壇上から立ち上がり熱弁をふるうハリルホジッチ監督
文=青山知雄
1日に千葉県内で2018年のFIFAワールドカップ ロシア大会のアジア2次予選に向けた日本代表メンバーが25名が発表。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、ついにロシアに向けた戦いが本格的にスタートすることを受け、「勝利の文化を伝えたい」と意気込みを明らかにした。
3月の監督就任から約3カ月。いよいよロシア行きの戦いが始まる。会見冒頭で「スタッフ全員で仕事に取り組んできた」と力強く語ったハリルホジッチ監督は壇上から立ち上がって歩き出し、メンバー発表前にここまでの取り組みについて説明した。
「J1、J2、J3を合わせてJリーグは計116試合、ヤマザキナビスコカップは28試合、アジアチャンピオンズリーグ24試合、ヨーロッパのリーグ戦3試合の計171試合をライブで視察しました。さらにスタッフ全員で349試合の映像をチェックしています。これに加えて昨晩は2試合を見ました。トータルで522試合。これだけの試合をみんなで見ることができたことは素晴らしい」
「それに5〜6時間をかけたオフィシャルなミーティングは12回ほど行い、それ以外にも毎日細かなミーティングをしています。こういう厳しい仕事をしていることを知ってもらいたい。日本のフットボールを向上させること、もっと高いレベルに行くことを目指していますが、とにかくまずはロシアに行かなければなければならない。それが目標になります」
指揮官はスタッフ全員で綿密なスカウティングを実施したことを示した上で日本代表メンバー25名の名前と選出理由を読み上げると、「まず勝利の文化を伝えたい。選手はいつでも勝つと思わなければならない。ワールドカップ予選はかなり厳しいものになる。その最初の試合で、『日本はW杯へ行く野心があるぞ』というところを見せつけたい」と胸中を語った。
厳しい予選を乗り越えて日本国内に勝利の文化を伝えるだけでなく、アジアのライバルに対して圧倒的な力を見せつけたい。霜田正浩技術委員長も記者会見の最後に「最終予選で戦うかもしれないイラクとキリンチャレンジカップで戦うことができる。そのイラクもここでしっかり叩いておきたい」と話していた。11日のイラク戦、16日のシンガポール戦は、ハリルホジッチ監督率いる日本代表の力をアジア全体に示すための重要な意味を持つ。日本サッカー改革を目指すハリル・ジャパンが、いよいよアジアから世界に向けた戦いに出航する。