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11日にインドで開幕! U-17女子W杯について知っておきたい4つのこと

2022.10.10

開幕を控えるU-17女子ワールドカップ [写真]=Getty Images

 第7回となるU-17女子ワールドカップが、今月11日(火)にインドで幕を開ける。注目は何といっても“リトルなでしこ”だろう。3大会ぶりに頂点を目指す日本代表は、大会2日目の12日(水)に登場する。

 この世代で圧倒的な強さを誇る日本の躍進に期待が寄せられるが、難敵も多そうだ。日本とは別のグループCに入ったスペインは前回大会(2018年)の覇者。8月のU-20女子ワールドカップの決勝で日本を退けて頂点に立ったスペインは、U-20とU-17のアベック優勝を目指している。

 それでは、次世代の女子サッカー界を牽引するであろう若き才能に注目のU-17女子ワールドカップについて「知っておきたい4つのこと」を紹介しよう。

[写真]=Getty Images

■開催地はインド

U-17女子ワールドカップ

 インドで「FIFAワールドカップ」が開催されるのは2度目のこと。1度目は2017年に開かれた男子のU-17ワールドカップで、その大会で世界に名を轟かせた若武者こそ、今ではイングランド代表に欠かせない選手となっているMFフィル・フォーデンだ。

 同大会、フォーデンを擁するイングランドU-17代表はベスト16でPK戦の末に日本を退けると、勢いそのままファイナルまで勝ち上がり、決勝でスペインに5-2で勝利して初優勝を遂げた。イングランドにとっては「A代表」「U-20代表」に続いて3世代目のワールドカップ制覇。フォーデンは、その大会で全7試合に出場して3ゴール・1アシストの活躍を見せ、ゴールデンボール(大会MVP)に輝いて一躍有名になった。

 今回は女子のU-17ワールドカップだ。開催国のインドが同大会に出場するのは初めてのこと。男女・全年代を含め、ワールドカップに出場するのは前述の2017年の男子大会以来2度目のことになる。2017年はグループステージで3戦全敗に終わっているため、今回インドは記念すべき“ワールドカップの初ポイント”を目指して、11日の開幕戦でいきなり強豪のアメリカとぶつかる。

 ちなみに、U-17女子ワールドカップでは開催国の成績が芳しくない。強豪国での開催が少ないこともあり、過去6大会の開催国は全てグループステージで敗退しているのだ…。

■6大会でわずか「2敗」の日本

U-17女子ワールドカップ

 第1回大会から出場し続けている日本は、これが7回目の出場。全7大会に出場しているのは、日本以外にドイツ、カナダ、ニュージーランドの3か国だけ。北朝鮮も過去6大会に出場しており、今大会も出場権を獲得していたが、今年3月に棄権を表明した(代わりに中国が出場する)。

 U-17女子ワールドカップで優勝経験があるのは日本を含めて5チーム(北朝鮮2回、日本、韓国、フランス、スペイン)。優勝回数では北朝鮮に後れを取っている日本だが、試合の成績を見ると群を抜いている。これまで出場した全6大会で決勝トーナメント(ベスト8)に進出しており、3度も決勝の舞台に立っているのだ!

 2014年大会に決勝でスペインを退けて初優勝を遂げた日本は、2010年と2016年大会にもファイナルに進出したが、その時はどちらもPK戦で涙を呑んだ。U-17女子W杯は2012年大会から延長戦が撤廃され、90分間で勝負がつかない場合は即PK戦に突入するため、自然とPK戦での決着が増える。最たる例が日本で、これまで6大会で計30試合を戦い、22勝6分け2敗、106得点22失点。実は「2回」しか負けていないのだ。しかし、前述の決勝戦のように、引き分け扱いの「PK戦による敗戦」が4回もあるので、今大会もPK戦には気を付けたいところだ。

 ちなみに、本大会での日本の「22勝」は歴代最多。さらに通算「106ゴール」も歴代最多で、2番目のドイツ(68ゴール)より38点も多いことになる。過去のゴールデンボール(大会MVP)受賞者を見ても、6大会中3大会で日本人が受賞している(2008年=岩渕真奈、2014年=杉田妃和、2016年=長野風花)!

■初出場のタンザニア

U-17女子ワールドカップ

 今大会の初出場は3チーム。開催国インド、モロッコ、そしてタンザニアだ。中でも注目は、12日のグループD初戦で日本と対戦するタンザニアだろう。タンザニアは男女・全年代を含め、これが記念すべき初のワールドカップの舞台なのだ。

 当然、国民の関心度も高いようだ。今年6月にアフリカ最終予選でカメルーンを退けて本大会の出場権を獲得すると、選手やスタッフが国会に呼ばれて功績を称えられたのだ。そして、そのニュースは国内で大々的に報じられた。さらに政府のバックアップもあり、今大会前にはイングランドで2週間ほど合宿を張り、サウサンプトンの施設を使って強化を図ってきた。

 合宿中には地元のクラブとも親善試合を行い、入念に準備を進めてきたようだ。その時に対戦した相手チームの監督によると「中盤の背の高い選手が素晴らしい」とのことなので、176㎝の長身を誇るMFジョイスには注意したい。

■グループD

U-17女子ワールドカップ

 これまで必ずグループステージを突破している日本だが、今大会は非常に厄介なグループに入ってしまった。D組には、日本とタンザニアのほかにフランスとカナダが同居しているのだ。日本が第2戦で当たるカナダは、前回2018年大会には過去最高のベスト4という成績を残している。日本と同じく全7大会に出場のカナダは、今大会のCONCACAF予選でチームの半数近い12ゴールを叩き出して得点女王に輝いたローザ・マアルーフがケガで不在だが、決して侮れない相手だろう。

 そしてグループ最終戦で対戦するフランスも強敵だ。過去に2回しか出場のないフランスだが、2012年大会には頂点に輝いているのだ。今大会、歴代チャンピオンが同居したのは日本とフランスが入ったグループDだけとなっている。

 というわけで、一筋縄でいかないかもしれないが、過去6大会でわずか「2敗」の“リトルなでしこ”なら必ず困難を乗り越えてくれるはずだ!

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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