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五輪メンバー発表の高倉監督、10番を託した岩渕へ期待「しっかり責任を果たしてくれる」

2021.06.18

東京オリンピックメンバー発表会見に臨んだ高倉監督 [写真]=JFA

 18日、来月の『第32回オリンピック競技大会』および『MS&ADカップ2021』(7/14@京都)に臨むなでしこジャパン(日本女子代表)メンバーを発表した高倉麻子監督が、その後の質疑応答に応じた。

 まず東京オリンピック本大会への自信を問いかけられた高倉監督は「チームを作ってきた中でトライもありエラーもあり、時間をかけてようやく選手自身が躍動し私自身の目指していくサッカーということに関しても、いろんな意味で歯車が合ってきたことを感じています。もちろん、今の時点でベストな状況ということではなく、オリンピックが始まる初戦から決勝の第6戦まで、1試合1試合チームが成長する。それはプレーのみならず、選手自身の心の中も成長していく中で、金メダルを取りに行くチームが出来上がっていくんじゃないかと私自身は確信しています」とコメント。

 チームのキャプテンについては「ずっとこのチームになってからキャプテンを任せています、バイエルンのDF熊谷紗希にキャプテンを託そうと思っています」と明言し、その理由や期待を問われると「もちろん彼女の年齢(30歳)もチームの中で上になりますし、そして何より2011年(ドイツW杯)の優勝メンバーの一人でもあります。また海外で長くさまざまな外国のプレーヤーとともに、チャンピオンズリーグで連覇をするようなチームの中でレギュラーを張ってきた選手なので。とにかくメンタルが強いですし、なおかつ人の意見を聞く耳を持った、本当に器の大きい選手であり人間だなと感じているので、このチームのキャプテンは紗希以外には考えられないと思っています」と語った。

 背番号も明かされた今回のメンバー発表では、FW岩渕真奈が「10番」に決定。これまで「8番」を着用してきた同選手に「10番」を託した理由について、高倉監督は「やはりなでしこの象徴的な10番は澤(穂希)さんになってくると思うんですけど、彼女の後で10番を背負う選手っていうのは私の中でも重い意味があると感じていて、このチーム発足当時から岩渕はその候補の一人ではありました。ただ、岩渕選手の持っているパフォーマンスや潜在能力含め、人間的にも10番を託す時は成熟した時だなと感じていたので、意図的に8番を背負ってもらいながら彼女の成長を待っている中で、ここしばらくのパフォーマンスや合宿中の言動に強い自覚や、もう今10番を託してもしっかり責任を果たしてくれるなと感じ、この東京オリンピックという大きな舞台で彼女がチームの浮き沈みを背負って立つぐらいの気迫で躍動してくれることを強く期待しています」と口にしている。

 なでしこジャパンが前回出場した2012年のロンドンオリンピックから9年が経過した現在、これまで感じてきたチームの進歩については「なでしこが存在を世界に知らしめた2011年には技術的や組織的にクレバーに戦う部分が称賛されましたけど、そういった部分を他のチームが追いかけてくる中で、女子サッカーが発展してきたと思います。技術的な部分や組織的な力に、フィジカルを前面に押し出してきたチームが着手したことで私たちのプラスが消されていくこともありましたが、自分たちはフィジカル的に追いつく細かな作業をしてきましたし、グラウンドの中での判断や想像力は上がってきたと感じています。自分たちの技術的な部分や献身性、クレバーさに磨きをかけていけば十分に世界と戦える手応えを感じながら、チームを作ってきています。まだまだ課題はありますが、選手とともに1日1日、大事にチーム力を上げていきたいと思います」と自身の見解を語った。

 菅澤優衣香、岩渕、田中美南、籾木結花という顔ぶれを揃えたFWの選出理由については「ターゲットタイプもいますし、一発のプレーで逆を取れるタイプや、一つのキックでチャンスを作り出せる選手もいます。それに加えて、あまり中盤とFWという境目をつけず、さまざまな選手がチャンスを作り連続してゴールを目指していくというところでは、いろいろなかたちが目に見えるので。その辺は私自身も磨きをかけることは前提ですけれども、楽しみにしています」とコメント。

 そして1年延期となって迎える東京オリンピック本大会については「昨年の今頃は先が全く見えない中、選手たちはサッカーと離れた生活を物心がついてから初めてしたと思います。それは私自身も一緒で、世界平和と皆さんの健康があってこそのスポーツ・サッカーだということを身に沁みて感じる中で、ようやくいろいろな方の協力の中でサッカーができるようになった時、選手にサッカーへの思いがさらに強く芽生えたのかなとも思います。昨年10・11月にJヴィレッジでキャンプをやらせてもらった時の、選手の表情やチームのパワー、熱気が確実に上がったと感じます。以前から活躍した選手も戦いながら切磋琢磨して今の18人がいると思うので、とにかく全員の力でチームの底上げをしてきたと思います。偉大な世界一になった2011年のチームを追いかける、そこを超えていかなくてはならない選手の心の中やプレッシャーは大変なものだと思いますし、選手一人一人の努力があっての舞台だと思います。今後このチームを見た小学生や中学生の選手たちがなでしこが持っているサッカーへの思いを感じて、日々の練習でレベルアップして、またいつの日かなでしこのバトンを受け取ってくれるというものを作るためにも、ここにいる22人で良い結果を残したいと思います」と意気込みを示している。

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