2014.10.12

絶体絶命の危機を乗り越えたU-19日本代表…決勝Tを目指し韓国との最終戦へ

 10月11日、AFC・U-19選手権グループCの第2戦に臨んだU-19日本代表は、早くも崖っぷちに立たされていた。中国との初戦を落とした以上、ベトナムとの第2戦は必勝が求められる。その単純な事実がイレブンの動きを硬化させていたのは否めない。

 加えて、15時半キックオフのこの試合は「暑さ」も大きかった。照りつける太陽が、中1日でこの試合へ臨んだ選手たちから体力を奪っていく。「時間を追うごとにキレがなくなっていった」とDF中谷進之介が嘆き、「前半、思った以上に暑さがあって動きが重く、スピードに変化が出なかった」と鈴木政一監督が振り返ったように、勢いの感じられないスローな展開に。日本が初めてシュートを放ったのは、実に試合が26分を経過してからだった。

 そして、日本サッカーの持病と言うべき「決定力不足」がこの日も顔を出してしまった。26分にFW南野拓実のヘディングがGK正面に飛んだのを皮切りに、27分、31分、33分、40分と好機を作るが、いずれもゴールならず。初戦で韓国がベトナム相手に6得点をあげていただけに、できれば大量点で勝ちたい試合だったが、その可能性はこの段階で消えることとなった。

 後半、日本はドリブラーのMF奥川雅也を左サイドに投入。今大会の定番パターンとなりつつある交代で、攻撃の加速を図る。59分にはその狙いが奏功する形で、抜け出した奥川がドリブルシュートを叩き込んで先制点。これで勝負の流れは決定的になるかと思われたが、ここから日本はまたも停滞してしまう。痛かったのは交代枠をトラブルで使い切ったこと。56分にDF広瀬陸斗が負傷交代すると、83分にはMF川辺駿が足をつってMF望月嶺臣と交代に。守備的なカードも攻撃的なカードも切れないままに、終盤を迎えてしまった。

 さらに奥川が負傷退場。10人になってしまった直後の90分だった。相手の鮮やかなカウンターに対して、日本の対応は遅れてしまい、最後はMFタイン・タンに強烈なシュートを叩き込まれて、1-1の同点に。ロスタイム目前、まさかの失点で日本は絶体絶命の状況に追い込まれてしまった。

 ただ、日本の若獅子たちは折れなかった。ベンチのサブメンバーやスタンドのサポーターの声に応えるように、疲れ切った体に鞭打っての前進を開始。猛然とボールを取り返し、前へと突き進む。「一人減っていたし、混乱してなかったとは言えないですよね」と中谷が苦笑と共に振り返ったように、その攻勢は無秩序な部分もあったが、それだけに90分までの時間帯にはなかった確かな迫力があった。

 そして、95分。南野が思いを託すように蹴り込んだ左CKに飛び込んだのは、その中谷。「来たっ! って感じでした。もう魂だけですよ」というニアでのヘッドは相手に当たってゴールイン。何とも泥くさい形だったが、土壇場での勝ち越しに成功した。さらに96分には、焦るベトナムを尻目に、これまでの決定力不足がウソのような流麗なフィニッシュをMF井手口陽介が沈めて、勝負あり。3-1で試合を拾った日本が、韓国とのグループリーグ最終戦へ望みをつないだ。その日韓戦で勝てば、無条件での決勝トーナメント進出となる。

文=川端暁彦

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