U-16日本代表に選出された橋岡大樹(左)と長谷川元希 [写真]=川端暁彦
文=川端暁彦
2月7日から11日にかけて大阪府内で強化合宿を行うU-16日本代表メンバーが1月31日、日本サッカー協会から発表された。
同代表は来年開催のU-17ワールドカップ・チリ大会を目指すチーム。今回はその世界大会を目指す過程でのトレーニングキャンプ。年長のガンバ大阪ユース、セレッソ大阪U-18という強豪Jクラブとの練習試合も予定されている。
本来この代表の軸となるのは、今年4月から高校1年生になる選手たちである。つまりこれは、高校受験を目前に控えた世代ということだ。推薦入試で進学するような選手や合格に自信を持っている選手を除くと、非常にデリケートな時期の合宿となったわけだ。このため、新高校1年生から選ばれた選手は数えるほど。早生まれで資格を持つDF加藤潤(新潟明訓高校)、阿部雅志(星稜高校)といった新高校2年生と一つ下の新中学3年生を中心とした招集という、少々イレギュラーな構成となった。
GKは新中3に絞って3人をセレクト。全員が180センチ以上、櫻庭立樹(コンサドーレ札幌U-15)に至っては190センチの長身と大型選手をズラリと並んだ布陣となった。
フィールダーは22人。チームを吉武博文監督はDF・MF・FWの区分けにこだわらずに起用する指揮官のため、並びは大して重要ではない。採用している戦術、コンセプトは昨年のU-17ワールドカップに出場した96ジャパンのモノを踏襲しており、ボールを動かす技術と判断力、そしてモビリティーを重視したセレクションとなっている。このため、この年代も前世代と同じく小柄な選手が非常に多い代表となっている。
その一方で、昨年末に行われた高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権で2年生ながら大活躍を見せた大型センターバックの橋岡大樹(浦和レッズジュニアユース)、183センチの高身長ながら技術も高いDF中川創(柏レイソルU-15)のような選手も招集された。吉武監督は大型センターバックを最初からあきらめているわけではなく、前世代でもさまざまな大型DFのテストは行っていた。今回も同様にこうした招集を繰り返しながら適材を探していくということだろう。
チームは3月にも合宿を予定。こちらは受験を終えた選手たちも参加してくることになるだろう。4月にイタリア遠征、5月にアゼルバイジャン遠征を行い、さらに7月にも海外遠征を予定。9月にタイで行われるAFC・U-16選手権(U-17ワールドカップ・アジア最終予選を兼ねる)に備えることとなる。