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震災から3年を経て実現するNZ代表戦…ザック監督自ら要望

2014.03.05

前日会見に出席したザッケローニ監督 [写真]=瀬藤尚美

 日本代表は5日に行われる「キリンチャレンジカップ 2014」でニュージーランド代表と対戦する。ワールドカップ・イヤーの初戦や現在の国立競技場で開催される最後の代表戦となるが、両国は3年前にも対戦予定だった。

 当初は、2011年3月に対戦が組まれていたが、東日本大震災の影響により中止。同年2月には、ニュージーランドのクライストチャーチを中心として185人が亡くなるという大惨事も起こっていた。

 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督は試合の前日会見で、「そういうエピソードが過去にあったから、このタイミングでニュージーランドとやりたいという要望を自ら出した」と明かすとともに、「お互い素晴らしいゲームにしたいと思うし、良いゲームを見せることができればと思っている。スタジアムに詰めかけてくれるサポーターのため、試合を見るであろうニュージーランドの方々のため、日本でもテレビの前で応援してくれるサポーターのために、お互いに良いゲームになればいいなと思っている」と力を込めた。

 ニュージーランド代表のニール・エンブレン監督も、「明日はただのサッカーの試合というだけでなく、お互いに気持ちを共有して同じ苦しみを分かち合った国としてサッカーをするという側面がある」とコメント。両国の震災から3年を経て対戦が実現することに対し、「スポーツをすると悪い感情や何かを失った喪失感というものが、その時は切り替わって、スポーツをしている瞬間を楽しむことができる」と語るとともに、試合に臨む姿勢を明かした。

「明日の試合によって、3年前のことをお互いに思い出して、もう一度記憶によみがえらせることになるが、だからこそ思い出してその中で、両チームがやる気を持ち、努力をし、スキルを存分に発揮して、質の高い試合をすることが大事だと思う。明日のロッカーでは、『ただの試合ではない。何かを失った喪失感を共有する中で、そのときを一所懸命に楽しむという意味のある試合だ』ということを選手達にもしっかりと話をする」

 日本サッカー協会は、収益の中から500万円を義援金としてニュージーランド連盟に、同じく500万円を東日本大震災のサッカーファミリー復興支援金に充てることを既に発表。ザッケローニ監督が「悲劇や厳しい状況から抜け出せる素晴らしい能力があると思っている」と評した両国が、3年の時を経て国立最後の一戦で相まみえる。

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