日本代表でも持ち味を発揮している塩谷 [写真]=兼子愼一郎
アジアカップ連覇に挑む日本代表は、パレスチナ代表との初戦を12日に迎える。今大会のメンバーは23選手の内、11選手が前回大会から連続選出。昨夏のブラジル・ワールドカップに出場したメンバーは、実に13選手を数える。
最多記録を更新する5度目の優勝を狙い経験豊富なメンバーが揃う中、国際Aマッチ出場2試合のサンフレッチェ広島に所属するDF塩谷司が割って入っている。
塩谷は、2012年8月に水戸ホーリーホックからサンフレッチェ広島に移籍。広島のJ1連覇に貢献し、ハビエル・アギーレ体制の3試合目だった昨年10月のジャマイカ代表戦でA代表デビューを飾ると、指揮官から「パーフェクトなゲームをしてくれた」と称賛された。
徳島県立徳島商業高等学校から国士舘大学に進学して、2011年に水戸に加入。各年代別代表とは、無縁のキャリアを過ごしてきた。代表選手として初の公式戦が迫るが、「特に意識せず、普段通りを心がけて過ごしている。実際ピッチに立って見ないとわからないことはあると思う」と気負いはない。
守備力はもちろん、中盤でプレー経験もあり技術が高く、昨季のJ1で6ゴールを挙げた攻撃性も持ち合わせる。4日に行われたオークランド・シティとの練習試合でも先発出場すると、「アピールするところだと思った」という言葉どおり、最終ラインから何度となく縦パスを供給した。
大卒でJ2を経ながら、スピード出世を遂げてきたが、「僕はみんなのようにエリートで来たわけではない。まだまだ上り切ったわけではないし、まだまだ上を目指せると思う」と意欲は衰えるどころか、増すばかり。「(日本代表は)すごく刺激的というか、色んな人と話をして、海外の生活とか聞いたり、ずっと代表でやっている人の話を聞くと、向上心というか、もっと自分もやらないといけないと、すごく感じる」と明かす。
「やっぱりピッチに立っていないと、ベンチでは意味がないと思っている。どれだけチャンスをもらえるかわからないですけど、もらえたチャンスでどれだけできるか。そのために、どれだけいい準備ができるかではないかと思う」
真夏の南半球の日差しを浴び、日に焼けた顔は更なる高みを見据えていた。