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U21代表が大学選抜にまさかの逆転負け、手倉森監督「やって良かった」

2014.06.12

複数人に囲まれても動じない大島。さすがの存在感を見せた【写真】=川端暁彦

 6月11日、2016年リオ五輪を目指すU-21日本代表が、2015年のユニバーシアード大会(大学生の五輪)を目指す全日本大学選抜と強化試合を行った。

 大学選抜の神川明彦監督(明治大学)はこの合宿が始まる前、U-21代表戦のことを「チャンス」と表現していた。今回の大学選抜は全員がリオ五輪世代であるが、手倉森誠監督からお呼びの掛かる選手がいないという状態。この機会に力を示し、評価を覆す。「巡ってきたこのチャンスをモノにできるかどうか。それが試される」(神川監督)というわけだ。そんな監督の考えは選手にも伝わっていたようで、試合前日にMF八久保颯(阪南大学)は「こういうチャンスを生かせる選手になりたい」と意気込んでいた。

 U-21代表の先発布陣は鈴木武蔵(新潟)を1トップに、その下に中島翔哉(富山)を配した4-2-3-1。サイドには「左にタメを作れる矢島慎也(浦和)、槍になれる田鍋陵太(名古屋)」(手倉森監督)という配置である。前半のU-21代表は、ダブルボランチを組んだ大島僚太(川崎F)と秋野央樹(柏)というボール扱いに秀でた二人が中心となってゲームの主導権を握る。守備の関係性については「まだまだ」と大島が認めたように未整理ながら、ボールはスムーズに動いた。28分には秋野のCKからDF岩波拓也(神戸)が強烈なヘッドを見舞って先制点も奪い取った。

 前半はベストとは言い難いが、悪くない内容だった。1点を奪ったあとは無理して攻めずにボールを動かして終わらせることに成功。欲を言えばもう1点取れたはずだが、ゲーム自体はコントロールできていた。ところが、メンバーを入れ替えた後半になると、日本のリズムが崩れる。「組み合わせが悪かった。これだとダメなんだということが分かったし、勉強になった」と手倉森監督が率直に語ったように、後半は両サイドが縦へ急ぎ、ボランチはそろってボールに寄り過ぎるなどアンバランスな形が目に付くようになる。レギュラーに近いと目される前半組が1-0とリードして終わっただけに、アピールしたいという欲が出たのもあるのだろう。ボールを取りに行く姿勢が空転するシーンが目立ち、大学選抜はそのスキをトップ下のMF長谷川竜也(順天堂大学)らが衝いていく。

 69分に八久保が「カットインしていったら、コースが見えた」と言う自慢の鋭いドリブルでエリア内へ侵入し、PKを獲得。自ら決めて、1-1の同点とする。こうなると、心理面でU-21代表は追い詰められることに。「『大学生に負けたらヤバイ』となってしまい、正しいメンタリティでゲームを進められなくなった」(手倉森監督)。焦りがミスを呼び、ミスが焦りを呼ぶ展開の中で、83分にはクロスボールからの落としを拾った八久保に再びゴールを許して、1-2。「自分たち自身の感情をコントロールできなければ、相手もコントロールできない」(手倉森監督)という言葉どおりに、U-21代表は敗れた。

 そんな試合を終えた手倉森監督の表情は思いの外、明るかった。「負けたことで気付かされたものがある。負けるべくして負けて、良かった」と指揮官は言う。自分たちのクオリティーがまだまだ「勝つ」ためには足りていないことを痛感する場となった大学選抜戦。その苦い薬を得られたのだから、「やって良かった」。U-21代表にとっては、そういう試合となった。

文=川端暁彦

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