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宇佐美、完全復帰を誓うなでしこ岩渕に“切磋琢磨”のエール

2015.06.13

シンガポール戦に向け練習を行なう宇佐美貴史 [写真]=兼子愼一郎

文=青山知雄

 16日のロシア・ワールドカップ アジア2次予選のシンガポール戦(埼玉)に向けて調整を進める日本代表。13日に埼玉県内で行われた練習後に宇佐美貴史ガンバ大阪)が取材に応え、カナダで女子ワールドカップを戦うなでしこジャパン岩渕真奈にエールを送った。

 なでしこは日本時間の同日午前に行われたカメルーン代表戦を2-1で制し、スイスとの初戦に続く白星で勝ち点を6に伸ばして決勝トーナメント進出を確定。この試合を日本代表合宿中の宇佐美もテレビで観戦したという。

 なでしこジャパンに「頑張ってほしい」と話す中で宇佐美が気に掛けているのは、同学年で右ひざに負傷を抱えたまま女子W杯開幕を迎えた岩渕真奈(バイエルン)の状態。宇佐美は1992年5月6日生まれの23歳、早生まれの岩渕は1993年3月18日が誕生日で、どちらも攻撃センス溢れるアタッカーと共通点が多い。

「ぶっちーは学年もポジションも同じやし、ドイツに渡ったクラブも順番が逆なだけで(宇佐美は)バイエルンからホッフェンハイム、(岩渕は)ホッフェンハイムからバイエルンと一緒。本当に似た境遇やと思うんで、特に頑張ってほしいですね」

 負傷の影響で岩渕にはここまで出場機会がないが、なでしこは安藤梢(フランクフルト)が左足首骨折で離脱したこともあって攻撃陣が手薄な状態。スイス戦との初戦終了後に「毎日できることが増えてきて楽しく感じています。早く治して試合に出たい気持ちが強いけど、中途半端に復帰してまた迷惑かけるのもいけないと思う」と語っていた岩渕には、安藤から「私のぶんまで頑張って」とメッセージが送られるなど早期回復が待たれている。

 この状況を受けて宇佐美は「今のところ本人と連絡は取ってないですけど、まだ彼女の出番じゃないでしょうから。ここから相手がキツくなってきた時に活躍する時が来るはず。まだ彼女の出る幕じゃない」と復帰に向けてリハビリを続ける岩渕にポジティブな思いを語った。

 ドイツでプレーしていた当時から交流がある岩渕と宇佐美。3月のウズベキスタン戦(東京)で宇佐美が日本代表初ゴールをマークした際、岩渕は自身のブログ(http://ameblo.jp/buchilife/)で「そしてなにより嬉しいのが、宇佐美のデビュー&得点。やっぱりうまいだけじゃなくて点とれる選手っていいなって彼を見てて思います。これからも注目! 応援」と祝福。「ドイツでは皆さんの想像以上にお世話になった」という宇佐美の活躍を喜んでいた。

 ドイツ時代に岩渕のたくましさやストイックさを見て感銘を受けたという宇佐美。世界で戦う岩渕と、世界へ向かう自分自身の立場を踏まえ、「ぶっちーには活躍して僕を刺激してほしいし、僕も活躍してぶっちーを刺激したい」と切磋琢磨するべく言葉を続けた。

 16日のシンガポール戦から、宇佐美自身もロシアに向けた戦いが本格的にスタートする。遠く離れたカナダの地で復活を期す岩渕にエールを飛ばしつつ、日本代表での活躍に覚悟を固めた。

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