべてをやった」とやり切ったことを強調した。
その一方で、ハリルホジッチ監督が何度も会見で繰り返したフレーズがある。それが、「ただ、19回ほど100パーセント得点できる状況を作った」だ。雑音を掻き消すほど語気を強めながら口にしたこのフレーズに、指揮官の悔しさがにじみ出ていた。
「W杯予選で簡単に勝てる試合はないと前もって言ったが、それが今日来た。このような好ましくない試合がきた。少し分析しないといけない。疲れていた選手もいたが、フィジカルが要求するところまでいっていない選手もいた。まずは冷静になって分析したい。そしてトレーニングを続けていくことが大事」
日本代表はこのあと一旦解散し、8月の東アジアカップに臨むが、「私たちはまだ何も成し遂げていない」と語った指揮官の言葉に、W杯予選がスタートしたばかりだということを再認識させられた。