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アジア杯、注目選手から見る敵国分析…ウズベキスタン代表FWセルゲエフ『シャツキフの再来』

2015.01.18

ウズベキスタンの英雄シャツキフの再来と期待されるセルゲエフ [写真]=Getty Images

 グループBの本命として期待されたウズベキスタンだが、2戦目で中国に逆転負けを喫し、3試合目で中東の雄であるサウジアラビアとの直接対決にグループリーグ突破をかけることになった。

 そのウズベキスタンを若きエースとして牽引するのがFWイゴール・セルゲエフだ。4-2-3-1の1トップに抜擢されたセルゲエフは、北朝鮮との初戦で見事な決勝ゴールを決めている。左サイドに流れたアジズベク・ハイダロフのパスをセルヴェル・ジェパロフが受け、得意の左足で放ったクロスをペナルティエリア内で流し込む、シンプルだがストライカーらしいゴールだった。

 ウズベキスタンで1、2を争う名門クラブとして知られるパフタコールの下部組織で育ったセルゲエフが、国際的に注目されたのが2013年のU-20ワールドカップだった。現在A代表に名を連ねるMFジャムシド・イスカンデロフらと共に主力を担い、2得点をあげてベスト8進出に貢献した。185センチの体格に似合わない俊敏な動き出しとボディーコンタクトの強さ、ゴール前の落ち着きはウズベキスタンのレジェンドであるマクシム・シャツキフを彷彿とさせる。ウイングでもプレーは可能だが、持ち味をより発揮するのはセンターフォワードのポジションだろう。最前線の中央で相手センターバックを引き付けながら、鋭い動きでマークを外してフィニッシュに入る動きは素晴らしいものがある。短いパスを受けたところからのコンビプレーも得意とするセルゲエフ。ウズベキスタンは2列目にウクライナのヴォルスクラ所属のサンジャル・トゥルスノフ、ロシアのグラスのダールでプレーするオディル・アフメドフ、2008年にアジア年間最優秀選手に輝いたレフティのセルヴェル・ジェパロフとテクニックの高いセカンドアタッカーを揃えており、特に左サイドから中に流れて起点となるジェパロフとの相性は抜群だ。

 ただ、中国戦はポストプレーや相手のマークを引き付ける動きなどで効いていたが、シュート0本に終わるなど、広州桓大の主力を張るチャン・リンペンを中心とした3バックに封じられてしまった。早い時間隊に先制してから、チームの攻撃がしばらく停滞したこともあるが、厳しい時にボールを呼び込んで局面を打開する様なプレーの力強さには欠ける部分がある。ただ、21歳という年齢を考えれば、メンタル面は大会中にも成長しうる。

 日本代表がウズベキスタンと対戦するのは早くても準決勝となるが、そこまで勝ち上がってくれば、高い身体能力とゴール前のスキルを兼ね備えたセルゲエフは、非常に警戒するべきストライカーとして立ちはだかってくるはずだ。

文=河治良幸

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