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“なでしこジャパン”の最新状況について知っておきたい5つのこと

2019.04.04

なでしこジャパン(写真は先月のもの) [写真]=Getty Images

 昨夏に行われたロシア・ワールドカップでは、日本代表の奮闘に加えて、あまりにもドラマチックな展開の連続に連日連夜、眠れぬ日々を過ごした人も多いだろう。大会終了後には「W杯ロス」になる人も少なくなかったようだ。

 あれから9カ月。あの興奮をもう一度味わえるビッグイベントの開催が迫っている。今年6月、フランスで女子ワールドカップが開催されるのだ。

 日本女子代表(なでしこジャパン)は2011年のドイツ大会で初優勝を果たすと、2015年のカナダ大会では決勝でアメリカに敗れたものの、準優勝を勝ち取った。第8回目を迎える今W杯の出場権はすでに手にしており、3大会連続の決勝進出と王座奪還が期待されている。

 そんな“なでしこジャパン”は現在、欧州遠征を敢行中。4日にはフランス女子代表と、9日にはドイツ女子代表との国際親善試合を戦うことになっており、本番に向けた最後のテストマッチ(2試合)に挑む。

 そこで今回は、“なでしこジャパン”の最新状況を紹介。4年前と何が変わったのか、また現在の“なでしこジャパン”の実力はどの程度なのか、など、知っておきたい5つの基礎情報をまとめてみた。

■日本で初の女性監督

高倉麻子

[写真]=Getty Images

まず4年前と最も大きく異なるポイントは代表監督だろう。W杯過去2大会連続で“なでしこジャパン”を決勝に導いた佐々木則夫監督は2016年3月に退任。高倉麻子監督がチームを引き継いだ。高倉監督は現役時代に日本代表選手として活躍し、2度の女子W杯(1991年、1995年)に出場。代表では79試合に出場して30得点という記録を残している。また、男女を通じてトップカテゴリーで初の女性指揮官という特徴を持つ。言わば“オールなでしこ”で今回のW杯に臨むのだ。

■FIFAランクは7位、優勝予想オッズは5番目

現在の実力を推し量る指標として最も頻繁に使われるのがFIFAランキングだろう。今年3月29日に発表された最新版で、“なでしこジャパン”は7位にランクイン。4年前の同時期は4位だったのは、前回大会ほど上位チームとしてW杯に臨むわけではない。大手ブックメーカー『ウィリアム・ヒル』が公開しているW杯優勝予想オッズを見ても、オランダと同じ11倍で全体の5位。1位はアメリカで3.5倍、2位は開催国のフランスで4.33倍、3位はドイツで6.5倍、4位はイングランドで8倍となっており、“2番手グループ”という立場になっている。

■W杯のGS対戦国は?

昨年12月に行われたグループステージ組み合わせ抽選会の結果、“なでしこジャパン”はイングランド、スコットランド、アルゼンチンと同じグループDに入った。最新のFIFAランキングは、イングランドが3位、スコットランドが20位、アルゼンチンが37位。グループ最大のライバルとなるイングランドとは、今年3月に行われた4ヶ国対抗戦「2019 SheBelieves Cup」で対戦し、0-3の敗戦を喫したため、本番ではリベンジが期待される。なお、各グループ上位2カ国に、3位グループの成績上位4カ国を加えた16カ国が決勝トーナメントに進出する。

■前回W杯経験者は3名のみ

鮫島彩、熊谷紗希、菅澤優衣香

(左から)鮫島彩、熊谷紗希、菅澤優衣香 [写真]=Getty Images

佐々木体制から高倉体制に変わって、代表メンバーの顔ぶれも大きく変わった。“なでしこジャパン”の黄金時代を支えた澤穂希は現役を引退し、宮間あやも現体制では一度も招集メンバー入りを果たしていない。今回の欧州遠征に帯同するメンバー22名の平均年齢は23.1歳。W杯経験者はDF鮫島彩(2011年、2015年)、DF熊谷紗希(2011年、2015年)、FW菅澤優衣香(2015年)の3選手に限られ、10代後半から20代前半の選手たちが数多く名を連ねる。

■“新”黄金世代が台頭

南萌華、宮川麻都、宮澤ひなた、植木理子、遠藤純

(左から)南萌華、宮川麻都、宮澤ひなた、植木理子、遠藤純 [写真]=Getty Images

今回の“なでしこジャパン”は若いチームだが、世界一に輝いた実績を持つエリート選手たちが数多く名を連ねる。MF長谷川唯やMF杉田妃和は、高倉監督が優勝に導いた2014年のU-17女子W杯の代表メンバー。また、DF南萌華、MF宮川麻都、FW宮澤ひなた、FW植木理子、FW遠藤純の5選手は、昨年フランスで開催されたU-20W杯で初の世界王者に輝いた。2016年の監督交代以降、必ずしも世代交代がうまくいったわけではないが、“新”黄金世代と言っても過言ではない彼女たちと、2011年にW杯初優勝を経験した鮫島や熊谷らが融合しつつあるのが現在の“なでしこジャパン”であり、W杯本大会ではフレッシュなメンバーで頂点を狙うことになりそうだ。

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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